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竜王と黄金のハート 番外   作者: 葉月秋子


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3/15


 黒竜は苦しげに喘ぎながら、岩窟の奥の白い砂の敷き詰められた一角にうずくまった。

 黄金竜の気に入りの寝床だった場所。

 くつろぐ姿も、同じ形。

 なので。少女はいつも黄金竜と話すとき使っていた懐かしい場所、竜の頭のそばの岩棚に乗り、新たな岩窟の主に心と言葉で話しかけた。


『竜王、あなたにお願いに来ました』


 聞こえたのだろうか。

 

 不安になった頃、巨大な竜は片目を開けて娘を見た。

 黄金の瞳。

『お前は何だ。なぜ話せる』

 不機嫌な、うなり声。

『私はあなたが(たお)した黄金竜の血を継ぐ者です』


 竜は両眼を開いた。



『竜王、あなたにお願いに来ました。

 この山のふもとに人間の町があり、たくさんの人間が暮らしています。

 あなたが(たお)した黄金竜は、人間を守護してくれていました。

 私、あなたにも人間を守ってほしくて、人間を襲わないと約束して欲しくて、ここに来たのです』

 竜は大きく息をつき、けだるそうに眼を閉じた。

『うるさい』

 不機嫌に一言うなる。


『お願いです、このままではロードリアスは魔獣たちに襲われ、滅びてしまう。

 あなたが守ってくださるなら、私、何でもします。

 食べてくださっても構いません』


 フッ、と竜は鼻でせせら笑った。

 人間の肉は冷たくて好きではない。

 彼は草原に何千頭も群れ集い、他の竜や魔獣たちの餌食となる草食獣ギャラクよりも、その数倍の大きさがあり、家族単位の群れで動く、木の葉を主食にするクラダンの肉を好んでいた。

 巨大な爪で武装するクラダンの成獣の重さは8ダン(およそ2トン)。

 このちっぽけな人間の何十人分になるか。


『お前を喰う気はない。行け』


『いいえ、行きません。どうか、私の願いをきいて』

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