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6話 ラルトとの出会い

6話

「う、う~~ん、、、あ、あれ、、ここは?」

 目線をちらちらと動かす

 窓から差し込んでいる日の光がぼんやりと部屋全体を照らしている

 (ここは宿か?木のいい匂いがする、木造なんだろうか??)

 堺はしっかり寝ていたため体が軽かった、気分も良くヨイしょと起きあがろうとする

「お目覚めですね、堺さん」

 目線の左側からヌッと現れるシュベルツ、夕暮れの日差しによって髪がオレンジ色に輝いている

 服装が変わっており、白色のシャツに茶色のフード、黒のズボンを履いていた

 以前のキラキラと輝いていた白色の鎧に比べてだいぶ見劣るが、親近感があって良いなと堺は思っている

「うわぁ!ビックリした!え、あ、はい!おはようございます、、ここは、どこですか??」

 体を起こして周りを改めてキョロキョロと見渡す、部屋の中心には1人用のテーブルが置いてあり四角形だ

 そのテーブルには椅子はなく、腰ほどの高さであった

 ベットの上には正方形の窓があり、大人が出入りできる大きさだ

 ベットは扉から1番奥に横付けされている、もし扉から誰かが入ってくればすぐにわかる位置だ 

「ここはアルテの町にある宿です、堺さんは魔力の使いすぎで気絶されましたので、とりあえずここを借りました」

「そ、そうだったんですね!それはありがとうございます!」

 座ったまま膝に手をついてお辞儀をする

「フフッ、では今後について話しましょうか」

 堺は唾をゴクリと飲む

「いいですか、堺さんには3つの選択肢があります、1つ目は私と来たる日に備えて特訓をするか、2つ目はこの世界の学校に通い、自分のさらなる才能を開花させるか、そして私の元を離れて自由に旅をするか、選んでください」

 シュベルツは右手の指を一本一本上げながら選択肢の説明をする

 堺はうんうんと首を上下に少し振りながら話を聞いていた

「え、え~っと、どうしようかな?…」

 (え、特訓?うーん、自由は嫌だとして、、あとは学校!?異世界の学校とかめっっちゃ興奮するんだけど!)

「が、学校に行きたいです!!」

 堺は感情に任せて学校を選択した

 膝がガタガタと震える

 両手をグッと握って爆発しそうな興奮を抑えた

「いい選択です!では、さっそく手続きを済ませてきますね!私が帰ってくるまでとりあえず宿にいてください」

 そう言ってシュベルツはキィ~と扉の音を立ててフードを深く被り、ささっと出掛けていった

「こ、行動はっやー、、」

 (そういえば俺のパーカーがないな、まぁ良いけど、その代わりに茶色のフードか、、転生者だとバレないようにってか?)

 窓の外から町並みを眺める、舗装された石の道に家々が並んでいる

 形は似ているが色合いが違う、屋根の色、壁の色、扉の形、色々な個性がある

 (日が落ちてきたなぁ、、ちょっと、冒険して見るか!)

 見渡すところにパラパラと人がいる為、なんとかなるだろうと外に出ることを決める

 宿の扉をキィ~とゆっくり開ける、奥に廊下が続いており、階段が下に続いていた

 廊下の左右には扉があり、堺の部屋は1番奥の右側で、扉は片側に3部屋、両側で6部屋ある

 堺はそーっとスニーカーのゴムがキュッ!と鳴らないように廊下を進み、奥にある階段を一段一段、警戒しながら降りる

 下の階は照明によってオレンジ色に照らされていた

 ヌッと顔を出して周りを見渡す

 堺のいる階段から正面に出入り口がある 

 階段から右側にに受付があり、女性が本を読みながら座っている、その奥には黒板より一回り大きいボードがあり、装備を身につけた3人がうーんと悩みながらボードを眺めている

 階段から左側には椅子や机が並んでおり、長方形の机が5つ、1つの机に椅子が4つ置いてある

 真ん中の席で4人組のパーティーが何かを話していた

 堺は人と話さないよう、誰とも目を合わせずにトボトボと階段から正面にある出口へ向かう、距離はそこまで遠くないのに、はるか先にある感覚がした

「やぁ!!君は冒険者かい?見ない顔だね」

 男性の声だ、高い声をしている

 その声にビクッと体が震え、後ろをさっと見る

 彼は茶色の髪で、耳が出るほど切っている

 髪型はおでこが出ており、センター分けだ、横髪は外にトゲトゲと出ている

 服装は肩と腕、腰に身につけている赤茶色の皮の装備が特徴的だ

 服は暗めの青色で、ズボンは灰色よりの黒色だ

 腰には日本刀サイズの剣を装備しており、剣は革製のサヤに入れられている

「ごめんね!びびらせるつもりはなかったんだ」

 両手を合わせて謝る

「え、あ、大丈夫です、、」

 目線を合わせずに軽くお辞儀をしてその場をやり過ごそうとするが、すかさず質問が入る

「えっと~、君は冒険者?」

 (やりすごせないかぁ~、冒険者って言った方がいいのか??やばい、どうしよう、)

