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感情のヒーロー  作者: 女帝
守るべきは仲間。感情はときに武器になり害ともなる。
3/5

再開、束の間のお別れ

 世の中には感情で溢れかえっている。

喜び、怒り、哀しみ、楽しくなる。

こんな感じであり漢字である喜怒哀楽。これは世の中の色を示しているのだと思っている。虚無。これは僕にとって表す色は白色といったところだろうか。つまり、一つの感情と捉えている。そんな僕は白色がなぜか灰色に見えているらしい。

「は、はる」

そこには何を捨てても手に入れたいそして守りたい美女がいた。

「ハ、イヤ」

「はい、ハイヤです。ずっと、会いたかったです。」

「ぼ、くもあいたか……」

涙が頬を伝っているのを感じることも忘れるぐらい自然なことだった。

「泣かないではるここは喜ぶところよ。」

涙ぐみながら言ってきた。

「ハイヤだって泣いてるじゃないか」

僕の感情は忙しい。だって泣きながらハイヤに笑いかけているのだから

「忙しい人ね、でも怒らなきゃいけないことだってあるのよ」

その笑顔は僕が守りたかった笑顔。でもどこか遠くに忘れることを強いられた笑顔。

「どこに行ってたのとか遅いよとか、あとは」

色んな方向を向きながら話してたハイヤが僕に向き合った。

「おかえり」

とびっきりの笑顔だった。

「ただいま」

その一言でいままでの疲れがどっと出て安心した。

「ところでここはどこ?」

「ふふっ、ここは私達の街、始まりの街よ。ここはその裏口付近」

一気に目的を達成した。一人の冒険、もとに遭難?はとても長く感じた。心残りとしては最後のペナルティとムーンとお別れが出来なかったこと。そしてカイ……ライラ協会。もうどうにでもなれ!

「……る、はる!聞いてる!ちゃんとこれまでの話、聞かせてもらうわよ!特に出会った人とか…」

「出会った人?なんで?」

「え!そそそれは、なんでもいいでしょ!いいから!とりあえず宿に行きましょう!」

顔が赤く染まっていた。どうした。まあいい

「わかったよ、帰ろう」

そう言ってこれまでのことを話しながら宿へと向かった。



 ハイヤはカイに拉致されていたらしい。どうやらはる、もとい僕を引き出すために。迷惑をかけた。

ハイヤによるとどうやら僕は異端らしい。それもそのはず少し扱える魔法が多すぎるようだったため今後のライラ協会を脅かすかもしれないと考えたらしい。

「すまなかった、ハイヤ、今後魔法は無闇矢鱈に使わないことにするよ。」

「いいんですよ、でもそうですね。そうした方がいいと思います。悪用されかねませんしね。」

これでこの一件は終わり。長々と話すつもりはない。おもいだしたくないこともあるからな。

 それからは今後の目的を決めることにした。

まず、

「まずはライラ協会のことだよな。この協会については情報が少なすぎる。僕としてはライラ協会の一人を情報源として捕虜…にしたいと思ってる。」

捕虜にするのは気が引けるが仕方がない。この街は少し平和すぎる。そこで、

「この街を出たいと思っている。」

「はい、そうなると思っていました。そうなると炎の国、になりますか、」

この世界には様々な国が存在する。というのもまだ未知な場所もあるらしく、調査をしているらしい。そのなかで炎の国はこの街と友好関係にあるため、安全だ。まずはそこで情報収集ってわけだ。

「そのつもりだ。出発は遅くていい。これまでにお世話になった人や任務のときの人に挨拶をするからな。でも長居するのは避けたいかな。いいかな、ハイヤ」

断りづらい質問をした。

「はい、私ははるのパーティーメンバーですから。従いますよ。」

「冒険者協会に行こうぜ、あそこには思い出がいっぱいだからなお別れしないとな」

「はい、仲良くなった冒険仲間もたくさんですからね」



 「こんにち、え?はる!ハイヤさん!お久しぶりです!いままでどこに……無事で良かったです。長い任務だったりしましたか?もしくはしんこ…じゃなくて旅行でしたか?」

めっちゃしゃべるじゃん。

「まてまて、落ち着け、まあいいけどなんで僕はさん付けじゃないの?」

「いまはそんなこと聞いてるひまはないでしょ、これまでのことの大部分だけでも話しましょ」

なんでさん付けじゃないんだよ、ハイヤがたまに?いやしょっちゅう?いやいつも?ここにくると殺しの目で受付を見てるんですよね。怖いよ

「まあ話すと長くなるから大部分だけな、それがな」



 「うーん、気になることは多いですがライラ協会……この辺では聞きませんね。でもたしか……少し待っていてください。」

「お、おう」

どーした

「おお!はるに彼女!よお」

「ハイヤは彼女じゃないって言ってるよな!パーティーメンバーだ!」

こいつはモヒカンサングラスムキムキタンクトップバーサーカーバカマン(man)の方です。名前は…何だったかな?バカだったかな?いやハカ?あいや、ウンチ?覚えてないや。

「よお!はたからみたらお前らはカップルなんだよぉ、おい、くれよぉそこの姉ちゃんをよぉ」

こいつはモヒカンサングラスムキムキタンクトップバーサーカーバカスカート(性別不明)

ほらみて!ナイフを舐めてる!あ、そうだ!

