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第三話~魔法~

俺はグリーテンのところへ向かおうとしたが一つ問題があった。

どこにどうやって行けばいいのかわからない。


格好つけて「支度を整え待機せよ。」

とか言っちゃった手前どうやって行くの?

なんて恥ずかしくて聞けないし、適当に行こうとしたら「カイト様そちらはグリーテン様のいらっしゃる方ではありませんが。」

みたいなツッコミ入りそうだし。


などと頭の中で悩んでいると、突如三者の前の空間に黒い円形の穴が出現した。

中は真っ暗でまるでブラックホールのように吸い込まれそうだ。


すると穴の中から人影が出てきた。グリーテンである。

ちょうど良かった、助かった。と思う反面、突然何しに来たのだろうかという疑問を抱く。

良い予感はしない。むしろ悪い予感がする。


「カイト!迎えに来たよ!」


「あ、ああ、すまない。」

(え、なんで俺が会いに行こうとしたのを知ってるんだ!?)


「ううん、全然平気だよ!じゃあ、行こっか!」


「そ、そうだな。では、行ってくる。二人ともまた後でな。」


俺は流れに身を任せて一旦二人に別れを告げると、二人は声を揃えて


「はい、いってらっしゃいませ、カイト様。」


と言い、見送ってくれた。

どうやら二人には自然に振る舞えたようだ。

俺は言われるがままグリーテンが出てきた穴を一緒に潜り抜ける。


少し不安だが、グリーテンが出てきた穴だし、一緒に入るのだから大丈夫だろう。

若干緊張しながら穴を潜り抜ける。


一瞬、目の前は何もない暗闇に包まれるが歩み続ける。

すると暗闇が晴れ景色が広がりだす。

次の瞬間、俺はその光景に衝撃を受けた。


穴を抜けるとそこは巨大な図書館だった。

部屋の中は少し薄暗いが、数えきれない程の本が巨大な本棚にズラリと並んでいる。

果たしていくつあるのだろうか。


部屋の形は円形で、本棚が部屋の隅々に敷き詰められている。

衝撃と同時に俺のラノベ好きの血が騒ぐ。

本で読んでいた世界が目の前に広がっている。

ラノベ以外の本はほとんど読んでこなかったが、この世界観、迫力を目にしたら大抵の地球人は驚くだろう。


その光景に驚いていると、


「やっぱりな、カイト、お前は誰だ!?」


なにっ!?

グリーテンが俺の方を見てニヤリと笑った。どういう事だ!?俺の正体がバレてしまっているのか?

いつだ。あの魔王の謁見の時にバレてしまったのか?


こいつ、魔法が得意そうだし、魔法で何かを感知したのかも。

いや、今それはどうでもいい。問題はこの局面をどう切り抜けるかだ。

このまましらを切って通すか?


いや、向こうはカイト本人ではないと確信しているようだし、このまま隠しても時間の問題だろう。

それに強引に誤魔化して事態を大きくしてしまう方が後々厄介な事になる気がする。

ここは二人の時と同じようにするしかないな。


「うん?私はカイト(海斗)だが?しかし、少し記憶が飛んでしまっていてな。」


「ふん、そういう事か。なら僕の推測と辻褄が合うか。」


「推測?どういう事か聞かせてくれないか?」


「先程のゼクス様との謁見、カイトの振る舞いはいつもと違うように感じたんだ。何か戸惑っているように見えたし、言動がぎこちなかったよ。」


「ほう、それで?」


「そこで僕はこう考えた、カイトは何者かの手によって操られてしまっているのか?目の前にいるのはカイトの姿をした偽物か?はたまた、異世界から転移した誰かがカイトになっちゃってた?とかね。」


ふむふむ・・・って、最後の当たっているんですけど!


