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4話 死に戻り

4話

「シュベルツさん、、助けて、、助けてよ!!!」 

 容赦なく一斉に飛びかかる6人のゴブリン

 それぞれはナイフや棍棒などを持っていた

 グサりと肩に痛みが走る、途端に全身に痛みが走り、引きずり回された

「いやぁ!!ぁ!!いだぁい!いだぁい!!」

 絶望の中、何もできずに叫び続けた

 死にたくないという思いが、堺の叫び声をより大きくする

身体中からバキッ!ボキッ!グチャッ!という音が聞こえ続ける

 ゴブリン達はケケッ、キィキィ!っと笑いながら堺の体を切り刻み、えぐり、殴り続けている

 堺があまりにも騒ぐ反応が面白いのだ

 だんだんと鮮やかな森林が真っ赤に染まっていく

 堺は体から痛みがなくなり、動ける体力と叫ぶ体力がなくなっていた、その代わりに意識だけは何故かそこにある

 すると、ゴブリン達は動けなくなった堺の体をグチャグチャと音を立たせて食べ出した

 (苦しい、苦しい、、死にたくない、死にたくない、、死にたくないよ、、)

 ポロポロと涙をこぼすが、ゴブリンはお構いなしに堺の耳や鼻、口にかぶりつく

 シュイィィン!!

 鋭いナイフ同士を擦りつけたような音が鳴ったかと思うと、堺の周りを囲んでいたゴブリン達が消えていた

 遠のいて行く意識の中、目の前にシュベルツが涙を流しながら膝をついている

「ごめんなさい、ごめんなさい、私が、私が目を離さなければ、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、」

 シュベルツからポタポタと流れる涙が堺の赤く染まった顔にポツポツと当たる

 ぐちゃぐちゃになった顔から流れる涙の温かみを感じながら堺の意識は失われていく、、

 途端に目の前が光に包まれて行った

 、、、、!!

「うぇ、あ、、、??、!!」 

「ここは!!」

 初めに見た広大な草原にギラギラと光る太陽、透き通った美味しい空気

「生きてる!!俺!生きてる!!!」

 生きている喜びに涙を流しながらその場にうずくまった

 数分後、グスングスンとなりながら状況を分析する

「まずは、まずは呼吸だ、とにかく落ち着こう、」

 スゥーハァースゥーハァーとお腹と胸に空気を送る

 次第に気持ちが落ち着いてきた

(これはなんだ、夢ではない、あの時の記憶は鮮明に覚えている、、)

 すかさず口に手を当てた、ゴブリンの笑い声と痛み、憎しみを思い出した為だ

 すると、シュイーンという金属を擦りつけた音が後ろから聞こえ、カチャカチャという馴染みのある鎧の音が聞こえる

「えぇ、生きています、貴方の物語はまだここから始まるのです」

 後ろからた聞いたことのある優しい声、低音で聞き取りやすい

 スッと振り返ると、シュベルツがいた

 長い金髪の髪と真っ白な鎧がなんとも美しい

 (前回はもっと遅かったような、、)

 何で後ろから来るんだろうと思いながらシュベルツに視線を向ける

「私は案内人をしております、シュベルツ マーケリンと申します」

 胸に手を当て軽くお辞儀をする姿、これで2回目だ

 そして、先ほどの息苦しい記憶がジワジワとよみがえる

 助けてくれなかった事を憎みそうになるが、自分が蒔いた種だと思い、グッッと両手の拳を握ってこらえる

 堺は単刀直入に先ほどの出来事を話した

「し、シュベルツさん、実は俺、じゃなくて自分、先ほど死んでいるんです」

 シュベルツは全てを理解したように話す

「えぇ、知ってますよ、貴方は以前いた世界で亡くなった、そしてこの世界に転生されたのです」

 (これはもしかして、、、死に戻りか???)

