表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
矛と盾と花と  作者: 黒宮ゆき
9/9

気になるその後1

「てな訳だ」

「な、なるほど」

 さらっと話された内容の重さに、春樹は適切な表情を模索するのに精いっぱいで生返事

しかできないでいる。

「みっちゃん・・・」

 乙葉も同様に、友人に対してどんな感情を持っていいのか分からずどこを見るでもなく

ただうつむいている。

「でも、これ僕たちに教えてよかったんですか?」

 聞いたのは自分たちだが、内容が内容だけにあまりにあっけらかんとしている撫子の様

子に違和感を覚える。

「あ? 近藤から頼まれたのは見つけ出すまでだが、お前たちからの依頼は真相の解明だ

からな、仕方ない」

「仕方ないって・・・」

 その一言で済ませていいのかと若干あきれつつも、話に一区切りがつき春樹が次の言葉

を探し始めたとき言葉を失っていた乙葉が何かに気づく。

「あ! 教室、二人会っちゃいますよ!?」

 焦った彼女の言葉とは真逆で、表情を崩さずこれまた淡々と撫子が答える。

「そうだな」

「いいんですか!?」

「問題ない」

「でも・・・」

「はぁ、心配ならこっそり見に行けばいい」

「そうしましょう! 先輩、ほらはやく!」

「おい、私はいい! ちょっ聞け! ひっぱるなぁぁぁ!」

 残された男子生徒ふたりは、先程の頭をかくことも憚れるような重い空気とはちがう静

寂を味わっていた。

『えぇ~・・・』

「・・・春樹、俺たちも行くか」

「・・・そうだな」

 正直、あまり気乗りはしない。ただでさえあまり接点のない生徒のそれもヘヴィな事情に

首を突っ込みたくはないが、気にならないわけではない。ここまできたら最後まで見たいと

いう自分の好奇心に二人は大人しく従うことにした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