表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お姫様のいる日々  作者: 月狩朔夜
奏でられないプレリュード
6/13

006 未だ名付けられぬ者、服を着る

キャラ名が……!

『貴様ッ! 5回も失敗してやっとできたと思ったら調整終わる前に出すとかどういう心算(ツモリ)だッ!』

『いいえ、6回でごめんなさい』


 怖いよ。

 殴られた頬に手を当ててる座ったままのオッサンを、見下ろしてるお姉さん。視線で人を殺せるなら2・3人位一瞬で殺せそうな眼力です。

 ……っ、こっち見た……


『クロエ、それの服だ。適当に着せて来い』

『はいはーい』


 何も無かったかのように、女の子にもこもこを投げ渡すお姉さん。

 っていうかお姉さんの目力をスルーした女の子も地味にすごい。鈍感なだけの気もするが。

 そして、両手の空いたお姉さんは、オッサンの服をまるでやくざの様に持ち上げた。……いや、実際に見たことはないよ?テレビなんかで見るイメージだよ?



 そうこうしながらも女の子に連れられてすぐ近くの扉に入ると、更衣室でした。

 たくさんのロッカーにでかい洗面所、開けっ放しの扉と段差のある奥には簡易な椅子と桶、石造りの浴槽。

 ……とても、風呂です。

 洗面所の台の端にもこもこをおいて、おれから手を放してっ、……こけそうになった。


 どういうことだおれ

 わからないよおれ

 そういえば聞いたことがあるよおれ

 ほんとうかおれ

 ああ、人間はバランスを保てないとまっすぐ立てないんだ、この体のバランスに慣れていないから倒れそうになったんだろうおれ

 なるほどわかったよおれ

 むなしいよおれ……


 ぷるぷると生まれたての小鹿の様にバランスをとっていると、タオルをはがされました。

 寒くはないけど恥ずかしい。鏡があったら生まれたままの自分(比喩でなく)が見れたのに。

 そして、女の子がさっきのもこもこを広げて着せてきた。……これ服だったんだ。


 紐で留める上下の下着?

 白くてもっさりした服。妙にでかくて腰を紐で留める


 やっと服着れたのはいいんだけどさ

 これ着てると病人みたいな感じがする



『カミラー、終わったよー』

『うおーぅ』

 更衣室から出るとすっきりした顔のお姉さんと、ぼこぼこになったオッサンがいました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