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コラルド戦記  作者: 油兄貴
第1章 始まりの復活とソビッティ国
4/52

第一異世界人 発見の巻

誤字脱字 生温くヲチと指摘をお願いします。


2015/04/18 三点リーダー修正

2015/05/11 殺害シーンに感情を追加

2016/04/03 校正ツールにて修正 主に い抜き表現

狭い穴を登り、5分もしないうちに地上に出た。


____ 眩しい青い空



目が慣れてくるのを待ち見渡すと周りは荒野の丘という言葉が合うような場所だった。

記憶の中では緑豊かな山間だったはずだが。

所々に生えた刺のありそうな灌木を横目に見ながら膝に手を突き立ち上がる。

横には眷属した土竜は心配そうに見ている。


彼らをナデナデし軽くお別れを言う。


「ありがとう」


名残惜しいがここでお別れだろう。

眷属を解除する方法が分からないので、好きに暮らすがいいと意識を投げると、

土竜たちは穴のほうに向かって進んでいく。



____さて、これからどうするかだ。


心の中は、今も慌てている。






物語の類では神官とか予言者が、

「 封印が解かれた!行け勇者よ!」とか言う場面を目にする。

いや、予言者が封印解かれるからとかお告げで、

周りに猛者がまた封印してやるぞ!とか待っているとか?


モグラに手伝って貰い、封印から出て途端に

モグラ叩きのように地下に戻されるとか。

洒落にならない。


とにかく、いきなり襲ってきてまた封印とかだけは勘弁だ。

まずはこの場を一刻も早く離れ、周りがどうなっているか確認して、

それから日本に帰れるか?迫害されないように生きていくか?だろうか。


考えても結論が出ないであろう事を思い、軽い足取りで坂を下り、空を見上げる。

どこまでも青い空、遠くに見える薄切れた雲。


一気に恐怖心が湧き出て、俺は猛ダッシュで走りだす。



___遠く先に緑が見える! とにかく、今はそこまで!



俺は走る。



走りながら空気中に感じる魔素。

一瞬、足を止めて魔弾を創り出して投げて見ると、

地下で行っていたより軽い感じで創られた。


走りながら、「 今襲われたら、魔弾を打てるように 」 と手に用意。

呼吸も荒くなりながらも必死で走る。


下り坂、走る足は予想よりも前に出る。



30分以上走っただろうか。

多少木々が茂った場所に辿りつけた。

腰高の草に隠れるように、しゃがみ周りを見渡す。




____ドクン__ドクン___



自分の鼓動が聞こえる。

忘れていた汗も額から顎へ垂れていくのが分かる。



木々に隠れ、呼吸が落ち着いた頃、

冷静になり周りを探索できる魔法<<サーチ>>を思い出す。

静かに記憶にある魔法をイメージして実現する。



10メートル…50メートル…100メートル

500メートル程度まで周りの状況が手に取るように分かる。

記憶のではもう少し探知できる距離が広いはずだが、

今は慎重に暫く身を低くして周りを模索する。


せめて何か飲みたい。魔法で水を出せるだろうか。

試しに水…ウォーターボールと念じると、

指先に水風船のように水が浮かんでいた。


飲んで大丈夫だろうか?

