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プロローグ


 こんな世界に生まれてこなければ、彼女は幸せだったかもしれない……。



*****


 遠い遠い異国に、神の血を受け継ぐと云われている一族があった。彼ら、威守(イシュ)族は太古の昔から王として世界の頂点に君臨し続けていた。威守族の特徴は何よりも、その瞳の色だ。

 太陽のような温かい金色の光を宿す目。神の血をひく、彼らしか持てないと考えられた色だった。

 しかし数百年に一度、彼らの中に金色の瞳と銀色の瞳を持つ者が生まれる事があった。それは次の神となる証、その者は成人すると儀式によって魂を神界におくられ、そこで神として世界を守る役目を果たすと云われている。


*****


 大流星群が空いっぱいに広がって素晴らしい光景が繰り広げられた夜、威守族の王妃が王女を産んだ。その時に生まれた王女は、彼女が次の神となるのだという証である金色の瞳と銀色の瞳を持っていた。



 王女が生まれた数日後、彼女の誕生を祝う式が執り行われた。

 次期神を祝う重大な式典に、特別招待を受けた一族がいた。

 その名を竜虎(ロウコ)族と言う。彼らは太古の昔から王族を守り続けている、世界最強を誇る戦士の一族であった。

 威守族と竜虎族は互いに深い信頼関係を築いてきた。

 そんな経緯から、このような式に竜虎族は特別招待されたのだ。


「ほぅら、(ソウ)。あの方が王女様よ、早く大きくなって、あの方をお守りするのよ。」

「生まれたばかりの我が子に、なんて事言っているんだ、春歌(ハルカ)。」


 そんな竜虎の中にも、王女と同じく生まれたばかりの赤ん坊が何人かいた。

 その内の一人である奏と名付けられた赤ん坊は竜虎族の中で一番貧しい家の子供だった。


「あら、この子は絶対にあの方をお守りするようになるわよ。だって、それがこの子の運命なんですもの。」


 奏の母親である春歌は、夫である(タク)に笑顔で言い切った。


「…お前に預言者としての能力があったなんて、聞いた事ないぞ。」


 半ば呆れ返った拓は適当に言葉を返す。


「私だって、そんな大それた力が自分にあるなんて、初耳だわ。……これは母親としての勘よ。あの方が生まれる数時間前から、奏はずっと城を見ていた。そして、急に奏が泣きだしたと思ったら姫様の誕生のニュースが入ったの。」

「それで…?」

「それだけよ。だから勘だって言っているじゃない。」


 物の見事な笑顔で春歌は言い切る。


「それは偶然だろう?そんな事ぐらいで運命が決まってたまるか。それに考えてもみろ、王族を護るための部隊に入る試験は、いくら早く大きくなっても、こいつの歳で普通は入れないぞ。」

「そんなの、やってみなきゃ分からないわ。」


 春歌の目は本気だった。それに気付いた拓は、我が子の苦労を予感して、行く末を心配に思うのだった。

この作品は私にとって処女作です。色々とお見苦しい部分はあるかもしれませんが、楽しんでくださればいいなぁと思っています。


小説修正後→修正と言っても、内容は変えておりません。文体もいじっておりません。携帯から見やすいようにと変更しただけになっています。変えてもよかったんですが、自分自身の成長を感じ取っていただきたかったのであえてそのままです。拙い文章ですが、楽しんでいただければ幸いです。

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