間章 炎の国
間章、短いけど本編に結構関係するかも?
これは200年前、炎の国で起こった戦争の話。
このころ様々な国で内乱に戦争が絶えなかった。きっかけは風の国の滅亡だった。風の国はどこよりも盛えて平和だった。風の国の国王はとにかく強く国民想いで誰もが認める国王だった。
「どうにか風鈴祭開催できないですか!?」
「そうとも行かないんですよ国王、魔物の国の動きが怪しいんですよ。」
多くの国があるが魔物と人はさすがに共存できない。暗黙の了解で大きな風の国でもどうも手を出しにくかった。
「じゃあ魔物の国と共同開催なんてどうでしょう!!」
「そんなことできるとおもってるんですか!?」
ため息からの怒鳴りはなんだかニヤけるてしまった。
「なにが面白いのやら。」
コンコン。ドアの扉が音をたてた。
「入れ。」
「失礼します!私、風雅騎士団団長の早田蓮といいます!」
「ソウ、ダ?へ?変わった名前だな」
「はっ!自分違う星の生まれたもので!」
「え?どゆこと?まあいい。要件はなんだー?」
「こちらです。」
その紙には風鈴祭についてだった。
「やはり開催したいものだと思いまして、実は騎士団でのパフォーマンスは見もので唯一大きく仲を深めるもので……」
蓮が言うに今年引退してしまう先輩の1人は1回もパフォーマンスに出てないのだ。そこで今年ぐらいはー、とのことだった。
「しかし……」
「いいじゃん!やろう!」
「はい!?」
「ありがとうございます!では、失礼します!」
「おい!まだ話は終わって………、行ってしまった。」
「魔物の国の王様様に立ち会ってみる。友好関係を築ければなんとかできるはず。」
「はぁ、好きにしてください。」
諦めるのも無理はない。なんせこうなれば曲げないんですよ、この王様、フウラン様
「やっぱりお前だな!俺の側近ソウエン!」
「くれぐれも油断は禁物ですよ。風雅騎士団は連れて行くにしても暗殺されたーなんてことは守りきれないですから。」
「おう!留守番頼んだ!ソウエン!」
手を振る我が王様は無邪気な子供のようだった。
「それではどうぞ中へ。」
実は初めての魔物国ではなかった。お父様に連れられて一度来たことがあるのだ。父はとにかく逞しく、俺に優しい国王になって欲しいと願った最高の父だ。父でさえ年には抗えなく、父は不老不死になるぐらいなら、と、息を引き取った。そのときの笑顔は心に残る最高の笑顔だ。
「ようこそ、魔物の国へ、今日はどのようなご要件で?」
迎えてきたのは他でもない魔物国の王様、ボルボ国王だ。
「お初にお目にかかります。私、風の国の領主フウランと申します。」
前回きたときとは違う国王であり、少しばかり困惑したがなんとかぎこちない敬語で話すことができた。
「これはご丁寧に、私、魔物国の領主ボルボと申します。ささ、立ち話もなんですしお掛けくださいな。」
「ただいまお飲み物をお持ちいたしますが要望はありますでしょうか?」
「ではコーヒーをお一つ、お願いします。」
「あぁ、ヒュウ、俺にも一つー」
「かしこまりました。」
「それにしても、遠かったでしょう?旅はどうでしたか!」
「はい、とても楽しかったです。昔、父と来たことがあったので懐かしくも新鮮に旅を楽しんでいました。」
「おお、それなら良かったですな、っと何とかですなは口癖でして、すみませんなあ!」
「いえいえ!お気遣いなく!」
「こちらコーヒーでございます。」
「ありがとうございます!」
「ささ!頂いてくださいな!」
「では頂きます!」
ズズッ
「これはまた上品な味ですね!なにか隠し味入れましたか〜?」
冗談まじりな一言で状況が一変した。
「はい、ちょーっと入れましたかね。」
ドクン
「な、にが」
ドクン
「れ、ん」
ドクンドクン
「自分は共犯者、あなたのやり方は気に食わなかった。」
ドクンドクンドクン
「ど、ゆことだ、れ、ん」
「馬鹿ですか?騙したんですよ、そもそも俺様、炎の国王様ですけど?」
ドクンドクンドクンドクンドクンドクン
「もともと偽名を名乗ってましたから。まあこの作戦が成功したら私は国王ではなくなってしまうんですが」
ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン
「どゆ、とだ」
「はっ!お前は可哀想だよ、ソウエン様だよ!ソウエン様は炎の国の次期国王、そして風の国ごと乗っ取る御方だよ!!!!!!!!」
ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン、ドクン ド、
鳥肌がこんなに立つのは初めてのことだ。あぁ死んでしまう。俺は……
それからははやいものだった。そのあとは魔物の国王や蓮、ソウエンらによる一方的な蹂躙だった。現代の炎の国こそさかえているが、そんな影、微塵もない。
「本当に馬鹿だったよ、あいつ、あ、そだお前日本ってどこだ?」
「あぁ?知るか始めるぞ」
「今回の生贄はー、こちら!元風の国の国王様〜!一言!」
「あんたらを倒す者は必ず現れる、かなら……」
ボールにしてはとても重い丸に絵の具にしては深く鮮やかな赤が飛び散り一面を覆った。
「この玉座は、永遠に私のものだ、蓮、」
「はい、」
その刹那、ボルボの心臓を見事なまでの剣筋を描きえぐった。
「な、ぜ、」
「生贄を捧げ、永遠の不老不死を我らに与え給え!!」
大きな魔法陣は綺麗に描かれこの憐れなものたちに不老不死が与えられた。
「渾沌」
最悪の禁忌の魔法はこの2人に与えられ、本当に一生死なない体を手にした。
「我が国王だ。さあ、全てはここにある。」
風鈴の音が涼しく感じられ、炎の国は悪誕した。
眠い