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コラルド戦記  作者: 油兄貴
第2章 知れた世界の始まり ブレロン要塞~ベンダ帝国へ
20/52

魔力の増幅

翌日、遅めに起きて宿の1階にある食堂に向うと護衛の2名は既に待っていた。聞くと朝まで酒場で寝てそのまま来たという。


その様子を見ると二日酔いみたいなので、街の案内は大丈夫だからと伝え、宿の1階のロビーのような場所で休むように促した。俺のどうも昨日の酒が残ってるようで食事はパンとミルクを少し口に入れて、暫く今後を考えながら宿を後にした。


独り宿を出て、昨日飲んだ商店街へ向うと昨夜の酒場の主や数名が片づけをしていた。聞くと朝まで彼らは飲んだという。申し訳なかったと言いかけると、いい稼ぎになったと感謝を言われまた今夜も来てください酒代はいいです、奢りますからと言われて生返事をして道を先に進んだ。


商店街を進むと巻物の印ある店があったので、店を覗くと置くから貫禄のある老婆が見ていきなよというので中に入る。埃臭い床の軋む店内に入ると格子状の棚に多くの羊皮紙らしき物を丸めた物や魔族の地下室で見たような本が雑然に入れてあった。


「お前さん、噂の魔導師さんだろ?

 いくつも術の指南書があるから買わないかい?」


老婆は手元の積みあがった本をバンバン埃を出しながら言う。


「噂はどうか分からないが、お勧めのがあるのですか?」


「そうさな、本当に術として成すのか分からないが、

 魔族が使っていたという術本がある」


一瞬どきっとして「魔族!?」と声を出すと、老婆は続けて言う。


「ほう、知ってるのかい?昔に滅びたっていう一族さ、

 俗にいう魔力が高い魔術師の魔族じゃないよ、種族だよ

 魔族なんて伝説でそんなの種族いないって思ってるだろうが、

 本当にいたのさ」

 

へぇと声を出すと老婆は話し相手を見つけたとばかりに話を続けた。曰く魔族は今でも人族に紛れて各国を操っていて、戦争が絶えないのは、魔族のせいだと。そして魔族は人族や亜人と比べて途方もない魔力を秘めていて、いつか魔王を復活させる為に地下に隠れているという。


なんだか・・・陰謀論信者のような説明だった。

そういえば日本でも・・・前の会社にも後輩にそんなの居たな。

世界はロス○ャイルドが操ってるとか真剣に話していたのが。

本当かどうか真実は分からないが、日本にいる時はその手の話を聞く度にそれがどうであれ、庶民の俺には関係ないとウンザリして聞いていたが。


いずれにしても老婆の話が長くなりそうなので、その本は魔族の?と聞くと、

老婆は、この本は封印された魔族が書き残した本だという。


うわっと思いながらどういう事?と聞くと、詳しくは本を買ってくれよという。ケチくせぇなと思いながら値段を聞くと、銀貨800枚だという。


価値が分からないが、800枚っていう枚数から想像するに、本当に高いのかボラれてるかと考えて、じゃ、いいよと店を出ようとする。


おいおい!お待ちよと老婆が声をだして、半値でいいから!という。

まったく抜け目ないなと思いながら、ふと店の天井付近の棚に魔族の地下室に

あった同じような本の背表紙、それと飾ってある杖が目に留まる。


完全に魔族から記憶を受け継いでいないが、何かあの本と杖は気になる。


「聞くがあの飾ってある杖とあの本は幾らだ?」


老婆はそうだね~アレは高いよ~とゴネ始める。

これ以上話に付き合わされるのもウンザリしたので、

じゃ、店においてある全部で幾らだと聞く。


「そりゃ、こんなに貴重な本、そうだね帝国金貨5枚にはなるね!」


「金貨1枚なら買う」

「いやいや、冗談だろ、金貨3枚だよ」

「よしそれでいいよ」


そんな商売人の茶番のやり取りをして購入する事にした。どうせ泡銭、ここは生き延びるために本や知識を優先だということにした。老婆に金貨を渡すと毎度あり!と喜んで言われたが、果たしてどうして運ぶかと思案する。


____<<収納の術>>で全て入るだろうか。


横で老婆が驚いているようだが、無視をして発動し収納へどんどん本や羊皮紙らしき物を詰め込んでいく。可能な限りと・・・思っていたが、半刻もしない内に店の売り物だった物を全て格納する事ができた。最後の飾ってあった杖も手にする。