口をつけて恐る恐る吸う。

無味無臭の水のようで、喉は潤せた。



そのまま<<サーチ>>をしながら、ゆっくりと回りを気にしながら、

暫く歩いた。空が紫になり完全に闇に包まれた時、

なんだか凄く疲れを感じ、木を背に落ちている木々に

魔法で火を着けて、その夜は空腹のまま目を閉じた。



いずれにしても多少は安全だと判断して、

俺はゆっくりと木々の中を歩き始めた。



森を歩き3~4時間程だろうか、木々が多少開けて場所に出ると

轍のある道らしいものを発見した。

行く当てもないので、その轍に沿って歩く。

程なくして背の高い木々がある深い森の入り口に辿り着く、

日が傾き始め夜になっているので、木々を集め、焚き火をする。

それにしてもお腹が空いた。



探索を使い先程より広く周りを意識する。

周りは動物らしき反応がある。

殺して食べるしかないのだろうか。

まさかコンビニとかないだろうし。



暗闇から、じわじわと木々の間から見える空は

白くなり始めると俺はまた歩き続ける。

<<サーチ>>を維持しながら歩く。


暫く先に反応があり、注意して確認すると人族のようだ。



_____俺を封印しに来た人族だろうか?



だが探索をしていると、こちらに向かって来ているようには思えない。

見つからないように木々を迂回しながら近づく。

もし相手も探索の魔法が使えたら無駄だが。



1時間しない内に人族の反応の場所にたどり着く。

まるで野蛮人のような毛皮を着て、斧を手に持つ男達と、

荷馬車を背にして裸で縛られている男達


盗賊に襲われた状況だろうか。


これは助けるというフラグだろうか。

それとも見なかった事にして立ち去ろうか。


___それがいい。


触らぬ神に祟り無し。




そう考えていてゆっくり後ろに下がると、

小枝を踏んだようでパキッと足元で音が鳴った。


____しまった。


俺に気付いたようで、毛皮を着た男がこちらに向かって指を指し何かを叫んでいる。

誤魔化せそうにない状況と判断して仕方なく出て行く事にする。

出て行くと毛皮を羽織った体格のいい男が、怒鳴るように言う。


「仲間が隠れていたのか、命だけは取らないでやるから、身包み脱げ!」


男の野太い越えが響く。



「一応、伺いますが盗賊であっていますか?」


そう、一応、俺は聞いた。



「がははは、俺たちは正義の集団だ、な、ゲイン!そうだろ?」

「そうですさ、兄貴」



毛皮を着た男は下衆な笑いを浮かべ仲間を振り返り言う。

そして子分が相槌を打つ。



「助けてくれ!こいつら盗賊だ」



裸で縛られている男が叫ぶと、毛皮の男はうるせぇと呟き彼を足蹴りにする。


「ん?おめぇ、仲間じゃねぇんなら…他にも隠れているのか!?」


毛皮の男は斧を構えて、俺の周囲を見る。

後ろで盗賊の1人が俺に向かって弓を引いているのが分かる。

とっさに弓の男に向かって魔弾を放つ。

魔弾は高速で弓の男へ青白い光の線を引きながら飛んで行く、

え?と間の抜けた盗賊の男が青白い光軌を目で追い

後ろを振り返った同時に弓の男の顔に当たり、

ドシャリっという音と共に彼の頭は飛び散った。


頭を無くした彼が引いていた弓から放たれた矢が、

近くの木の幹にドスッという音を立て当たる。


静けさが場を満たす。


「こ…このぉぉぉ!」


次の瞬間、毛皮の男が斧を引持ちしながら叫び俺に向かって駆け出す。



瞬間、俺は盗賊、全員に魔弾を放つ。

探索<<サーチ>>と合わせて誘導弾となり、

見事に全員に当たる。


手加減する事も出来無かった。

斧持ったマッチョな男が向かって来るのだから仕方ない。

凄く、怖いしね。


ドサドサと倒れる音と共にまた静けさが戻る。

微かに遠くで鳥の鳴き声と虫の鳴き声が聞こえる。

そして気付く。


____殺した…


人を殺す…いや、死体ですら日本では葬式や、

事故でしか見たことがないのに、

目の前にある惨劇を目にして…俺は…


あれ?全くという程、心が動じない。

その一方で魔族の記憶がよぎる。


まるで映画のシーンやゲームを見ているように、

殺した盗賊の亡骸に何も感じなかった。


____これは当然で、この世界という立場。


呆気に取られていると後ろから縛られている裸の男が、

静けさを破って叫ぶ。


「おおぉ!魔導師様でしたか!助かりました!」


魔導師様?


順次修正・添削しておりますが、

至らぬ点はぜひ、ご指摘ください。

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