表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/61

王道展開に物申す-1-

「できすぎてるって、思うのは…あたしが、捻くれてるから?」

 真っ白いシーツが、視界の隅で風に揺れている。

 屋上から沈んでいく夕陽を眺めていた和歌は、自嘲気味の笑みを浮かべた。

 だって、こんなにうまい話ってある?

 いきなり異世界に飛ばされて。武装した人達に追われて。お節介を焼いて助けた少年の家族に保護される。

 どっかのありふれたファンタジー小説みたいじゃないの。

「で、この後少女は結局捕まって、お城に連れていかれて、牢屋とかに入れられるんだよねぇ」

 だけど結局、なんやかんやで救い出されちゃったりするんだよね。それも、美形の部類に入る男の人に。

 そんなストーリー展開、もう見飽きた。あまりにも王道過ぎて、面白みの欠片もない。

 そもそも、そういうのって、フィクションだからこそ面白いんじゃないの?現実にいきなり知らない世界に飛ばされたら、ただ黙って助けられるのを待っていられるわけないじゃない。

 誰もあたしを知らなくて、あたしは誰も知らないというのに、どうして誰かが助けてくれるって思えるの。未来なんて見えない。外れる確率九割の博打みたいな行動、選択なんてしないよ。

 少なくとも、あたしはそんなのご免だ。

 もし仮に、神様が、あたしを助け出してくれる王子様を用意していてくれたとしよう。

 それでも、選択肢は変わらない。

 あたしだったら、会いに行く。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