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予言の乙女-6-

「ほっほっほ。陛下、そのように言葉を重ねては。ほら、困っておいでですぞ」

 扉は開いたままだったらしく、背後から聞こえた声に和歌はゆっくりと振り向く。

 そこには、これぞまさにギネス記録挑戦中か?と疑う程の長い髭をたくわえたお爺さんがいた。ゆったりとした服の裾で床を掃除しながら近付いてくるお爺さんは、中国の山奥にでも住んでいるという仙人みたいだ。

「あぁ、そうだったな。すまない。つい感激してしまってな。なにせ、待ち望んでいた乙女だ」

 これで興奮しない者はいないだろう、と。まったく自分に非がないと信じ切っている美青年改めどこかの国の王様は、これまた美に忠実な太陽のような笑顔を浮かべた。覗いた白い歯が、キラリ!と光ったのは、絶対に見間違いではないと思う。

 っていうか、本当に王子…じゃなかった。王様だったのね、この超イケメン君は。

「ほっほっほ。左様でございますか。しかし、陛下。それは、乙女の手を握り続けている理由にはなりませんなぁ」

 流石、と言うべきだろう。多分きっとお目付け役か何かだろうお爺さんは、この王子様…もう王子様でいいよね。扱いに慣れている。

「本当に、ラフォットは細かいな。いいじゃないか、手を握るのにいちいち理由などいらないだろう?」

 いや、よくない。

 男子と一緒によくやんちゃをした覚えはあるけれど、女の子扱いに慣れていない和歌にとっては、手を握られる事は断じて細かい事ではないのだ。

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