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詩集 詩箱  作者: TiLA
57/166

思い寝

可惜夜(あたらよ)の街を彷徨って

取り留めもなく歩く


澄み渡る夜空

青藍(せいらん)に星が瞬いている


橋の上に佇む少女が

物憂(ものう)げな表情で

川面を見つめている


君は誰を

いま想っているのか




どれだけ時間が経っても

あなたへの思慕(しぼ)

薄れることはなかった


最後にあなたが浮かべた

微笑みで

私の心は愛染(あいぜん)されてしまった


あなたの透き通る声は

いつも私を

深く惑溺(わくでき)させた


あなたに会えない時間が

増えれば増えるほど

恋衣(こいごろも)が染められていった




愛の詩を

奏でよう

いま、あなたに



こんな孤独な夜は

どうしようもなく

あなたを追慕(ついぼ)してしまうから


あなたと過ごした日々が

忘れられずに

愛惜(あいせき)の念が私を包み込むから


三日月の美しい

瑠璃色(るりいろ)の光のように




愛の詩を

奏でよう

また、あなたに




叶わないと知りながら

ずっと

ただ盲愛(もうあい)に溺れていた


あの日のように

いつまでも

何度も





二藍(ふたあい)に染まる夜明け

街はもう目覚めようとしている


やがて空が

秘色(ひそく)に染まりゆく頃


教えてもらった歌を聴きながら

私は思い寝に落ちるのだろう









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― 新着の感想 ―
[良い点] きらきらきれいな詩ですね。 [一言] TiLAさん、角田さん版の源氏物語、おもしろいですよ。不思議なくらいに今にも通用しそうです。こんな心理の男性はいそうだなーと。 なんか思い出しました。…
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