「ふむ、面白い推理だ。それでどうしてお前の推測と辻褄が合ったのだ?」


「うん。それは、謁見中に魔法でカイトの事をいろいろ調べたからだよ!魔法で一通り鑑定したけど、ステータスに異常は見られなかったんだ。

だから、肉体は本人だし、精神も操られてないようだったからあとは頭がどうかしちゃったのかなって。(笑)」


最後はかなり失礼な物言いだが、確かに辻褄が合うようだ。ならばその推理に乗ってあげようではないか。


「見事だよ。だから私の事を不審に感じ、問いただすために迎えに来たということだな。」


「うん、それでこの部屋を見た時の反応でやっぱりなって思ったよ!」


「そういうことか。しかし、私は記憶が飛んでしまったと言った。お前が言った異世界からの転移ももう一つの可能性ではないのか?」


「あー、異世界からの転移?バッカだなー。そんなのある訳ないじゃん!」


「ま、まあ確かにな。そうだな、見事な推理だよ。」


まあ、そんなバカな話が起きてしまっているのだが、都合よく解釈してくれたようなのでそういう事にしておこう。


あの二人にもそう言ってあるし。相手によっていちいち話を変えていたらこちらが混乱してしまう。

こいつは頭が切れるのか天然なのか良く分からんが、勘は鋭そうだ。覚えておこう。

さてと、そろそろ本題に入るか。


「ところで私もお前に用事があってな。」


「そうなんだ、なになに?」


「実は魔法に関する記憶も飛んでしまっていてだな。魔法について少し教えてくれないかと思ってな。」


「そうなんだ、そこまでおバカになっちゃったんだね!じゃあ簡単に説明するよ!」


といちいち挑発するような口調だが、魔法のことについていろいろと話してくれた。


この世界の者はみな大なり小なり魔法の力を持つらしい。魔法はマナという力を源に行使する。

マナはゲームで言うMPという事だ。

魔法の得意、不得意、マナの総量の多い少ないもまたそれぞれで、魔法の才能のほとんどは先天的な能力で決まり、才能に恵まれない者がその後努力を重ねても後天的に得られる才は乏しいものだとされている。


魔法の種類は様々で、定番の火、水、雷、風、土、回復、防御、強化、弱化魔法の他に一部の者だけが扱える聖、闇魔法やまだ解明されていない未知の魔法もあるという。


また、魔法の上級者ともなれば、自分のイメージを魔法で具現化できるらしい。


これらの魔法は戦闘にはもちろん生活にも役立てられている。魔法は術者の扱い方で性質や形を変えるため、術者は自身の才に応じてそれぞれの魔法を扱う。


「とまあ、こんな感じかな!まあ魔法は実際に使ってみた方がわかる事が多いからさ、よかったら訓練場で実戦してみる?」


良し、思った通りの流れになった。

聞いた感じ魔法は基本的にゲームの世界と同じような設定だ。

実際の戦場に赴く前に使いこなせるようになっておきたいな。


「うむ、ではよろしく頼む。」


「OK!じゃあゲート用意するねぇ!」


グリーテンが先程のゲートを出現しようとした瞬間、別の方向からゲートが開く。


「グリーテン、禁書庫に入らせてもらいたいのだが、、、おや、カイトではないか。どうした、こんな所に?」

(ゼ、ゼクス!なんてタイミングで来やがるんだよ!ってかグリーテン、余計な事言うなよな!?)


どうして俺はこんなにも運が悪いのだろうか。最悪のタイミングでゼクスが来てしまった。さて、どうしたものか。


「あぁ!ゼクス様!禁書庫ですか?僕たちは一緒に魔法の勉強をしていたんです!それで今から訓練場に行こうと思っていました!」


「ほう、それは面白そうだ!私も是非一緒に行きたいものだな!」


「はい!是非!」


「ゼ、ゼクス様、禁書庫のご用件はよろしいのですか?」


「うむ、構わぬ、こちらの方が面白そうだ。」


そうだよね~。


「はい、では、ゼクス様も行きましょう!」


訓練場でいろいろと試しながらグリーテンにまたいろいろ聞こうと思っていたのだが、事情の知らない魔王が一緒に来るとなると、そうもいかない。


しかし、魔大陸一の強さを持つと言われている魔王の力量を拝められる機会でもある。


ここはチャンスだと思うか。

っていうか禁書庫って超気になるワードが出てきたんだけど、どこにあるんだよ。

まあそれは後々調べるとして、まずは訓練だな。


そして、グリーテンがゲート(転移門)を出現させる。

魔王を先頭に三者は訓練場へのゲートを潜って行くのであった。

「面白かった!」


「続きが気になる、読みたい!」


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