76話 世界を救う
堺 誠は選抜戦を乗り越え、心大陸へ。
凶悪な魔物や転生者との死闘を繰り広げ、風の都に向かう。
人類と魔族が共存する国、風神が統治しており、問題を起こせば即追放される。
堺達はダンジョン攻略に力を入れる。
しかしある日、心大陸の中央ダンジョンから光が弾けた。
数日後、氷神が死亡。
魔族が活発に動き出し、世界に混乱が巻き起こる。
堺は何もわからず何度も死に戻りをした。
世界の終わりになる戦争を経験。
すると、一番最初に戻る。
前田と協力し、戦争の謎に迫る。
終わりの始まりとなった、中央ダンジョンの輝き、その日に立ち会わせた。
堺が見たその光景は神の降臨。
予言の書はこの日のことであった。
神は前田から逃げた。そしてあるものと手を組む。
それが新魔王、転生者達によって虐殺された魔物や魔族の憎悪として現れた存在。
神は殺した者の能力を奪うことができ、だんだんと強大になっていく。
神は孤立していた氷神を吸収することに決めた。
父親となってくれたアイスドラゴン、転生者の攻撃によって病状に苦しみ、世話をしていた氷神。水神のもとへ生命の源を取りに行っては父に与えていた。
しかし、神と魔王によってアイスドラゴン、氷神が殺害されてしまう。
そして風神は、皆の平和をただ願う少女。
風神が神に抵抗している際に、風の都は混乱状態へ陥り、人類と魔族は秩序を失い殺し合う。
そんな光景を見て、絶望した少女は隙をつかれて殺されてしまう。
そして光神(前田)の元へ、堺を逃して圧倒的な戦力の前で魔力が尽きて死んでしまう。
神は誰にも止められず、雷神も殺される。危機感を感じた地神と水神がタッグを組んで「人の大陸」を守る。火神は自身の力をコントロールすることができず、戦争に参加できなかった。
地神と水神は、圧倒的な力を有した神に敗れ吸収されてしまう。
何もできなかった火神は怒り狂い、全てを解放する。
「人の大陸」を焼き尽くし、神をも超える魔力量、しかし自身の力に飲まれ、そのまま灰となってしまう。
最後に旧魔王のところへ向かう、新魔王は魔族は殺すなと神に言うが、関係ないと言われる、そして新魔王は神に抵抗して殺されてしまう。
旧魔王もまた平和を願っていた。転生者や人類達に攻められないよう、広大なバリアを張り巡らせている。その中で平和に暮らす魔族達。
強固なバリアを神はなかなか破壊することはできなかった。
しかし時間をかけてバリアを壊した。
逃げ惑う魔族や、そこで平和に働く人類や転生者を蹂躙し、力の残っていない旧魔王を殺した。
全てを手に入れた神はこの世界ごと消すことにした。
崩壊していく世界、堺は訳も分からずに死んでしまう。
目が覚めると最初の地点にいた。
前田に全てを話し、終焉の日を阻止する。
アルファに向かい雷神の説得、堺を信頼するに足るか戦って試すことに決まり、結果は惨敗。それでも諦めずに挑み続け、話を聞いてもらえることに。
拙い情報でこの世の終わりを伝える。
リアムは前田の後押しもあり一時納得。
アルファの戦力を強化して備える。
そしてその日が来た、アルファの転生者達も集まり神を討つ。
リアムや前田もそこにいた。
光と衝撃と共に神が降臨。
神は雷神と光神を見るなりその場から消えた。
そこから見つからず、時が過ぎ、アルファに魔物が攻めてくることになった、防衛に当たっていると、氷神が殺された。続いて風神が死に、心大陸の転生者達が次々と死んでいく。
アルファの防衛に当たったリアムが神によって殺され、前田も数の暴力で殺害された。
そしてまた、世界は終焉を迎えた。
堺はその事実を前田に伝えた。
アルファに向かい雷神の説得へ向かう、前よりも強くなった堺。
雷神のことも以前よりも知っているため、納得してもらうまでが早かった。
神を討つためにはアルファ以外の仲間も必要だった。