「あんた・・・凄いね、そんな収納をできる奴は見たことないよ」


老婆が言うので、そうですかと促して、この杖は何と聞く。


「それはね、本物かどうか分からないけどさ、

 封印された魔導師が使ってたという杖だよ」


「え?封印されたのに何で杖があるの?」


「さて、品も売れた事だし、お茶にするかね」


「おい、ばあさん!どういう事だよ、封印されてんだろ?」


老婆は手にして金貨を指で摩りながら店の奥に入っていく。

完全に無視か・・・。

何だか子供の頃に駄菓子屋のクジで騙されたような感覚に陥る。


杖を手にして店を出る。


長さは俺の背丈程で、先の尖った鉄の棒で反対側はローブの紋章を立体化したような形をしている。持つ部分であろう場所にはグリップのような形状をしており手に馴染むような感覚を覚えた。


ふと思うが、杖を持って店を出たが何だか目立つなこの杖。

白いローブに背丈ほどの杖・・・。

まぁ、今更だしいう事で、そのまま商店街を進み公園らしき場所まで歩き、木陰で腰を下ろして収納から先程の気になった本をだして読むことにする。


--------------------------------------------------------------------


本の内容は転移魔法と魔力について書かれており、転移魔法については地下室に書いてあった内容とほぼ同じだったが、魔力については増強する方法が書かれていた。言い回しが長くまるで古典みたいな感じを受けたが、読み進めて分かった事は魔道具を使い人族を殺す事で増強されると書いてある。


いきなり殺人が前提なのか・・・。


本の内容曰く、魔道具がアンテナのような働きをしてその魂を集めると。

挿絵にはその魔道具の作り方と挿絵を描いてありその挿絵をそのまま信じれば、手にしてる杖がその魔道具って事になる。

ゲームでいうなら、いきなりレアなアイテムなのか。


良くモンスターを攻撃して魔力を奪うというアイテムはゲームで見た事があるが、人族殺して魔力増強ってのも残虐仕様だなと。もしそうなら、この魔道具・・・杖で魔法をシコタマぶっ放して、人族殺しまくれば最強なのでは。

だが、一時的に魔力が増すだけで、魔力の最大値が伸びる訳でないのか?と疑問を持ちながら本を読み進めると、保有できる魔力の最大値が伸びると書いてある。本の内容を鵜呑みはできないが・・・。


____あれ_?そうなれば、

    封印される心配しないで安全な生活が送れるのか?


人族大量殺害して・・・と恐ろしい考えが浮かぶが、

それならば、なぜ地下室で足掻いていた魔族はそうしなかったのか?


受け継いだ記憶には人族に襲われて逃げたとあったが、強力かつ膨大な魔力があればそうならなかったのではないかと疑問が残る。魔力が増大しても限度があり、それほど最大値は多くないのだろうか。


____それか・・・もしくは道徳精神があったのだろうか。


その答えがあるかと違う本を出して読んでみてもやはりその答えは書かれてはいなかった。書いてあるのは同じく魔力の鍛錬と増強、そして技術的な事。


そもそも魔族が絶滅したとか伝説になるっていう事自体、なにか種族的に欠陥があるのだろうか。答えは分からないが、仮説として本に書いてある事が本当として、優先すべきは魔力の増強だろうか。


ブレロン要塞の時に魔弾を多く出したが、今の俺は転移1回と魔弾30発も出せば、ハアハア息を切らす状態。魔力を抑えて魔弾を打っても50発は打てないだろう。更に今は探索<<サーチ>>の魔法を随時使ってる状態。


急に首都ベンダリオンに行くのも、この街にいるのさえも怖くなる。


ここは知らない世界でいつまた裏切られるとも予想も出来ない危機がくるかも知れないのだ。このままベンダ帝国の首都に連れて行かれて褒美じゃと言われて油断した所に後頭部にハンマー打撃がっつり、気が付いたら魔導師の肝は美味しいのぅとか解体されて食べられるとか、手足切られてとか・・・いや魔法で封印されて何かに利用されるとか?いや・・・考えただけで怖すぎる。


本を仕舞い、宿へ小走りに歩く。


そうだ、すっかりと忘れていた!!

