タイムパトロール・アーム(05)
どわあああああああ!といつも通りパニックを起こすレイコ。パニックというのは慣れないから大変だ。お相撲さんに潰されるー!って何のことだ。お相撲さんは気は優しくて力持ちだからすごい人なわけで、自分でぶつからない限り押し潰したりしない。お相撲さんの手前で止まればいいだろう。そう言ったのに「お相撲さんの手前?うわああああ!」。お前さあ、本当に死ねとか言われてるの?絶妙にそうでもないように聞こえるぞ。三年前に、感動した!と泣きながら感想文を書いていたのにそんなに信じられないか。諜報部では飴と鞭を使って標的を誘導することが多く、「こっちがいいよ」「こっちはダメだよ」なんて直で言ってくるヤツなんて絶対信用ならない。そんなのどこぞの船の話一つでわかるだろう。残念ながら駐在所が船のトイレくらいの規模だから極限状態の質が少し違う。
「来い」「来るな」「本物」「偽物」「愛がある」「愛がない」……お前がそういうのを気にするからパニックするのであって、「知らんがな」でいいじゃないか。完全に発信をやめるとこちらの近況がわからないから、それはどうしたものか……そこは困るのだが、レイコは自分のことをマンガのキャラだと思っているヤツなので、もうすでに本人がパチモンと同じだ。そこは本人も気にしているのであまり言わないけど。
失くして気がついた、馬鹿な……こんなに身に染みる歌だったのか。時間流の中だからそんな情緒はない。こんな小さな駐在所をなぜ本部や国が気にするのか。それこそおかしい。「頭のおかしいネトウヨだなあ」ですませればいいじゃないか。本部が一方的に伝えてきた内容に、「調子こいているけど無駄だから」みたいなのがある。言ってるだけで何もしなくていいんじゃないの?本当に殺されそうならすでに殺されていないとおかしい。むしろ「出てこい!」というなら出てきてもらわないと困るから言っているわけで、出て行くとそれこそ殺される。発信は全部傍受されてるんだから攻め込めなくてこうなっている。兵糧攻めと同じで、カードの話も微妙に合わない。そこまですることならもう死んでいる。だんだん話が合わなくなってきて、「殺されたんだから死んでいよう」で話がまとまった。他人を巻き込むようなことをするとまたあんなことやこんなことになるので、自分の範囲を出ないようにしよう。それだってなぜそうなるのか全然わかんねえけど。




