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女装暗殺者サナの血塗られた受難、あるいは神に愛されし呪村  作者: RYO
終章 殺し屋には明日がある

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9-2(終)

 月明りに照らされた、どことも知れぬ名もなき山中、その崖の下の草深き森。


「あぁぁ~、やっと見つけたぁ……もっと見つけやすいとこにいてよぉ……」

 草をかき分けてようやく見つけたサナの言葉に──()()は僅かに身じろぎした。

 それは……四肢をあらぬ方向に捻じ曲げられ、地面に横たわる男性だった。


 サナの存在を感じた男は声を出そうとするが、

「ぅぇ……ぁぁ……」

 その口から漏れるのは人間のものとは思えないうめき声だけ。

「いやなにいってっかわかんないから」

 サナが辛辣に吐き捨てる。


 そもそも男がロクに声も出せないのはカランビットによる打撃で声帯を潰されているからなのだが、サナは全く気にした様子も見せずにペラペラと──男には全く理解できないことを──喋り出す。


「ぜんぶ変わっちゃったからあんたも変わってんのかと思ったけど、また強盗しちゃったみたいだしでも今度は”できるだけ苦しめてくれ”って言われたら手足折って放置してみたんだけど、もしかしてあんたもあの村の事憶えてんじゃないの? ほら、みこっちのことととか憶えてない? 神様に会ったりしてない? あとさぁあとさぁ」


 ひたすら一方的に捲し立てたサナは、ずっと気になっていた疑問を投げかけた。


「わたしのどこかが”おかしな殺し屋”だと思う? ……あれ」


 男はもううめき声すら発さなくなっていた──胸が僅かに上下しているので息はまだあるようだが。


「あらら……」


 サナは可愛らしく首を捻ると、男の首に両手をかけてあらぬ方向に捻った。

 

 (終)


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