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プロローグ

世界の狭間、第二部です。前作を知らない方は、そちらをお先に読んでいただいた方が分かりやすいかと。

今回の主人公はカナタではなく、雷双槍(パルチザン)のスミレです。

【雷双槍】


神殺槍(ロンギヌス)の狙撃は、戦いの狼煙(のろし)と同じだ。狙撃による混乱に乗じ、突入部隊であるあたし含めた三人が、それぞれの場所から奇襲する。

トン、とビルの方を向いたまま、あたしは屋上から身を投げた。装備したハーネスから極細の微重力合成弦(クローワイヤー)がぐんぐんと伸びる。ギュルギュルギュル、と微重力合成弦(クローワイヤー)を巻き付けたハーネスの機構が悲鳴を挙げる。

次々と景色が変わる中、制圧目的の階が見えた。

それからは、一瞬の出来事である。

腰元のベルトに装着したレバーを引き、微重力合成弦(クローワイヤー)がビタリと止まる。全身に衝撃が走り、次の瞬間には中空で弧を描き、更に次には大きな窓ガラスを破り、中への侵入に成功した。

中で武装していた犯人グループが驚愕に目を剥くのも構わず、あたしは腰の後ろに装備していたイスラエル製の短機関銃(サブマシンガン)を二挺、引き抜いて近くのデスクの陰に飛び込む。向こうもようやく我に返ったのか、一斉に陣形を整え始めた。が、あたしには関係がない。

タァンタァン、と神殺槍(ロンギヌス)の狙撃により一人二人と倒れていく。

陰なる伏兵の存在に再びチームワークが乱れ始めた瞬間、あたしは物陰を転がる様に飛び出し、出来るだけテロリストが多い箇所を狙って、二挺の短機関銃をフルオートで速射した。ゴム弾とは言え、ヘビー級ボクサーの渾身のストレートぐらいの威力がある。あたりどころが悪ければ骨の一本や二本は軽く折る事が出来る。

このイスラエル製の短機関銃のメリットは、小回りが利いてなおかつ射撃性能が優れている事である。銃身は短く、薬室(チェンバー)を包み込む様な形状(フォルム)、固定撃針を組み込んだラップラウンド式ボルトを組み込み、射撃のバランスを取りやすくしている。銃口上部には高性能コンペンセイターを装着している為、更に衝撃を和らげる事となる。

デメリットとしては量産しやすい様にプレス加工をしている為に、フレームや機関部が変形しやすい事だが、ゴム弾では発射時の衝撃がパラベラム弾と違って小さい。あたしには無関係とは言わないまでもあまり関係はない。

あらかた敵を潰し、立ち上がって周りを見てみると、バリケードを破って入ってきたらしい焔斧槍(オベリスク)や、天井の通風口から侵入したらしい紋知槍(グングニル)がいた。

三人を代表して、あたしは耳に装着していた通信機(インカム)のスイッチを入れ、首尾を報告した。

制圧完了(クリアー)

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