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第8章 赤蜥蜴と赤羽根、巨人の里へ 第1話、ゴンザレスとメイプル その4

     第1話その4


 ドレイクが巨大ケルベロスに一人で突撃していく中、フリルフレア達は残った盗賊らしき者達を相手にしていた。最初は恐らく30人位いたのだろう。だが、ドワーフが5人程倒し、ローゼリットがシューティングニードルで喉を撃ち抜き一人倒し、ドレイクが蹴り飛ばしたり大剣の錆にしたり尻尾で頭を潰したりして9人程倒していたので残りは大体15人程だった。

 そんな盗賊らしき者達を前にしたフリルフレア達、ドワーフの方はともかく、へっぴり腰の少女の方は見るからにあてにならない。そしてその状況を判断したフリルフレアはドワーフと少女の方へ視線を向けた。

「ここは私たちに任せてください。そちらのドワーフさんはご自分の身とその子を守ることに専念してください」

「か、かたじけない!」

 フリルフレアの言葉に感謝するドワーフ。

(やっぱりドワーフの人はあの女の子の護衛なのかな?)

 そんな事を考えながらもとりあえず戦闘に集中するフリルフレア。既にローゼリットとスミーシャが武器を構えて突撃している。

「フリルフレア!援護頼むぞ!」

「期待してるよフリルちゃん!」

「お任せあれです!それよりローゼリットさん、スミーシャさん、念のため可能なら頭目らしい奴は生かして捕らえてください!何か裏があるかもしれません!」

「「了解!」」

 フリルフレアの指示に瞬時に応じるローゼリットとスミーシャ。最近はこのフリルフレアが司令塔となるスタイルが定着してきている。

 そんなフリルフレア達に対し盗賊らしき者達は頭目の「突撃ー!」という掛け声で一気に突撃してくる。だが、ローゼリットもスミーシャも余裕の表情を崩さない。

「死ねぇ!……あ、いや…生かして捕らえてやる!」

「お前らは今日から俺達の性奴隷になるんだ!」

「その巨乳を揉みしだいてやるぜ!」

「俺は混ざりモノの姉ちゃんでいいや。あの気の強そうな顔を無様な雌の顔にしてや……ブハァ!」

 口々に勝手なことを言いながら得物を振りかざして突撃してくる盗賊らしき者達。しかし、ローゼリットに対して何か具体的なことを言おうとした奴だけは瞬時に喉笛目掛けて投げつけられたシューティングニードルで喉を貫通され、そのまま倒れて絶命した。

「あ、あの女ぁ!一度ならず二度までも!」

「構わねえ!腕の一本や二本へし折ってやれ!」

「うおおおお!」

 何やら逆恨みでローゼリットに矛先を向ける盗賊らしき者達。しかし、そんな逆恨みの事などローゼリットには当然関係ない。そのまま短剣を両手に逆手で持ち、盗賊らしき者達の間を駆け抜けながらその喉笛を斬り裂き、あるいは手や足の腱を斬り、動きを封じてから短剣を眼球から突き刺し、そのまま脳ごと破壊して殺していく。

 一方スミーシャは魔剣を構え、魔円舞の「剣舞」を舞い、盗賊らしき者達の攻撃をことごとく避けながら、同時に敵を斬り捨てていく。スミーシャの長剣は魔剣エクスプラウドであり、斬撃の瞬間に爆発を起こす能力を使わなくても十分に切れ味が鋭い。盗賊らしき者達が身に纏っている革鎧ごとバッサバッサと斬り捨てていく。

 ローゼリットとスミーシャが盗賊らしき者達をいとも簡単に倒していく様子を見て、お頭は歯ぎしりをしながらフリルフレアの方を指差した。

「ええい!何をやっているんだ!こうなったらあの堕天使から狙え!」

「「「うおおおおおお!」」」

 お頭の指示を受け、すぐに標的をフリルフレアに変更する盗賊らしき者達。ローゼリットとスミーシャが予想以上に強かったため、弱そうなフリルフレアに標的を変更するという指示にアッサリと応じたのだ。そしてローゼリットとスミーシャから逃げるようにフリルフレアを目指す盗賊らしき者達。

「フリルフレア!」

「フリルちゃん!そっちに!」

 ローゼリットとスミーシャの叫びに、フリルフレアは冷静に頷いて応えた。そして、盗賊らしき者達に向けて自らの深紅の翼の先と右手を突き出す。

「ローゼリットさん!スミーシャさん!射線上から退避してください!」

「了解!」

「オッケー!」

 ローゼリットとスミーシャはそう応えるとそのまま左右に分かれる。そしてそのままある程度は距離を置いておく。そして、次の瞬間……。

「行きます!フェザーファイア!」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドォン!

 無数の炎の羽根がフリルフレアの翼の先や右手から撃ち出される。その炎の羽根の一つ一つが数カ月前のモノと比べると一回り以上大きくなっており、更に撃ち出される炎の羽根の数も以前よりずっと多くなっているように見える。

「ぐあっ!」

「な、何だぁ⁉」

「ブホォォォォ!」

「ひ、ひえぇぇぇぇぇ!」

 見たことも無いフリルフレアの魔法に慌てふためく盗賊らしき者達。そして炎の羽根が盗賊らしき者達を次々と貫き焼き払っていく。

「ヒ、ヒイイィィィ!……な、なんだあの魔法は⁉」

 フリルフレアの使う未知の魔法に怯え、尻もちをつくお頭。そして盗賊らしき者達は今のフリルフレアの攻撃魔法でそのほとんどが絶命……あるいは戦闘不能に陥り、それ以外の者達もローゼリットとスミーシャの手で斬り捨てられ、敵の中でまともに動けるのはお頭ただ一人となっていた。


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