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ここは何処?-19-
「あの…お姉さん。本当に、大丈夫?」
泣き止まない和歌に対して困惑に動揺を付け加えた様子のガーネの手がそっと背に触れる。
完全に戸惑っている心優しい少年に流石にこのまま感涙している場合ではないと判断した和歌は、ようやく涙を拭った。
あたしも、涙もろくなったものだわ。
「大丈夫だよ、ガーネ君。ちょっと…緊張の糸が切れただけなの」
心配そうに見上げてくる青空の瞳に笑って見せる。事実、ここが何処かもわからない中で、知り合いとまではいかないまでも自分に味方してくれる誰かを得た今、安堵しているのだ。
「ところで、少年。一つ、訊いてもいいかな」
「うん、いいよ。何?お姉さん」
助けてもらったお礼をしたいと少年の家に招かれる事になった和歌は、その道中前を歩く背中に最初から抱いていた疑問をぶつけてみた。
「ここって、何処?」