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記憶喪失的情報収集-8-

 元より体格のいい女性は、発する気配も威圧感がある。柄の悪い男達に平然と喧嘩を売る和歌も、子供を守る母親の強さの前では蛇に睨まれた蛙みたいに硬直した。

 家族を守るお母さん達は、世界で一番のつわものだと思います。

「ふぅん…?」

「あ…あの…」

 目の前で立ち止り、触れるくらいに顔を近付けてくる彼女に、和歌は引き攣った愛想笑いを浮かべるしかない。

 特に悪い事をしたつもりはないのに。嘘をついた時、お母さんのじっと見つめる瞳を思い出してしまった。

「あんた、今、ちょっとした有名人だよ?あのブルイ隊長を、一撃で沈めたんだってねぇ」

 楽しげに笑う女性が指している人物を思い出すのに、和歌は数十秒を要した。

「…あぁ、あの、馬鹿髭騎士さん?」

 ネーミングセンスを疑われそうなそのまんまのあだ名を付けられたブルイ隊長は、きっと今頃くしゃみをしているに違いない。

 和歌のあまりにも正直な言いように固まっていた女性は、やがて愉快そうに大声で笑った。

「あっはははは!こりゃあいい。恐怖のブルイ隊長になんとも素直なあだ名を付けるとはねぇ」

 働き者の大きな手が和歌の髪を無遠慮に撫でてくる。

 それがまるで愛玩動物にするようなものに思えて、なんとも複雑な気分。確かにこの世界ではとっても珍しい部類に入るだろうけれど、人間としてすら扱ってもらえないのかって話だ。

「気に入った。息子を助けてくれた恩もある。それを仇で返す程、腐っちゃいないよ」

 頭を撫でた後は強い力で背中を叩いてきてくれて、これはこの人なりの好意の示し方なのだと思うようにした。

 そう思わないと、なんだか虚しくなってくる。

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