表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お姫様のいる日々  作者: 月狩朔夜
奏でられないプレリュード
8/13

008 セプテット(仮)、しゃべる

よーく考えろよおれ

6話の時点で主人公のサイズ完璧に把握できるわけねーだろ

ポットから出されて初対面だぜ?

そんなのにメイド服なんて持ってくるわけねーだろ?

馬鹿じゃねーのおれ


というわけで、衣服変更しています。

具体的にはメイド服から白いだぼっとした服に。

M(マジ)M(申し訳)N(無い)。

 かつ、かつ。 ぺた、ぺた。 こつ、こつ。

 三種類の足音を立てて進むおれ達。 ちなみに順番は前からお姉さん、おれ、女の子。

 すっごい今更だけど、裸足が涼しいです……!


 そうして、いつの間にやら、壁が石そのままから壁紙になったり、人……具体的にはメイドさん(!)とすれ違うようになったりした頃、廊下の中程にある扉の前でお姉さんと女の子は足を止めた。それに合わせておれも止まる。


『さて、理解できるようになった頃にもう一度説明するが……ここが王族及び王宮にいるやつら用の医療室、だ』

『そのせいで普段本読むだけなんだよねー』

『ろ・ん・ぶ・ん・だっ』


 なんか話しながら扉を開けるお姉さん。

 その先は、ちっこい丸椅子と、机と3台のベッド……学校のステレオタイプな保健室な内装の部屋。

 ……そのベッドの一つに妙にボロボロになったお兄さん(ちょっと嬉しそう)がいなければ。


『あれ? リスティじゃん。 なんでこんなとこにいるの?』

『いや、報告に来たときに、「あれ、八つ当たりしないんですか?」って言われたからつい……』

『それついって言わないと思う。 ……まあいいや。 わたしはそろそろ戻るよー』

『ああ』


 何かを話して、あきれたらしい女の子。そのまま後ろを向いて引き返そうとして。

 ちょっ、待って!? このお姉さんと一緒にいて、オッサン(ちょっと嬉しそう)みたいな事されて耐えきる自信ないよおれ!?

 思わず腕に抱き付いて引き留めた。思わずだよ。


ううぃううぃううぃ(むりむりむり)


 ちょっと!舌が回らない!

 これじゃ言葉が伝わらない!そもそも言語が違ってる!

 何故!? この体に慣れてないから!?

 そういえば、最初は歩くどころか立つこともできなかったし!

 要練習!

 ……無理やりテンションあげてみたけど、恥ずかしさって変わらない、どころか増えるんですね。

 うぅ。


『しゃべった!』

『そりゃしゃべるだろう。 むしろ今までが静かだったのが不思議なくらいだ』

『へー、わたしはてっきり調整不足かと』

『……人造人間のポットから出す前の最終調整は、赤い石埋める王家付きのは念のため以上の意味はないんだろ? っていうか本当にそうだったならお前らの責任問題だからな? 具体的には作り直し』

『あぶなかったー! ……しかし、娘に懐かれるのはこう、……悪くない』 

『お前はどこに行くつもりだ。 とにかく、それに離れる気がない以上今日ぐらいはそばにいてもいいんじゃないか』


 おれの何かが伝わったのか、とにもかくにも引き返すのは諦めてくれた。 あったかいよ……!




『ちょっと待ってろ』

『うん』


 今現在、おれはベッドに腰掛けています。

 その横から女の子に抱き付かれています。

 お姉さんは、奥の方に行きました。


 どうしろと。とりあえず女の子の頭でも撫でてみる?


『っ! ふわあ。 じゃなくてー! わたしが撫でるのー!』


 逆に撫でられました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