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2層目⑤:光と再生
失われた水分と共に、幾らかの余裕も戻ってきたらしい。
ヒカルは「ふぅ」と一息ついて、めぐるに視線を向ける。
「あんたは大丈夫か。」
暑い中、自分の後ろをついてきていたのだ。
しかし、めぐるは何事もなかったように答えた。
「大丈夫。私にはそういうの、必要ないから。」
「そういうのって……。」
「さっき、ちょっと意地の悪い言い方した。ごめんね。」
めぐるはそう言いながら、ヒカルが千切った蔓を手に取る。
ニセモノの日差しよりも弱く、しかし温かい光が指先に集まる。
「それ、エレベーター前でもやってた――」
光に包まれた蔓の断面が塞がり、少しだけその先端を延ばした。
指先から光が消えると、めぐるは「ふぅ」と息をついた。
そして、また、口元に困ったような笑みを浮かべる。
「戻したの。ちょっとだけ。千切れたところと、その先と。」
「疲れちゃうから、あまり大きなことはできないけど。」
めぐるのことも、能力のことも、ちょっとだけしかわからなかった。
ただ、ヒカルとめぐるの違いは、ちょっとでは済まないらしい。
「さぁ、歩ける?」




