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001 芹沢大樹、落ちる
雪が憎い。
いや、去年までは好きだった。だけど、今年から嫌いになった。雪国に引越しと聞いてはしゃいでた去年の自分を殴り飛ばしたい。
どうしてこんなに降るのか。どうしておれは屋根の上で雪と戦っているのか。コタツが恋しい。
大学から帰省したときくらいゆっくりさせてください。
ふと上を見れば白い粉が降り続く。ついでに下を見ればさっき雪かきしたばかりの道にもううっすら積もってやがる。これこそまさに白い悪魔と呼ぶべきだろう。
「大樹ー、雪下ろし終わったー?」
「もう少しッ!?」
かーちゃんの声に返事したら、足が滑った。滑って、落ちた。
芹沢大樹 享年19 死因頚椎骨折
だがそんなことはこの物語には彼が死亡したこと意外何一つ関係無かった。
饅頭のどに詰まらせてダイイングメッセージ「まんじゅうこわい」とか無意味に怪獣が現れてかませ犬的に殺される自衛隊員とかと迷ったけどオーソドックスに。