雷神はアルファを早乙女と和田に任せて、水神を説得。地神が納得すれば良いと言われ、火神も同じことを言う。肝心の地神は秩序を乱した者の話など聞かないと一蹴した。
前田と堺は氷神や風神のもとへ向かったが、彼女らには根拠のない出来事より自身の目的が最優先として協力を拒まれた。
事がうまくいかず、神が降臨した。
神は逃げ、力を蓄え、だんだんと形勢が悪くなった。
堺は崩壊しかけた世界の中で、諦めなかった。
転送石などを使い、地神のもとに向かった。
地神は、「君の言うとおりだった」と認めた。
堺は「もう次がないかもしれない、でももしあるならば!きっと救ってみせる!!だから!どうやったら貴方を説得できるか教えてくれ!」と土下座をして頼み込む。
地神はうなずき、必ず救ってくれと言い、ある秘密を教えた。
そして地神は堺を守り、殺される。
堺も神への抵抗も虚しく、崩壊していく世界と共に死んでしまう。
死に戻りはできたのに、最初の地点ではなかった。
神と対峙する場面で、無駄な抵抗だと知りながら何度も死ぬ。
数多くの死を経験してだんだんとわかってきた事がある。それは死に戻りできる回数に制限があるということ。
堺は神に殺される瞬間、最初に戻ってくれと願った。
暗闇に包まれ、意識が戻り目を開けると、最初の草原にいた。
もうクヨクヨなんてしている暇はない。
堺は前田にバシッと話を付け、雷神のもとへ。
雷神との戦闘。
堺は見違えるほど強くなったが勝ち目はなかった。
水神、火神の協力のもと地神に会いに向かう。
秘密の話を打ち明け、心を開いてもらった。
昔の頼りのない堺では秘密を打ち明けただけでは無理だっただろう。
でも今は違う、信念と自信に満ちた堺は嘘偽りないと思われるのに十分であった。
地神を説得した時、田中が瀕死になる事件が起こる。
地神がいち早く気付き、助ける。
水神の治療で田中一成を助け、事情を話すと仲間になった。
そこから氷神を仲間にする為、アイスドラゴンも治療。
地神はこの世界を守る意思によって、理すらも変えていく。それが秩序を崩壊させるとしても。
風神を仲間にするために現実を伝える。
納得はしなかったが、世界が終わるとなれば彼女の平和が消えてしまう、一時協力してくれることになった。
問題の一つとして残った新魔王。
しかし地神は関与しなかった。
それには旧魔王軍幹部の田中も賛成で、魔物や魔族がいるから世界に魔素が安定的に供給される。
魔素が枯渇すれば作物は育たなくなり、人類の免疫力なども低下してしまい、ひいては絶滅してしまう。
魔物が増え過ぎても良くない、魔物がいなくても良くない。
転生者とのパワーバランスを保つためにも新魔王の存在は必要。
新魔王も一時休戦ということで手出しはしないという。
訪れる終焉の日。
数多くの転生者、人類軍、魔族が協力し、中央ダンジョンに構える。
息を呑む静寂の中、神が降臨した。
地神が心大陸を包み込み、神の逃げ場をなくした。
そして他の神々に蹂躙される。
勝ち目をなくした神は、命を賭けた一撃を放つことに。
天と一つになり、膨大な魔力を溜め始める。
神は無の中に生まれた。全てを知り尽くし、あらゆる物を創造することができた。
神は自身の力を一割使い、世界を創造した。
二割の力で生命が宿り、三割の力を与えると進化が起きた。
四割の力で知性が宿り、八割の力で魔法が生まれた。
神は二割の力しか残っていなかった。
全知全能が失われ、寿命という縛りを課される。
私の世界だと思っていたそれは、もう別のもので、関与することができない。
ただ酔いしれるように傍観することしかできなかった。
それでよかった、このままでいいんだと思っていたのに、寿命が尽きるその日が近づくと、感じたことのない感情、恐怖を抱くようになった。
だからこそ愛してやまないこの世界を自分の手で終わらせると決意した。
力を取り戻すには全てを破壊するしかない。
私は一割の力を使い、念願のこの世界に入ったのだ。
なのに、何故、こんなことに!!
