進軍は止まる
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「ど、どうか我が民は…これ以上、殺めるのはやめて頂きたい」
貫禄のあるエヤ国王は震えながら両膝を突いた状態で俺を見上げて言う。
「では尋ねるが何故勇者を召還したのですかね?
俺を殺そうとしたのでは?」
それは他国との争いに備えてと声を抑えて、弁解を始めるエヤ国王。彼の考えは痛い程分かるが、なにぶんこちら暗殺される側なので情けはかけられない。国王の後ろでは”国王!”と彼の家族が騒いでは俺の兵に足蹴りにされる。その度に後ろを振り返ろうとする国王。
俺は彼に再度聞く。
あと何人勇者召還したん?ん?
顔を近づけて聞く。
「いえぬわ!外道魔王が!地獄へ落ちろ!」
ブペェと唾を顔に吐かれる。
顔にかかった唾を右手拭う。うんネットリ。
別に唾を吐かれても死ぬわけじゃないから気にしないさ。
「もう一度聞くけど何人召還したんだ?」
顔近づけて再度聞く。
言えぬわ!外道が!と相変わらず言うので、国王の後ろにいる兵を見てヤレ的に顔をうなずく。ふんっ!と兵士の声と共に剣が空気と肉を裂く音が聞こえ、王のひざ横に生首が鈍い音を立てて転がる。
「ひぃ!メリーザ!メ…メリーザ!」
生首はメリーザさんだったのか。顔を寄せている俺とエヤ国王を見開いた目が見つめる。彼の後ろからはビュビュと血を吐いてドザッと倒れる音が送れて聞こえる。
「言いたくなるまで首を刎ねるさ」
「卑怯者!この外道が!」
「いや、魔王だからさ」
後ろ兵士に合図を出す。
ふん、バシュ、ビュッビュと数回音が聞こえたあたりで、国王が歯軋りしながら小声で何かいう。聞こえないよ?え?と更に顔近づけて聞く。
「お…お願いします…これ以上は…い、言いますから」
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召還した勇者は20名だという。俺のところに来てないけど?聞くとそれぞれ4~6人に分かれて修行し順次用意ができたら討伐に向かう手順だという。召還した勇者リストがあるというので場所を聞き出して兵に取りに行かせる。
リストを読みながら彼らの力を見ると厄介な魔法が多い。転移だったり力を奪うだったり。あれ?これはヤバイのじゃ?透明になるとか兵士に成りすますとかあったら…。
これは本当に彼ら勇者の力か?奴らはどこにいる?と聞くと、まだ修行中で現在グラデからデエアラ公国へ向ったという。そんなに強いなら何故?すぐに暗殺に向わせなかったと聞くと召還してからまだ間もなく力が安定してないだの弱いだの言う。
いきなり呼び出されて半年から1年で無理なものだろうか?既に5人勇者が来たが奴らは?とリストを見せながら聞くと、それはグラデ側の勇者だろうと国王。
勇者を呼び出す事ができるなら、元の世界に戻すこともできるのか?と尋ねるがそれは叶わないという。続けて魔族について聞くが地下にある文献室にあるが詳しくは知らないという。
聞き終えて俺は文献室なる場所に向う事にする。
勿論、部屋を出る際には兵士に” 皆 殺しておけ”と声をかける。
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地下へ数名の護衛と向うと文献室らしい部屋に辿り着く。暗く奥行きが見えない広い部屋で何列もの棚があり、その棚に数多くの巻かれた紙のようなものや製本された本からまでぎっしり積め込まれている。
この部屋の本を読むの全部読むのは何年かかるだろうか。
兵士にこの部屋の本を全て魔国へ運ぶように指示を出す。
「で、どうするのですか?魔王様、
陥落させたグラダにも向いますか?」
エヤ王国とグラダ王国で何人呼ばれたか分からん状態だが、遅ければ遅い程、勇者は強くなって暗殺しに来るだろう。まだ強くならない状態でこちらから殺しに行かないと…いや、逆に殺されるか!?
少し悩んだ末、名案を思いつく。
「ああ、我もグラデに向う」
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エヤ首都へ数日滞在し、陥落させたグラダ王国へ向う準備もできたところで、翌日にも向うというタイミングで通達の兵が慌てるように報告に来る。
「グラダ王国は勇者の指揮する人族の軍に奪還されました!
我が兵は被害多く、既にエルンスト聖戦長指示の元撤退。
数日でエヤに帰還中です!」
あ、もしかして遅かったか。
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