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世界に一つだけの赤い花

作者: 花咲 柚子

初めて書いた文です。

拙いですが、よろしくお願いいたします。

真っ白な町の中に、赤い花が1本生えていた。

それは、弱々しく、今にでも消えて無くなりそうだ。

だが、その花は、春になれば必ず元気に生えてきた。


道を通る人たちは、その花をいつも見ていた。


その花が、大好きな女の子が居た。

ある日、女の子は聞いた。


「この真っ白な町に赤い花が咲くなんて面白いね。」


花は、少し悲しそうだった。

花は、答えた。


「君は、色を知らないのかい?。」


女の子は、答えた。


「この町に色があるのは、君の赤い花だけだよ。」


花は、何とも言えない気持ちになった。

この子は、何かが違っていた。


女の子は、いつも母親と一緒だった。

父親は、病気がちで入院している。


女の子は、1年中花を見に来ていた。


木の葉が、散り始める秋。


女の子が、花を見てこう言った。


「また春に会いましょう。」


花は、答えた。


「春、元気で、また会おう。」


冬が過ぎ、また春が来た。

今年の春は、いつもと違っていた。


女の子が、花に会いに来た。

花を見て、女の子が言った。


「真っ白な町に青い花があるなんて面白いね。」


花は、言った。


「この色は、未来の色なんだよ。」


花は、おかしなことを言った。

だが、女の子は、その花をもっと知りたがっていた。

しかし、そんな夢のような未来は、遠かった。


今年の秋、また約束した。

花は言った。


「また、春会おうね。」


女の子は、言った。


「うん、またお話ししましょう。また。」



冬が過ぎ、また春が来た。

花は、待っていた、女の子が来るのを。

ずっと、ずっと。


花は、待っていた、いつまでも。

すると、女の子の母親が、ぼくを摘んだ。

ぼくは、言った。


「あの女の子は、何処なの?」

「教えて。」

「あの子に、会わせて。」


母親は、何も言わなかった。

ぼくを握って、お墓に来た。

ぼくは、言った。


「えっ、どういうこと?女の子は?」


母親は、話した、ぼくをここに連れて来た理由を。


秋に、花とまた会おうという約束をした後、女の子は、車に()かれた。

救急車の中で、すぐ息を引き取ったそう。

それを聞いたとたん、心が痛くなった。

生きていることが悲しくなった。


ぼくが、ここに来てまた春が来た。

花は、女の子との約束を思い出した。

だがその約束は、守れなかった。

そんな思いが、花を1人にした。

だが花は、ずっと待っていた。


花は、枯れて、星になった。

花は、真っ白な世界に居た。

ぼーっとしていると、声が聞こえた。


「今年は、白色の花なんだね。おもしろい。」


それはまるで、女の子の声にそっくりだった。

花は、後ろを振り返った。


そこには、女の子が立っていた。

花は、びっくりしていた。

でも、なんだかすっごくうれしかった。


また、あの日の秋が来た。

そしてまた、言った。



「また春、会おう。」





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