神は無念に、悲痛に憤怒し、最後の一割を振り絞った。
そして、特級魔法を使用する。
迫り来る太陽のような魔力の塊。
皆が絶望し、神々が唖然とする中、
堺は諦めなかった。
土壇場は嫌というほど経験している。
堺は無理難題な指示を出した。
地神にこの世界を能力で囲めと伝え、水神に全ての生命に回復魔法を施せと言い、
風神には地神の能力を風で支えてクッションにしろと言う。
そこで案が尽きた堺に田中が、私なら止めれますといってきた。
作戦を実行、田中の出力百%を引き出すために膨大な魔力が必要、雷神の放電でそれを補う。
チャージの時間を稼ぐため、堺は火神にあれを止めてくれと言った。
火神は「俺が暴走したら全てが終わる」と、情けなく下を向く。
堺はそんな弱気な火神に「できる!」と言った。「実は何度もここの場面を経験して、火神様がちゃんと力が使えてるのを何度も見たんだ!!」と嘘をつく。
火神は燃え広がるように自信がつき、全力をぶつけようとする。
暴走しかけた力を「俺ならできる」と無理やり抑えた。
そして神の攻撃に合わせて放出した。
膨大な質量を持った魔力の塊がぶつかり合う。
銀河の衝突かと思うほどに視界はカオスに包まれていた。
火神の攻撃は反動が凄まじく、世界を囲う外装が動き、世界そのものが吹き飛びそうになっていた。
転生者や人類、そして魔族、魔王達が一丸となって地神と風神、この世界に力を注ぎ続ける。
皆は死の一歩までの全力。血を吹き出し気絶するものが後を絶たない。
世界が堪えきれない、そんな時、田中の魔力がMAXになった。
一歩も歩めない田中はその場で正拳突きを構える。
それを見た前田は田中を担いで、世界を包む外殻を走り出した。
固まった田中を持ちながら加速が止まらない。
風に火が纏わるほどの加速、世界を一周したと同時に田中を放り投げる。
ソニックブームが重複し、火神と神の攻撃の狭間に飛んでいく。
フワッと火神の力が尽きた。
神の一撃が勢いよく世界に降り注ごうとした時、田中が拳を引き抜いた。
神の一撃と田中の拳が激突した。
バキン!と時が止まったかのように次元が裂けた。
弾ける衝撃が惑星を軌道から離そうとする。
地神の力も尽きて、外装もろとも全員が消し飛ばされる。
異常なまでのエネルギーにより、超巨大なブラックホールが生まれる。
全てを飲み込むそれは、真っ先に神を吸い込んだ。
神が闇に溶けた瞬間、ブラックホールから白光が朝日のように溢れ出した。
目の前が白に染まった時、堺は気を失った。
ふと意識を取り戻した堺。
正面には神の姿、コウトに転生する前の空間にいた。
神は堺を見て、「私の負けだ。どうやら君が次の神みたいだ」と言った。
堺は理解が追いつかなかったが、神の力を得たことにより、全てを知り尽くしてしまう。
「君はよく頑張った、あと二回死んでいたら私の勝ちだったよ」
そう言って神は白煙と共に消えていった。
堺は自分がどうすべきか結論が出ていた。
それは時を戻し、転生者がいなかった世界線を実現すること。
そもそも転生者の存在自体、世界が神へ抵抗する為だったそうだ。
まんまとハメられたわけだ。
堺はそう思いつつも憎む気持ちはこれっぽっちも持っていない。
ただ、この世界を愛していた。
あんなに辛かったのに不思議と涙が出るくらい好きになっていた。
このままだと、使命が果たせなくなる。
だから今のうちに、するんだ。
堺は転生者が居ない時代の世界を創造した。
まだ力が余っている、何やら元の世界に記憶を引き継いだり、お金持ちになることは容易みたいだ。
堺は悩み…
「それならー、平和な世界であり続けますように!」と願った。
「はっ…」
どうやら勉強机で寝ていたようだ。
長い夢を見ていたなと記憶が薄れていく。
ご飯よと母に言われ、駆け足でコンビニに向かう。
何も考えず無我夢中だった足がピタリ止まった。
というより肩に手が置かれたような、振り向くと風が木の葉を含んで空に舞っていく。
後日――
学校生活にて、いつも通り、絡んでくる奴らが来た。
いつもながらにビクビクしていたが、今回は、怖くない。
言い返してやったら喧嘩になった。
勝負は負け、先生にも怒られた。
でも、後悔はしていない。
自信に満ちた自分を不思議に思う、憂鬱だったはずの日常が、なぜか少し楽しい。
理由は分からない。けれど、確かにそう感じていた。




