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超人気美少女ダンジョン配信者を救ってバズった呪詛師、うっかり呪術を披露しすぎたところ、どうやら最凶すぎると話題に  作者: 菊池 快晴@書籍化決定


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第36話 B級ダンジョン池袋編

「この画角だと後ろの人が入り込むから、美琴さんはこっちがいいんじゃないかな? ローザさんは、そこが一番中二っぽく見えると思う」

「ありがとう風華ちゃん」

「助かる。ならばこの位置でポーズを決めておくとするか」


 池袋、B級ダンジョン前。

 ドローンカメラはある程度追尾してくれるが、細かい設定は全て風華さんがやってくれている。


 元々個人勢で多くの視聴者がいる彼女は、俺たちがどんな風に見えるのかをいつも考えてくれていた。

 さらに俺以外の衣装の提供、視聴者のコメントの拾い上げ、配信が終わってからの返信も怠らない。


 正直、風華さんがいなければギルドは成り立ってないだろう。


「黒ブラくんは、真ん中でいいよね?」

「そうだね。それより、ありがとう」

「え? 何が?」

「いや、本当に色々と助かってるよ。俺は今まで大人数で撮影もしてなかったから、経験もなかったし」

「気にしないで。視聴者さんも私たちの中に推しがいるだろうし、その人をちゃんと見せてあげたいしね」


 俺は元々、頑張っていれば誰かに見てもらえるだろうと安易な考えで配信をしていた。

 もちろん自分なりに努力はしていた。けどそうじゃない。

 風華さんは、常に考えている。


「これからもっとリーダーとしてがんばるよ。でも、黒ブラはやめてね」

「ふふふ、()ブラくんはいつもおもしろいね」

「俺の言葉って通じてるかな?」


 ちょっと変なところもあるけれど、ギリ許容範囲ブラック!


   ◇


「こんばんブラックだ」

「美琴でーす」

「風華でーす」

「我、ローザなり」


 ”久しぶりのフルパブラック”

 ”こんブラー”

 ”ぷち炎上明け乙です”

 ”説得ブラーック!”

 ”ブラック様ちわす”

 ”みんないつも通り元気そう”


 コメントがいつものように流れていくと、ホッと胸をなでおろす。

 チラチラと俺の炎上のことも書かれているが、おおむね大丈夫そうだ。


 この分なら、サラリと流せるだろう。


「ブラックさん、今日は魔物を説得しちゃダメですからね。後、山を切るのもダメですからね」

「わ、わかったブラック」

 

 と思いきや、即風華さんに突っ込まれる。


 ”草w”

 ”タイムリーブラック”

 ”さっそくいじられてる”

 ”これも優しさだよね”


 だが一つのコメントで気づく。


 そうか、これは彼女なりの優しさ、愛情表現なのだ。

 炎上しやすい昨今、何でもないような雰囲気を作るのは何も世間からじゃない。


 仲間からできる。


 これも風華さんの類まれな技術、見習わなブラック!


「ご、ごほん。気を付けるブラック。――で、本題に入ろう」


 ”ごまかしブラック”

 ”せき込み割り込み”

 ”ワロタ”


「今日は、最下層のダンジョンボスを調伏する。だがそれは、俺じゃなくパーティーメンバーの誰かにする予定だ」


 ”え、どういうこと?”

 ”メンバーの誰か?”

 ”ダンモンが増えるよ”

 ”やったねたえちゃん!?”


「ブラックさんの能力、調伏はパーティーメンバーの指定をできるらしいんです。ダメージを多く与えた人になるから、私か、風華ちゃんかローザちゃんかはまだわからないけれど」

「美琴の言う通りだ。つまり今回はチームメンバーの補強ということだな」


 ”わかりやすい”

 ”すげえな、ダンモンが増えていくってことか”

 ”おもしろい”

 ”ダンジョン崩壊しないの?”


「崩壊については、最下層のボスを倒さない限りは大丈夫じゃ。それは、我が海外の情報から得ておる」


 ”ローザ有能”

 ”有力な情報すぎる”

 ”ブラックシュヴァルツって何気こういうとこも凄いよね”

 ”能力もおもしろいね”


 ブラックシュヴァルツのランクは現在C級+。

 ここから上にあげるには、ギルドとしても強くならなきゃいけない。


 今回は、それぞれが個人でも活躍しやすいように戦力の補強も兼ねている。



「では行くぞお前たち。グループでブラックテレポートをする。――振り落とされるなよ」


 そして俺たちは、仲良く手を繋いで階段をくだった。


 ”わかっててもわろてまうww”

 ”これだけはズルいww”

 ”言い方なんよwww”

 ”鉄板ネタやめw”

 

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