 もじもじとしながら小声で冒険者と答える

「そうなんだ!!僕も冒険者!それと、僕の名前はラルト マケットよろしくね!」

 (グイグイくるなぁ、、それにしても目がすごいキラキラしてる、純粋に楽しんでるのが羨ましい、)

「え、自分は、サッカイです、」

「よろしくね!サッカイ!」

 それからはその場から逃げる手段がなかった為、ラルトと話した、出身地を聞かれたが田舎から来たと伝え、右も左もわからないと嘘をつく、ラルトは「色々教えてあげる!」と一緒に外を回ることになった

「それじゃあ、サッカイ!冒険の始まりだ!」

「お、ォー」と流されるように行動を共にした

 外に出てしばらく歩く、建物と建物の感覚が離れている区間についた

 石の道がゴツゴツとしている、外はだんだんと暗くなり人が少なくなってきた

 建物の四角い窓から光が照らされ始める、まるで街灯のようだ、何か事件があればすぐに誰かが守ってくれそうな安心感がある

 ラルトは腕をビュンビュンと振り子のようにして歩いていた

「ついたよ!まず、ここが武器屋!」

 カフェオレのような色をした木造の建物の前で急に止まる

 その建物は中央に扉があり、その両側に四角の窓がある

 窓は開いており、右側には青色の花、左側の窓には赤色の花が飾ってあった

 (ずいぶんオシャレな武器屋だなぁ、、)

 ラルトは扉をやや強く開ける

「おっちゃん!きたよ!」

 部屋の中は薬草や色鮮やかな花、そして色のついた液体が入っているビンが並んでいた

 花のいい匂いが部屋に充満している

「あんたね、、おばちゃんと言うならまだしも、おっちゃんって何よ!!」

 明らかに女性の人がドアの奥にある受付に座っていた

 髪型はロングで薄緑色、服装は白色の露出が少ないドレスを着ていた

「今日もおっちゃん呼ばわりして、許さないんだから!」

 すると、彼女の周りの草や花がうねうねと動き出す、じきに巨大化し、花の中央が口のようになりガジガジと音を立ている、今にも餌を求めている感じだ

 周りに飾ってある植物のくきがトゲトゲになって、鞭のようにしなっている

 (おぉ!!これが魔法か!!それにしてもブチギレてるなぁ、、)

 堺は「ふっ」と自分は安全だと思い、この状況を楽しんでいると、

「あんた笑ったね!?許さない!許さないんだから!!」

 (え、やば、俺も?、、)

「ごめんなさいぃ!!」

 すかさず謝る、ラルトも謝っているが、歯止めが効かなくなり、茎が鞭のように襲ってくる

 ラルトは「逃げるよ!」と扉を蹴飛ばして店の外に出た

 そのまま10分くらい走ってひたすら逃げる

 ラルトが「ここまで逃げれば大丈夫!」と言い、その場に止まる

 堺はゼェゼェと息を切らして地面にへたれていたが、ラルトは汗すらかいていない

 (ここまで能力に差があるのか、、それとも鍛え方が違うのか、?)

「ご、ごめんね!僕、方向音痴、だからさ!あと武器屋はこっちにある!多分、」

 堺の息がやっと正常に戻りかけたところで再度ラルトとの冒険が始まる

 しばらく歩くと、街灯が少ない場所にたどり着く、

 建物がだんだんと少なくなり、どんどん森に近づいている

 空き家かと思うようなボロボロの家がチラホラと見え始めてきた

「あ、あの、こっちで合ってますか??」

 (なんだよここ、お化けでそう、、早く宿に帰りたいぃ、)

 堺はフルフルと周りを警戒してラルトの近くに寄る

 ラルトはその場に立ち止まり周りを見渡した

「う~ん、ごめん!!迷っちゃった!、一旦宿まで引き返そう!、、、えーっと、道覚えている??」

 ラルトは両手をパチンと鳴らして頼んでくる

 (困ったものだ、まぁ、はちゃめちゃな経験をさせてもらったわけだし、いいか、、)

 堺はふー、と息をつく

「は、はい、なんとなく覚えてます、多分、こっちです」

 そうしてラルトと道を引き返そうとした時、

「キャァ!!!!」

 女性の叫び声が真っ暗な森の奥から聞こえてくる

 堺はびっくりして体が硬直している

 ラルトは叫び声を聞くと「ごめん!先帰ってて!」と言いながら叫び声がした方向に走っていった

 あんなにヘラヘラとしていたラルトの顔が必死だったことに心を揺さぶられる

 (も、もう帰りたいぃ、、、でも!!)

「おっしゃあ!!!」

 声を上げて気合いを無理やり入れる、数回ほど深呼吸をして森の中に走っていった


 

 

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