ボスアニ街も時もそうだったが、いつ又予想もできない事で、

危機に面する事になるかも知れないのに。


宿にたどり着き、部屋に入り今すべき事を考える。


___本当かどうか分からないが、まずは試す。


ブレロン要塞への転移を発動した。

足元からメンソールのような涼やか感覚が広がり、

俺は転移した。



------------------------------------------------------------------


「ショーゴ様!あれ?昨日ベンダリオンに向ったのは!?」


転移の魔法陣から出てブレロン要塞の中庭に出ると、

オーガ族の見知った者に言われる。


「先程、転移してきた。

 ところでソビッティ国の捕虜はまだ独りくらいいるだろうか?」


「はい、殆どは殺したり・・・逃しましたが、

 50人程、指揮官らしき者は捕らえてベンダの兵が監視しています」


案内されていくと話の通りにベンダ帝国の兵に監視された50名程が外れの牢にいた。兵に近づき彼らはどうなる?と聞くと彼らは首を切るような仕草をして半笑いになる。


「全員処刑ですよ。殺された仲間の恨みがあるから、

 どう料理してやろうとね」


そう言う兵士の言葉をきいてこちらも答える。


「 少し・・・エストの部下の復讐がしたいのだが・・・いいかな?」


兵は黙って頷き、牢がから見えない場所へ手を振りながら歩いていった。

残忍だとは思うが、俺の魔力が上がるであろう可能性が優先だと割り切る。



「恨みはないが、悪く思うなよ?」


彼らに杖を向けて牢の間から魔弾を打つように力を込めると、杖先の紋章のモチーフのような場所から青白い触手のような魔力が伸び、連続して数名の口や目に入り込みそのまま彼らが干からびていく。余りの光景に牢にいる捕虜達は声も出せないが這い蹲りながらなんとか逃れようとする。


杖を通してまるでマッサージで手首を強くも揉まれているような感覚と、酢を飲んだ時のような感覚が全身を駆け巡る。余りの感覚で一瞬、我を忘れたが、はっと意識を戻すと、そこにはミイラ状に干からびた死体しか残されて居なかった。暫く呆然としていたが、後ろで歩み寄る足音と声が聞こえて完全に意識が戻る。


「ず・・・随分、恨みがあったんですね、

 ここまで残虐な殺し方・・ま・・魔法ですよね?」


声の主である先程の監視の兵が立っていた。

苦笑いをしているが、多少震えているようでもあった。


「そう・・・ですね。皆、殺してしまったが問題になりますよね?」


そう聞くと、問題ないですよと答えたので、そのまま中庭に戻る。

敬語がマズかったかな?とか訳の分からない事を考えながらも、

明らかに感じる事に嬉しさを覚える。


____魔力の増強を感じる。


加速度的に探索<<サーチ>>を広げる。森の先の街道を探索の意識が伸びる。

ブレロン要塞から逃した傷ついた兵士が街道をボスアニまで歩いてるのさえも感じる。


これは凄い・・・いや、慢心は良くないが、明らかに増強されているのが分かる。魔力の限度がどうなるか分からないが、封印されていた魔族並になれるのではないか?再びそう考えたが、同時に魔族の記憶に封印された記憶が思い出される。


魔族の記憶から虫の数程の多くの人族に追い立てられた事を冷静に判断すれば、幾ら俺が強くなろうとも此の不明確な世界で生き残るのは多くを敵に回しては不味いという事だけしか分からない。


今はオンダラの街に帰るべきだろうと判断し、どうやって帰ってたらいいものかと馬でも借りるかと考えたが、今の魔力で空を飛ぶとかできないかと魔族の記憶を探る。


魔力を消費するが、物を浮かばせるというのがあるのに気付く。


試しに自分の身体を浮かばせる事はできないかとチャレンジするがそれはできないようだ。それならとソビッティの兵士が使っていた大きな盾が有ったので、乗って浮かばせてみると魔力は異様に消費するが可能な事が分かる。

スケボーのように横乗りになり、俺はオンダラの方まで向うことにした。

上空には恐竜のようなワイバーンが飛んでいるのを見つけて、なるべく低空で向った。


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「 おい、あれ!」

「 おお、ショーゴ様だ!空を・・・空を飛んでいくではないか!」


オーガ族がオンダラに向うショーゴを見て叫ぶ。その声を聞いたオーガ族や輪ジャイアントオーガ族、ワーウルフ族は祈るように遠ざかるショーゴを見つめていたが、その一方でベンダ帝国の兵士が牢での一件を口々に言い伝えていた。


「あれは本当に殺戮魔導師だ、殺し損ねたと戻ってきて捕虜を皆殺したぞ」

「俺は聞いたぜ、捕虜は要らない皆殺しだと」

「俺が聞いた話だと牢屋で動けない状態で殺すのが好みだと」

「ああ、俺も聞いたぜ、占拠した時に何名捕虜がいるのか笑顔で尋ねたって」


後々、変な噂が囁かれるが、この時ショーゴは気が付かなかった。


文章小分けやら、

色々試すがやはり読みづらいな。

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