第12話 生産その2
今日は魔術的要素はあまり関係はない、装備品の作成についてだ。
装備品の作成という科目はこの学園で習う最終科目となっていて、今日の授業が終わり次第、明日からは各自練習と定期テストがある。
定期テストについて、今はあまり触れないが知識と実技に分かれている。知識があるだけでなく、実戦で使えるかを確認するためだ。
話が逸れたが装備品の作成についてだ。
授業で言ってることがあまりにも回りくどくて分かりにくいので俺が簡単に要約して説明しようと思う。
生産は基本的に鉱石や魔物の素材などを使って行う。
勿論強い装備を作り出すにはレアな素材が必要だしその分高等技術も必要になる。これはゲームとかによくある生産システムと非常に近い。
そして装備に付与効果を付ける事もできる。
例えば「HP+100」などだ。
これは「魔石」と呼ばれる特別な素材を装備の核として使い、その魔石に魔力を込める事で出来る。魔力の込め方や魔石の種類によって付与効果が変わるらしい。
魔石の入手方法は基本的に2つある。
1つ目はモンスターからのレアドロップだ。ドロップと言っても落ちるわけではなく削ぎ取りなのだが。モンスターの中には魔石を体内に持って生まれた個体もいるらしい。また所謂ボスと呼ばれる種類は必ず持っているらしい。ただ、魔石の削ぎ取り自体も高等技術であるが故、店などでは高額で取り引きされることが多いのだ。
2つ目は大地のエネルギーによって精製される場合だ。この世界には大地のエネルギーによってできる「ダンジョン」と呼ばれる物がある。ダンジョンの最奥にはレアアイテムがあるのだが、その中にはたいてい魔石がある。これはダンジョンの難易度によっても変わるが魔石が安定して入手できる手段だ。
この世界のダンジョンにはいくつか種類があるが基本的にダンジョンと呼ばれる物は元の世界のネットゲームで言うところのIDに近いシステムだ。つまりダンジョン構造は同じでも報酬や経験値はパーティーごとに入る、ということだ。
またスキルについても少し補足がある。
削ぎ取りや生産などにもスキルがあり、これはスキルブックによって習得できる場合が多い。
スキルブックの使用に制限はあるものの、比較的簡単に獲得できる。
これらのスキルはレベルごとによって分けられる。魔法で言うところの階級のようなものだ。レベルは1〜5まで。先程言った魔石の削ぎ取りは削ぎ取りスキルレベル3に値する。
これらのスキルは自らの技術によってカバーできる。ネットゲームで言うところの「プレイヤースキル」だ。削ぎ取りスキルレベル1でも技術があれば魔石の削ぎ取りは可能、ということだ。
スキルブックによるスキルは技術を身につける、という方が近い表現になるのだ。
生産とは今の俺には難しそうだ。そこらへんの技術も無ければ獲得するためのスキルブックも入手は出来ない。生産は学園を出てから少し手を付ける程度にしよう。
溢れ出すネットゲーマー感