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ここは何処?-4-

 口を押さえている相手の手に噛み付くなんて、序の口。まさか反撃を食らうとは夢にも思っていなかった相手の呻き声に、同情なんかするはずがない。痛みに束縛を解いた背後の相手に、渾身の蹴りをお見舞いする。

「あんた達!人が黙って聞いていれば、言いたい放題言いやがってッ。女子高生の怒り、甘くみるんじゃないわよッ!」

 怒り心頭の和歌の猛反撃は、事態についていけずに固まっている連中を秒殺していった。ぐるりと自分を取り囲んでいた五人の騎士を得意の空手で次々と地に沈めれば、一度動きを止める和歌。タイミングよく風が吹き抜け、その見事な黒髪を舞い上げた。

 据わった目が、目の前に立つ髭騎士を睨み付ける。そのあまりの殺気に、相手は恐怖に喉を鳴らすも、和歌の怒りは収まらず。

「死んで詫びろ」

 怒り心頭といった風情で喚いてくれた方が、まだマシだったかもしれない。低い声音で静かに紡がれた言葉は、恐怖以外の何ものでもなかった。

「おらぁ!」

 気合の一声と共に繰り出された回し蹴りが、恐怖に固まっている相手の鳩尾に見事入った。比喩でもなんでもなく、背後に吹っ飛ぶ髭騎士。

 宙を浮けば、もちろん重力に従って落下する甲冑の体。背中から倒れ込んだ相手の口から抜けていく魂が、確かに見えた気がした。

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