「おーい、バカどもこっちにきて!」

ニヤッ

「おお!やる気になったか!はるさんよぉペロッ」

ナイフを舐めながらこちらに来てくれたので

「えい!」

僕はナイフめがけて人差し指でちょんって押してあげた!

「ぎゃぁぁぁぁあああ!」

マンさんいたそー

「いゃゃゃぁぁあああん!」

やっぱ女?スカートさん

「ひょ、ひょうはほほではんへんしてやるよ!ふひをはのひみひひへるんはな!」

はい?まあ多分今日はここで勘弁してやるよ!つぎを楽しみにしてるんだな!って言ってるなあ。僕才能ある?

「次はないよお前ら」

「え?」「え?」

こいつらには話していない。受付の人にしか話していないのだ。

「僕たちはこの街を出てく。いままでありがとなえーと、バカども」

「ははあ!へいへいふるよ!はのしくいきろよ!」

いいやつじゃあないか。でも誰だ?こいつら名前が……

「だから挨拶しなきゃいけないひとが他にもいるんだ。だからじゃあな!えーと、バカども!」

「ひゃ!ひゃあな!」

冒険者協会を去りゆく間際、

「おい!俺らの名前はフンヒ!ほしてこいふはフンホだ!おほえてほけよ!」

「ああ、覚えておくよ!うんちとうんこ!」

「あ?ひげーよ!はかが!」


はるは勘違いしていた。そうこのチンピラの名前は本当にフンヒとフンホだった。


ああ、あいつの名前はほんとにうんちとうんこだったなんてなあ。

「あの、はる?まだどこかいたいのですか?いたいならまずは病院にでも……」

何を言い出すんだ。なにも痛くないし病院に行くことなんてないよーハイヤ。

「どうしてそうなるんだ?ハイヤ」

「あ!いえ少しおかしい気がしたので……」

それから2日に渡り様々な人に挨拶した。バカどもやおじいちゃん、おばあちゃん、歯がないおじいちゃんにずっと朝ごはんまだかと聞いてくるおじいちゃん、そして話を無視するおじいちゃんに一生茶をすするおじいちゃん、たくさんのお別れをした。 

「あの、はる?なぜ挨拶が終わったのに出発は明後日なんです?ここにいる理由なんてもう」

「ハイヤ、お前はあのチンピラよりバカか?ロリカにお別れしないつもりだっただろ。」

そう、ハイヤはロリカに心配かけさせないためにロリカには内緒で行き、半年に一回ぐらいロリカがいる施設に行き遊べばいいということを今朝聞いてしまったのだ。

「いえ!内緒というか心配かける気がしたので……」

やっぱりか、ハイヤはこうゆうとき不器用なんだよな。

「ほら、行くぞちゃんとお別れしてくるんだ、じゃないと、後悔、するからな。」

「でも!……いや、分かりました。ずっとお別れってことじゃないですからね!」



 「あ!お姉ちゃん!お帰り!今日はどうしたの?」

上目遣いっていうのかなぁ、ロリカはハイヤと似ていて可愛い。かわいい部類は違えど間違いなくこれからモテるだろう。

「ロ、ロリカ……今日はお別れをするために来たの…でも!ずっとってわけじゃないですからね!」

「お姉ちゃんどっか行っちゃうの?」

その上目遣いは俺の性癖のかいは……じゃなくて

「そうだよ、俺たちはこの街を出ていく、でもたまに帰ってくるからいい子にしてろよー」

そう言って頭を撫でたときの顔がもう…じゃなくて

「お姉ちゃんね!ロリカに話してくれたの!前ね!強い剣士になるためにはこの街を出ていかなくちゃいけないかもしれないのっていってたことがあったの!だからお姉ちゃんがんばって!」

そう言った。無邪気に笑いかけるもとってもたくましいと思った。

「寂しく…ないのですか?」

「うん!でも寂しいのはお姉ちゃんでしょ!」

「どうやら私の心配は無意味だったようですね」

「それどころかロリカのほうが一枚上手だったしな!」

「ばいばいロリカ」「じゃあな!」

「うん!2人ともばいばい」

こうしてロリカとお別れをした。が、最後に

パンッ!

「どうしたのですか!はる!」

頬を自分でぶっ叩いた。なぜって?自分の性の癖を狂わせないためさ!


 そうして始まりの一章が終わりを告げた。

暇で書き始めてたら案外楽しくなってきた。

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