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少女との出会い
次の日の朝、ココロンは目が覚めました。
涙のあとがついていない朝は本当に久しぶりです。
ココロンは昨晩のことは本当にあったことだとすぐに分かりました。
じゃあ、人間の言葉を話せるのかも……。
ココロンは早速声を出すことにしました。
「あ……。私、話せる……!」
ココロンがおどろいていると、鼻先に何か甘そうな、でも雨が降る前のしめった匂いがしました。
この匂いが「ありがとう」を言えずに心苦しく思っているものの匂いなんだわ。
この匂いの元へ私、行かないと!
ココロンは一歩、右前足を踏み出しました。
すると次の瞬間、ココロンは静かな浜辺にいました。
ザザーッ、ザザーッという波の音の合間に、
「ヒック……、ヒック……」という泣き声が聞こえました。
匂いが強くなっているわ……。
ココロンは匂いの元をたどりました。
すると、制服を着た黒髪の少女が波打ち際で泣いていました。
ココロンは少女の足元に寄りました。
ココロンが鼻で少女の足を軽くつつくと、
「……あ、ワンちゃん……」
少女は泣きやみました。
ココロンと少女は見つめ合います。
ココロンは少女の声を聴きました。




