魔術具【メモリー】
シリアス入ります
「これが秘蔵の魔術具か」
見た目は豪華な飾り付けされてある魔術具
「はい…確か名前は…えーっと」
思い出そうとしているシスターを横目にジョンは触り出す
「見たところオルゴールっぽいっすけどね〜」
[試しに使ってみようよ]
「ああ」
試しに使ってみた
……
まだボスと呼ばれるむかしむかしのこと彼はスラム街の出身であった
彼は小さい頃から一人ぼっちだった原因は白い髪と赤い目…周りから気味が悪いと言われ遠ざけられてきた
「……」
腹を空かせなにをすればいいのか分からずただただ彷徨っていた
そんなある日のこと一人の…同年代らしき子が彼に近寄った
「君一人なの?」
綺麗な服、綺麗な茶髪、綺麗な黒目をしている不思議な子
「……だれ」
「僕?僕はね…○○っていうんだ」
「○○?」
「うん、君は?」
「名前…ない」
「そうかそれは不便だろうに…そうだ!僕がつけてあげよう!」
「え」
「○○、君は今日から○○だ!」
初めてくれた名前だった彼がくれた名前○○
「○○…か」
「○○遊ぼ!」
「……うん」
汚れた彼に優しくしてくれたとてもいい子、初めて遊んだ初めて手に触れてくれた全て輝いて見えた
「ねぇ○○」
「なに○○」
「僕ね大きくなったら警察官になるんだ!」
笑顔が眩しくて彼ならなれるのではないかと思えるくらいにだ
「……なれるよ○○なら」
「…初めて言われた」
「そう?」
「えへへ、○○はなにかなりたいものある?」
「ないな」
「なら一緒に警察官なろうよ!」
「え」
「約束!」
この日初めて約束をした大切な大切な思い出…だがその約束を守れることはなかったなぜなら
「おい! 白い髪の赤目のガキ探せ!!」
「見つけ次第始末しろ!!」
彼は追われの身になってしまったからだ
「くそ○○様を誑かしたガキを探せ!!」
大切な友人と遊んだだけなのに大切な友人と話しただけなのに
世の中は理不尽だ、スラム街出身というだけで白い目で見られる、髪色と目の色が違うだけで差別される
だから逃げながら力をつけた刺客たちを殺せるくらいの力が
権力もいると思った次にマフィア【パラディーゾ】を設立、実力ある幹部たちを集めた、敵である他のマフィアを殺したりしたやがて頂点に立った
何もかも手に入れた彼はボスと呼ばれ尊敬されたり恐れられたりした
忙しい毎日ボスとしてしっかりする毎日ボスとしてボスとして…あれ?とふと思う
俺はなにになりたいんだっけ
そう思えるようになってしまった
幸せとはなにか、夢とはなにかそう考える毎日
ただただボスとしてやっていいのだろうか俺はこのままでいいのか…
誰にも相談することなくただただ時は過ぎていくそんなある日のこと
ボスはいつも通り黒い車に乗り商談する為に向かおうとした所であった
大通りを通りそうして見つけた幸せそうに警察官として働いている彼を
「っ! 止めろ!!」
急ブレーキがかかり車が止まったところで下り彼の元に走った
ただ走ったただ会いたかった
「○○!」
そう叫ぶ彼に振り向く○○
「……え、○○?」
目を見開く○○、ボスはやっと追いついたとばかりに抱きつく
「会いたかった○○」
「○○、なの?」
「……おう」
「おおきく…なったね…」
「おう」
「僕警察官になったよ」
「おう」
「ごめんね、ごめんね! アイツらのせいで!」
ポロポロ涙を流す○○
「大丈夫だ○○俺はこの通り元気だ」
「そうか…良かった…」
やはり彼は笑顔が良く似合う、涙なんて似合わない
「……○○ごめんな」
「……え」
「俺、マフィアのボスになっちまったよ」
「……う、そ」
「嘘じゃねぇ…」
だから
「こうやって会えるのは最後だ」
そう言って離れ車まで歩いていった
「待って…待って○○!」
彼はボスは振り向かなかったボスはもうマフィアのボスなのだから
「幸せになれよ○○」
車に乗り出せと言うと運転手はなにも聞かず車を走らせた
黒い中折れ帽を深く被り泣くのを我慢していた
ボスとして情けない姿を見せる訳にはいかないのだから
気持ちを切り替えるのに時間は少しかかった後商談はスムーズに済ませた彼はいつも通りアジトへと戻るととある知らせが届く
幹部の1人であるアッシュが裏切ったと
アッシュはボスが信頼していた幹部の1人であったショックであったがそれ以上に怒りを感じた何故裏切ったかと
「俺直々に殺してくれる」
だがその判断は間違っていたと後に後悔することになる
……
「ま、待ってくれボス!!」
「誰が待つか」
拳銃をアッシュに向けるボス
「俺は俺はただ奴らに従っただけで!」
「裏切り者には死を」
「誰か助けてくれ!!」
拳銃で撃った…撃った筈なのに
「ゴフッ」
アッシュではなく○○がそこにいたそうアッシュの代わりに○○が撃たれたのだ
「何故そこに立っている○○!!」
「だって…助けてって…聞こえたから…」
「そいつは裏切り者だ!!」
「ゴホゴホ…」
「何故庇った…○○!」
「なんでだろう…体が勝手に…」
「くそ!」
出血を止めるためスーツを脱ぎ服で○○の体を押さえる
「ああ…しぬのかな…」
「死ぬな! ○○!」
「ずっと…いい…たかっ…たことが…」
「もういい話すな!」
「ぼくにとって○○はたいせつなしんゆうだよ」
その言葉を最後に息を引き取った
「あ…ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
涙が涙が止まらない力と権力を手に入れただが満たされることはなかった…ああ早く気がつくべきだったのだ大切な親友と過ごす時間がなにより大切なものだったのだと…親友を殺してしまった自分に○○と名乗る資格はない
「ボス! アッシュのやつを捕らえました!…ボス?」
「……なんだ」
親友を抱えてふらりと歩き出す
「あの…その警察官…」
「アッシュから情報を吐き出させろその後で始末する」
「は、はい!」
遠い遠い彼の家まで運び寝かしつけた
「ああ…あの時会うべきではなかった…あの時…あの時……ごめんな」
大切な親友よ
その後彼は墓へと眠りについた…雨が降る雨が降る
「…旦那様風邪引きますよ」
マッジョルドーモがそっと傘を差す
「……わるいな…」
そっと○○の墓に花を添える
「……さらばだ○○」
今でも親友の名を何故か思い出せない彼はずっと思い出そうとしているのにだ
ああ…世の中理不尽だ…運命とはなんて理不尽なのか…
これがボスのとある過去、親友を殺してしまったものの昔話
……
「ボス、ボス!」
「……ん?」
「しっかりしてくださいっすよ〜」
「ああ…悪いな」
「シスターの魔術具使った後からおかしいっすよボス〜」
[なにかあったのボス?]
「いや…なんでもないさところでシスターこれの名は?」
「メモリーとだけ」
「……思い出か」
ああだから思い出したのかと中折れ帽を深く被るボス
「これを貰っても?」
「あなた方にならばこの貴重な魔術具を託してもいいかと思いまして」
「そうか…貰おうか」
「へーい」
何故ボスのみ効いたのかそれは神のみぞ知る
泣きながら書きましたとっても目が痛いです




