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コラルド戦記  作者: 油兄貴
第2章 知れた世界の始まり ブレロン要塞~ベンダ帝国へ
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王都での生活が始まる

「卿らの弛まぬ努力で偉大なる功績が治める事が出来た。

  今後も帝国の為に尽くしてくれ」


首都ベンダリオンに着くとそのまま隊列は大帝がいるという施設にそのまま進み提督や士官、そして俺達を含め、ベンダ帝国コルネリアス・カンプルッツ大帝に接見が行われた。俺はどうもいいものか分からず周りに合わせて片膝を付いて項垂れてその話を坦々と聞いた。


ブレロン要塞攻略の本隊指揮官エボート・フォン・イゼナッツ提督は褒美として何か装飾の入った剣を貰って脇から歩み寄る人から褒美目録的な物を渡されていた。また本隊の士官もそれぞれ呼ばれて壇上のような場所に上がり、大帝の横にいるオッサンから何やら言われて受け取っていた。


シュタインメッツ家エストと声が掛かりエストが呼ばれて壇上に向かうと、同時に脇から、エストとその横にエストを老けさせたようなハゲた初老の男性が並んで立ち、ブレロン要塞はシュタインメッツ家預かりとして、ショーゴ自治区という名でオーガ族主体で管理を賜る旨を大声で言われる。その声を聞いて周りから拍手。この世界の事は分からないが領地が増えたという事で嬉しい事なんだろう。


続いてショーゴ殿と呼ばれて先程見ていた仕草でぎこちなく壇上に進む。


「お主がショーゴか、まず科目の褒美を受け取るがいい

 それと大帝参謀部の魔導士隊へ入って貰いたいがどうじゃ?」


そう言われてコルネリアス・カンプルッツ大帝の顔を見る。年齢は40歳ぐらいだろうか。口元は笑ってるがどこかの会社の重役並に貫禄。頭と肩に付けている飾りが窓からの光を反射してプレッシャー度を上げている。


事前にエストと打ち合わせした内容を言う。


「それは誠に嬉しい事で、大帝様の意思に沿いたいと思います。

 ですが、田舎者が故にいきなり入っては大帝参謀部の名を

 貶めるかもしれません。

 可能でしたら礼儀作法を学ぶため、魔法局へ修行させて頂ければ」


事前にエストと話したのは、帝国には魔法局なる機関があり、魔力がある者の訓練や研究などを行っているという。重要な機関でもあり誰でもという訳ではないが、今回の功績と貴族位の後押しがあれば、入局し、施設内で勉強もできるという。ならばそこに入って数年でも戦場から離れるのが得策だという事。


「ほう・・・そうか、

 野蛮な残虐魔導士では確かに組織では永らえぬな

 よい、ならば修行の間の生活は帝国でみよう、尽力せよ」

 

大帝はすらっと怖い事を言ったような。

その後、目録のような物を貰い皆が並ぶ場所に戻る。


接見の義は終わり、それぞれ士官は家族であろう人が近づき抱擁をしていた。俺にはエストとエスト似の初老の男性が近くに来て話しかけてくる。聞くとデードベン・ファン・シュタインメッツ男爵と名乗りエストの父親との事。


このままシュタインメッツ家の王都での住まいがあるので、今夜はそこに泊まって欲しいという事で、俺は貰った目録と綺麗な模様の入った袋を手に彼らについていく事になった。


シュタインメッツ家の王都での住まいは接見した城から近く馬車で四半刻も立たずに到着する。少し丘になっているような場所にその邸宅はあった。移動中に貴族の事を知らないので、聞くとこのベンダ帝国には領土を統治する貴族は50家程あり、領土を持たない貴族も合わせると、その倍の100家程あるという。シュタインメッシュ家は男爵で爵位は高くはないらしいが今回のエストの働きで上がるのが内定してると。


そうですか、と相槌を打ちながら、”そういえば大帝も言ってましたが、残虐魔導士って王都では有名ですよ?”とエスト父、デードベンさんに言われる。え?と聞き返すが、さしてどうでもいいかなと思いそのまま深くは聞かなかった。




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「 奴が残虐魔導士ショーゴか」

「 見た目は華奢な感じだが、捉えた捕虜も慈悲なく殺すらしいな」


大帝の接見が終わり、ある一室で絢爛な模様の入ったローブを羽織る数名が話し込んでいる。彼らは大帝参謀部の魔導士達。本来、魔導士は兵士と違い荒事は疎く兵士を助け補助的な役割も強い。まして大帝参謀部に勤する魔導士は魔力は魔術の事より、政治的な業務も多く突然現れた魔導士に不安を示す。


「いきなり我らの中に来なくて正解だったな」

「若造は気に気に入らないと暴れるからな」

「本当だ、いずれにしても魔法局にいる間に手懐けないとな」

「だが、シュタインメッツ家の息が掛かっているのは面倒だな」


彼らは突然現れた”残虐魔導士”の扱いについてそれぞれ思案し、今後の事を話していく。結論として魔法局にいる間に様子を見ようとなる。



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シュタインメッツ家の王都の住まいは2階建だが異常に広く日本に居た時にどこかで見学したような”~家の屋敷”って文化遺産に登録されているような屋敷だった。普段はシュタインメッツ家の人は王都には年に数回しか来ないらしいので、魔法局に通う間はこの家に住んで欲しいと言われ、断る理由もないので住まわせて貰う事になった。魔法局までも聞くと歩いて行ける距離らしいし。


到着した夜にシュタインメッツ家の親族も含めて多くの人が集まり、夕食会が開かれて多く人に挨拶をする。豪華な服を着て、帰還したエストと家族との会話やら抱擁を見ながら、本当にエストは貴族だったんだなと改めて認識した。


その夜、程々に酒を頂いて案内された2階の部屋に向かう。窓外に大きなバルコニーがあるのを気がついて、王都を見下ろすように夜風に当たる。

ふと思い返して”安全にこの世界で生きる”のはこれでいい感じに行けると安堵する。そして今後の予定をぼんやりと考えて案内された部屋に戻りその夜は目を閉じた。

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