第10話 魔法とスキル
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「そういえば君はどんな魔法が使えるのかね?」
「魔法は…炎魔法〈火炎〉と雷魔法〈雷撃〉しか使ったことないです。どっちも第一位階の魔法です。」
「そうなのか…。ちなみにだが使える魔法の一覧は辞書が教えてくれるよ?」
「え、そうなんですか…。」
知ってるならもっと早く言ってくれ。
「でも基本的には見ていない魔法は使えないね。第一位階や第二位階程度なら使えるだろうけど他は魔導書を読まないと無理だろう。」
「あ、そうなのですか…。勉強は嫌いです。」
「はは。でも勉強しなくちゃ強くはなれないからね。」
知ってた。学問の神の前で勉強嫌いって言っちゃったよ…。
「それで、君はこれからどうするんだね?」
「今までどおりこの学校で授業を受けます。」
「そうか。頑張ってくれ。また何かあったらおいで。」
「分かりました。ありがとうございます。」
「あぁ。じゃあね。」
「さようなら。」
挨拶をして俺は校長室から出る。勿論お辞儀は忘れてない。それから教室へ向かい授業を再開することにした。
「力の使い道を誤るなよ…。」
正直トトは心配していた。
過去にも強い力を持った者は多くいる。
しかし、そういう者達ほど、力の使い道を誤りやすいのだ。女に手を出す者、神殺しを始める者、暗殺部隊として暗躍する者など様々だが間違った使い道をすれば当然自分に返ってくる。
イレギュラーな程の力は諸刃の剣なのだ。
彼は力の使い道を間違えないか、心配である。
考えても埒が明かないにで誤ったら最悪他の神達と止めに行けば良い、と考えることにした。
俺は武術の授業は見学する事になった。
武術に授業受けるために返り血浴びてこい、というのは流石にできないのだろう。先生はみんなが成長したら遠征に出かけると言っていた。それからそれまでは暴れないように、とも言っていた。
そして俺のこの世界での目標が決まった。それは"まったり楽しく異世界ライフ"だ。
こんなのどこにでもある、ありがちなやつだって?今君はそう思っただろう。ただし俺は違う。
目立たない用に楽しいライフを過ごすんじゃない。邪魔な者は皆殺しにするのだ。
俺にとって邪魔なものが全ていなくなればまったりできる。そういうことだ。
そのためにも今は学園で力をつけているのだ。
とはいえ武術の授業に出られないのは残念だ。
魔法の確認でもするか。
【お久しぶりです。使える魔法を属性ごとに表示します。
・炎魔法
・水魔法
・風魔法
・土魔法
・時魔法
・雷魔法
・鉱魔法
・闇魔法
・光魔法
・性魔法
・創造魔法
etc…です。】
多い。ひたすら多い。
【しかし現在は第一位階までしか使えません。続けてスキルを確認しますか?】
スキルも見れるのか…。ああ、頼む。
【現在使えるスキルは以下の通りです。アクティブスキル、パッシブスキルに分けて表示します。
・血液強化…血がなくなっても死なない。ユニークスキル。
・MP増大…最大MP量が増える。Cスキル。
以上です。】
スキルは少ないな。まあ獲得してないからな。
【魔法やスキルは確認すると辞書より声が響きます。】
へぇ、そうなのか。
ふと思ったのだが辞書というもも不思議な感覚だ。先程辞書が使っていた「表示」というのだが実際は表示ではない。脳内に映し出されている感じだ。表示ではないならなんと表現するかと言われれば表現できない。そういう意味では表示は正しいのかもしれない。
魔法の詳細は良いとして、スキルをもっと多く獲得したいな…。できればEXスキル「血液操作」を早く獲得したい。学問の神の力を持ってしてもやはりスキルを他者に教え込むのは無理らしい。
それにしても「多くの種族の血を浴びる」なんて残虐で面倒なスキル獲得条件だな…。
そういえばスキル獲得条件って辞書は知っているのだろうか。
【基本的には一度見たスキル、また定義の説明を受けたスキルに関しては提示できます。】
じゃあ「血液操作」の獲得条件を教えてくれ。
【EXスキル「血液操作」の獲得条件は多くの種族の血を浴びることです。詳細を表示しますか?】
あぁ、頼む。
【系20種類の種族からの返り血を浴びることが条件です。現在2種族、残り18種族です。
効果詳細
EXスキル「血液操作」
種別・パッシブ
効能・自分の血液の形状、硬度、重量、大きさなどを変えることができる(パッシブ)
熟練度上昇で開放…他者の血液の形状、硬度、重量、大きさなどを変えることができる(パッシブ、条件・50種族からの返り血を浴びる)
以上です。】
残り18種族か…思ったより少ないな。
熟練度…なんてものがあるのか。他者の血まで操れるとは…恐るべし…。
【また、学問の神トトとの接触で以下のスキルの詳細を獲得しました。表示しますか?
・EXスキル「格物致知」】
ほう、表示してくれ。
【効果詳細
EXスキル「格物到知」
種別・パッシブ、アクティブ
効能・一度目にした物の詳細ステータスを確認できる(パッシブ)
一度目にした物の暗記を試みる(アクティブ)
獲得条件のデータは得られませんでした。】
優秀なスキルだな…。欲しい…。今度トト先生に聞いてみよう。
【また、トトが特殊精霊魔法を所持している事も確認できました。分析しますか?】
へ?特殊精霊魔法?
【特殊精霊魔法とは、その者のみが使える、独自のスキルです。】
なるほど。分析を頼む。
【分析が完了しました。実際目に見たものでは無いので正しいかは分かりません。統括辞書「世界の意思」のデータです。表示しますか?】
知らない単語が出てきたぞ…。解説を頼む。
【統括辞書「世界の意思」とは世界中の全辞書にデータを与える、最高権限を持った辞書のことです。】
そんなのがあったのか…。
特殊精霊魔法の解説を頼む。
【効果詳細
特殊精霊魔法〈世界之具現〉
種別・精霊魔法
階級・第九位階
効能・ある事柄について、またある物について、それに対して起きている現象を把握する事ができる。】
うん…。分かりにくい。
つまり分かりやすく言うとこうだ。
世界で起きている事をピンポイントで知れる!
なんて便利な能力なんだ。特殊精霊魔法とはここまで強力なのか…。俺もいつか使えるかな…。
【現状では不可能です。】
だよな…。頑張らないと…。
久しぶりに辞書がたくさん喋りました。