45話 怒り
45話
2人の魔人が現れた
1人はクレイン以上の巨漢で、重装な鎧を見に纏っている
その鎧は黒く、武器は持っていない
拳を握り、構えを取らずにこちらを見ている
もう1人は少女のようで、真っ黒なドレスに、赤色の瞳、黒色の髪は長く、艶がある
衣装も相まって人形のようだ
「私たちはね、君が背負っている彼に用があってきたの、大人しく渡してくれたら、今回は見逃してあげるよぉ」
魔人の少女が不気味な笑みを浮かべ、岡本が担いでいる、彼(田中)に指を刺した
堺たちの視線が岡本に集まる
「タイガくん、彼を任せて良いかな」
「はっ!俺も戦うし!」
「わ、私も加勢します」
「今回は僕に任せてほしい、彼を連れて王都に戻ってくれないかな」
岡本は転送石をタイガに渡そうとしたが、
「誰が魔人目の前にして帰るかよ!!」
「ねぇ、まだ?」
声を荒げるタイガ、それを見かねた魔人の少女が、暗黒の棍棒を振り下ろし、攻撃を仕掛ける
砕け散る地面、堺たちは散り散りに吹き飛ばされた
「はじめて、いいんだな」
重装の魔人がクレインたちに近づく、
ドン、ドン、と歩き、微かながらに地面が揺れる
「セラ!こいつを頼む!!」
「わかったわ!」
クレインが背負っている男性を投げる
セラがタイトをバリアで包み、宙に浮かせた
「い、いってぇ、、」
堺は周りを見渡した
スライムの上に乗っているマリナ、緑色に目を光らせ、一点を凝視するタイガ
そして、獣人と化した岡本が、魔人の振り下ろされた棍棒を受け止めている
歯を食いしばり、銀色の毛を逆立て、赤色に輝く瞳で、彼女を睨みつける
「あはっ!止められちゃった!」
「タイガくん!!」
岡本が叫ぶ、と、魔人の体がガチっ!と固まる
「あれ?」
放心状態の彼女に対して岡本が力任せに殴り飛ばした
ズドドドドォォン!!
「なんだ!!」
「なに!?」
クレイン達の横を、魔人の少女が勢いよく吹き飛んでいく
「クレイン前!!」
クレインに迫る鎧の魔人の攻撃を、セラがバリアで防いだ
「ゔっ、おもっ!」
「助かったぞ、セラぁ!!」
すかさずクレインが反撃、魔人の顔めがけて拳を放つ
ドォン!
魔人の首が、勢いよく曲がる
「人間にしては、良い、打撃だ」
重装の魔人は無傷であった
「タイガくん!ナイスサポート!」
「うっせー!前みろ!」
岡本の言葉に顔を赤くするタイガ
それを見て微笑むマリナ
堺は杖を握って、周りを確認する
(まだ生きてるって!やばいって!やったかみたいな雰囲気出さないでよ!)
「サッカイ君、まだ彼女は生きてるだろうから、彼を任せても良いかな」
「え、あ、は、はい!」
堺はタイガから彼、(田中)を引き取り、杖を構えて周りを警戒する
(全裸、、やば、マリナちゃんめっちゃ恥ずかしそうな顔してるし、流石に、でもすごい、魔力というか……て、てか死んでない!!??)
「…… あ、そうだ!」
堺はゴブリンを6体召喚させ、田中を持ってもらった
「え、わたしと同じ、召喚魔法」
「サッカイ君!これが君の能力なんだね!」
「早く出しとけよ」
「あ、え、そうです、、えっ…」
3人から話しかけられ、気まずくなっている、と、、
空が真っ暗になった
「みんな!逃げっ!!」
岡本の声が聞こえ、
「っ、、な、なんだ」
目を開けると、魔人が目の前にいた
少女の魔人が、仰向けになっている堺の横でしゃがんでいる
顔を覗き込み、ニッと笑った
「あ、ぁ、あっっ」
(あ、あれ、呼吸が、声が出ない、苦しい、息が...)
「アンドレに助けてもらったんだよぉ〜、感謝しないとねぇ」
意識が遠のきそうな堺の髪を掴み、周りを見させる魔人
「あ゙、あ゙ぁ、、」
堺の近くには、ぐちゃぐちゃになった
タイガとマリナの死体があった
ペシャンコになっており、原型がなく、服や持っている本から彼らだとわかった
岡本は両腕、両足が変な方向に曲がっており、顎が外れた状態で息絶えている
クレインやセラも同じくペシャンコになっていた
(あ、あれ、体が動かない…)
堺は目線を下に向けた
胸から下が、ない
目線の先には血溜まりがあり、それが欠損した部分なのだと分かった
「今は〜わたしの魔力でなんとかしてるけどぉ、もうそれも長く持たないよぉ、ねぇ、どうする?死にたくない?君、面白い魔法もってるよねぇ?、仲間になってくれたら、助けてあげるよぉ、どうするぅ?」
堺の薄れる意識に熱さが戻る
最後の力を振り絞り、かすれた声で答えた
「しぃ、し ね、、」
「ふ〜ん、なるほど、すごいねぇ、きみ、でも仲間にならないならいっか、」
堺の髪を持った手が離され、ドサッと地面に落ちる
痛みは何故か感じない、ただ、ひんやりとした地面がどこか気持ちよかった
「みんな逃げっ!!」
爆風が広がる、地面が揺れ、頭が軽くなり、気が遠くなる、これが死ぬということなのか、
「はぁっ!!??」
目が覚めた岡本は、膝立ちをしていた
「タイガくん!マリナちゃっ!!」
動こうとしたが、動けない、体に走る激痛でおかしくなりそうだ
「あ、、、」
足が折れている、骨が飛び出しており、血溜まりになっていた
腕は特にひどく、皮一枚で繋がっているかのようにプランプランと揺れていた
「いだっ、いたいっ!!」
鼻を啜り、唇を噛み締めて痛みに耐える、なんとか周りを確認すると
「た、タイガく、マリ…」
原型を留めていない2人の死体を見てしまった
「ゆ、夢だ、夢だ、これは夢だ、夢だぁぁ!!!!」
「あれぇ〜、生きてたんだ〜、すごーい」
棍棒を引きずりながら、魔人の少女が近づいてくる
「夢だ、これは夢だ、覚めればきっと、皆んないてくれる、夢なんだ」
「ん〜?夢ではないんだけどね〜、まぁいっか!!」
少女はは岡本の顎を掴み、ガゴッと広げて、岡本の顎を外した
「いあ゙!いあ゙ぁ!」
(苦しい、なんで、、あぁ、約束、何一つ守れなかったな…)
岡本は涙を流し、ゆっくりと息絶えるのであった




