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50話 崩壊

50話

 田中の拳が少女の魔人に迫る

 少女の魔人は目を閉じ、死を受け入れた

 ――その瞬間、過去の光景が頭をよぎる

 

 

 少女の名前は真希(まき) (かえで)、10歳という若さでコウトに転生

 真希には兄がいて、二人は森の中で目覚める

 二人はその場で動けず、次第に森は真っ暗に染まっていった。魔物の唸り声が聞こえ、赤い瞳が闇の中からこちらを見ている

 二人は体を寄せ合い、幼いながらに死を感じた

 赤い瞳の魔族は二人に襲いかかった

 その時、眩い閃光が二人の前に現れる

 森を照らすほどの光、魔族達はその場から逃げるのであった

 二人は安心から気を失い、目覚めた時には、ベットの上で寝ていた

 真希は目を覚まし、周りを見る。隣では兄が寝ていた

 そしてベットから離れたところに一人の青年が椅子に座りながら寝ていた

 金髪の長髪、すらっとした体型、女性のような美しさがあり、オーラというか、どこか神々しい

 青年は目をハッと覚まし、真希に笑顔を向ける

 そして彼は前田と名乗り、この世界の説明をしてくれた

 今いる場所は地の都で、王都のある建物の中だと言うこと

 二人は転生しており、元いた世界とは違うと言うこと


 前田の説明が終わった後、二人は斎藤のもとに案内した

 真希達は部屋を出て、フロアに向かう、その際、人がたくさんいた


 王宮を目指し歩く、真希の兄は目をキラキラさせていた

 二人は前田によって斎藤の元まで案内される


 斎藤が二人を見て今後について話そうとするが、すかさず前田が

「二人はまだ若いんです、いきなりミッションは荷が重過ぎます!!」と声を上げる


 斎藤は前田が面倒を見ろと提案


 三人はパーティーを組み、斎藤からミッションが与えられる


 前田はまず二人の特質を確かめるべく、訓練をした


 最初に特質に目覚めたのは、真希の兄であった

 筋力を増強させ、身長を自由に変えられる能力


 真希の兄はノリノリで訓練に励む


 そして、数週間の時を得て、ようやく、真希の特質が発動する


 その能力は、魔法を無効化し、サイズを自由に変えられる棍棒を出せる能力であった


 真希がお腹に手を置くと、闇が広がり、そこから暗黒の棍棒を出すことができた


 しかし、真希には決定的な弱点があった

 それは、棍棒が重くて振るうことができない

 どれだけトレーニングしても、持つことが限界で、横に振るうことはできなかった


 前田は真希を励まし続けた


 そこから一年が過ぎた

 ある日、事件が起こる、、


 ミッション中に転生者が3人死んでしまった


 高難易度ダンジョンで全滅してしまったのだ


 そしてその死亡した日に、新たな転生者が3人現れた


 世界の常識が変わった、密かに言われていた

 転生者は入れ替わり制だと、

 今宵、それが証明された


 斎藤は、国の繁栄のため、弱い転生を排除することに決めた


 その話は前田の耳にも伝わる


 前田はすぐに対策を立てようとした

 転生者達を説得して、皆で逃げようと提案


 皆は前田に賛同した

 

 前田は『転の大陸』に転送石を置き、大移動を決意する


 決行日の夜、斎藤に見つかってしまった


 大魔法陣の上に立つ、数百の転生者


 ニヤリと笑い、皆殺しにしようと襲いかかる斎藤


 真希の兄は正義感強く、一人で立ち向かった

 真希も思わず魔法陣から出てしまう

 一度出てしまうともう一度展開し直さないといけない状況


 前田は、皆を救うと言う名目で、二人に加勢しなかった


 結果、真希の兄は斎藤に殺され、真希1人だけが残ることとなる


 真希は兄を失い、大好きな人に裏切られたと感じてしまう


 一人残った真希は、一人ぼっちでミッションをこなしていた


 なんとか生き延び、ボロボロで生還する毎日


 全てが嫌になった真希は、隙を見て逃げ出した


 最初のように森に戻り、飢えを凌ぐために野草を食べる


 熱が出て、苦しみの中、ゆっくりと息絶えそうな時、魔人にであった


 彼は、暗黒そのもので、人間を憎み嫌っていた


 人間を憎む真希を気に入り、魔人の力を与えた


 魔人になった副作用で過去の記憶がだんだん薄れていく

 真希の頭には人間に対する憎悪だけが残った


 真希は人間の殺戮を繰り返し、次第に快感すら覚えていった


 


 そして現在、、



 シュィィィン!!!


 ドォォォォン!!!!


 眩い閃光が真希の前に現れる


 砂埃が舞い、次第に落ち着く


 真希は血の匂いを感じた。生きてるとわかり震えながら目を開けると、


「!?」


 真希の目の前には、前田がいた。田中の正拳突きを腹で受け止める

 田中の拳は前田の腹を貫通していた


「ブハッぁ」

 前田は血反吐を吐き、その場で倒れ込む


「ま、前田!前田!!」

 真希は必死に体を捩らせ、前田に近づく


「前田さん、どうして、ですか…」

 田中はその場で倒れ、呼吸が浅くなっていく



「まえだ!まえだ!!」

 真希が前田のお腹を抑える。溢れる血を止血しようとしていた


「や、やっとみつけた、ごめんなさい 真希さん…わ、私が…私のせいで……」

 真希の手を握り、涙を流す


 そして、息を引き取った

 

 「言いたいこと、たくさんあるのぉ、死なないでよぉ、許すから! 死なないでよぉ!」

 真希の心はどうすればいいかわからず、前田の死体に顔をうずくめて肩を揺らし続けた


 


 


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