009 セプテット(仮)、測(はか)る
書けば書くほど至らなさが露呈するでござる
自分よりも背が低い娘に頭を撫でらでるのは微妙な気分になる。
前世でも妹いなかったからわかんないけど、もし妹に撫でられたらこんな感じなのだろうか。
数分もしない内にお姉さんが帰ってきた。
『……何してるんだ』
『撫でてる!』
帰ってきたお姉さんが持ってきた物は、長くて目盛りのある板と紐、それから、前世の身長を測るやつ。それからカートで引っ張ってきた箱と、でかい……壺?
『まあ、それがおとなしくしてる分にはいいか』
何かを呟いて、またすぐに奥へと消えた。
『ただいま』
『おかえりー』
次に持ってきたものは、カートに乗せられた天秤?みたいなものとさっきとは別の箱。
『さて、まずは体重から』
『じゃあ、わたしが脱がすー』
例の病院服を脱がされ、下着姿にされた。こんな時どう表情筋を動かせばいいかわからないの。
天秤の片方に乗せられ、もう片方に壺。当然の様におれの方が重いです。っていうかふつーに天秤だこれ。
『動くなよー。 ……宙に揺蕩う水の紐』
と、お姉さんが何かをブツブツ言ったと思うと、室内なのに風が舞い、少し遅れて空気中から水が出てきて、壺の中に入っていく。
え? 何? まさか魔法? それとも錬金術? もしや仙術?
おれが混乱している間にも、水は溜まり、いつの間にか天秤の両側が同じ重さになる。
そこで水の放出(なんとなく雰囲気的に放水ではない)が止んで、おれも天秤から降ろされる。
そうして今度は、二つの箱から、大量の錘をおれが立っていた部分に乗せていく。
『んー、×××××、と』
そして何かを紙に書かれる。 あれ? もしかして、今のって体重測られてた? じゃあ、他は身長と……あの紐は何?
『×××××、と。 ……にしても抵抗しないなこれ』
『? 抵抗した方がいいの?』
『そういう訳じゃないが。 あまりに動かなさすぎないか?』
『はっ!? まさか作り直しっ!?』
『……教育次第ではあり得るかもなぁ』
『いやぁ! セプテットちゃん! ちゃんと立派になってお母さんを楽にさせるのよ!』
いやに楽しげに身長測られましたって揺らさないでー。
次は謎の紐の番。と言っても、腰やらの長さを紐で測り、その長さを板で数値に直す。……だけ。
要するに、メジャーの代わりに紐と板を使っているのだ。体重計を天秤と壺で代用していた様に。
ちょっとくすぐったかった
服をまた着せられて、壺の中身を窓から外に捨て、……って窓ガラス!素材のわからない金属サッシで動かせるようにもなってます! っていうか窓! 外! 夕暮れですよ! 青空が普通すぎて逆に気付かなかった。 転生後初の空を総スルー……。
錘を箱に直して、今度はお姉さんと女の子の二人がかりで持っていきます。
おれ?お留守番です。靴はまだかー(足ぷらぷら)。
単位とかそこらへん何も考えてないです。
小説だからこそできる手抜き!
威張るとこじゃないですね。ごめんなさい。
……ちなみに数値は2011年の19歳の女子平均です。そこ、M(マジ)T(手抜き)とか言わない。