前へ目次 次へ 10/22 2層目④:必要な分だけ 飲むモノのない喉が、鳴った。 めぐるは何を言っているんだ。 こんなに水を欲しているのに、「飲むのか」なんて。 「その水、ヒカルが切った蔓から出てるね。飲むの?」 めぐるの瞳は、まっすぐにヒカルを見つめる。 蔓の断面と、瞳を交互に見る。 だが限界も近い。 ようやく絞り出せた言葉は―― 「……必要な分だけだ。」 誰に向けたのか、言い訳の言葉だった。 蔓から滴る水は青臭かった。 普段なら吐き出したかもしれない水が、今は何よりもありがたかった。