 堺は無意識に眉間にシワを寄せ、怒った時のような表情をしている

「いや!、そうじゃなくて、この世界でゴブリンに殺されました、そしたら、時間が戻っていました、」

 シュベルツは首を少し傾けて数秒考えた

「死に戻り、、ですか、詳しく聞かせてください」

 ことの経緯を説明する

 村に向かわずに弟子入りを申し込んだ事や、試験内容、そしてゴブリンに殺された事

 シュベルツはうんうんと頷きながら聞いてくれた

 すると、堺の話が終わった後に深々と頭を下げる

「そんな、、本当に申し訳ありませんでした!...そのようなことになってしまうなんて、申し訳ありません、」

 (完全に信じ切っている!?、それに、こんなに深々と謝るなんて、、)

 堺は先ほどのシュベルツに対するドロドロとした感情がだんだんと浄化されていった

「え、あ!頭を上げてください!シュベルツさん!大丈夫です、ので、大丈夫!です、」

 シュベルツは頭を上げる、眉毛がハの字のようになっており、とても悲しんでいた

 それから今後について話し合う2人

 とりあえず村に向かうことになる

 村に向かう前にシュベルツから能力の詳細は隠すようにと要注意された

 シュベルツいわく、特殊な能力のため寿命で亡くなるまで監禁されたり、人体実験をされる可能性があると言う

 堺は震え上がり、「どどどうすれば、」と言う

 シュベルツは「何も言わなければ大丈夫です!」と目力を込めて注意をした

「それでは、さっそくアルテの町に向かいましょうか」

 シュベルツはそういって以前と同じように森林の中に入って行く

 ある程度進んだ所でシュベルツに質問をする

「せ、世界の崩壊とは、いったいどういうことですか??」

 シュベルツはなぜその話を知っているのかと疑問に思ったが、死に戻りをしている事を瞬時に思い出して理解する

 そして、足取りを止めずに話し出した

「今から一年前の話です、古来から伝わる予言の書があるのですが、その本に新たな予言が記述されていました、「創造主が世界を0に戻す、戦争に備えよ」と、しかしながら、日時と内容が不明であり、世界を混乱させないために現在は国家機密になっています」

 シュベルツは淡々と説明している、まるで世間話を話しているようだ

 (国家機密!!??、、シュベルツさんは一体何者なんだ、、)

「こっ国家機密を私に、教えても大丈夫なのですか?」

 歩く足がゆっくりになる、葉っぱや木々の形がより鮮明に感じられた

 シュベルツは後ろを振り返りふふっと笑って答えた

「貴方は信頼できる人です!なので嘘偽りなく話しました、、それとですが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

「えっ、あ!はい、さ、堺 誠です、17歳です、よろしくお願いします!」

 ガチガチの姿勢は以前とあまり変わらなかった、堺は早く人に慣れたいと思っている

 (そっか、自己紹介とかの記憶も無くなるんだっけか、これは大きく過去に戻ってしまえば大変だぞ、、)

 その後は質問や会話はなく黙々と目的地を目指した

 森を抜ける時、シュベルツは堺の横に立ち、右腕を町の方向に向ける

 「さぁ堺さん、着きましたよ、ここがアルテの町です」

 森林を抜けた先にある広大な土地に家々が並んでいる

 とんがった三角形の屋根が特徴的だ

 (改めて建物を見るとやっぱりすごいなぁ、これぞ異世界って感じだ!)

 両手を握りしめて気合を入れる

 シュベルツはふふっと笑った

「では、行きましょうか」

 そういってシュベルツは町の方向に向かっていく

「え!、一緒についてきてくれるんですか??」

 (前回はここでお別れみたいな感じだったけど、今回は違うぞ!)

「はい、よければですが、堺さんの異世界生活をサポートできればと思いまして、」

 シュベルツは真剣だった、死に戻りという能力は使い方によっては無敵になり得る

 しかしながら、使いこなすには人の域を超えた精神力が必要になる、シュベルツは世界の為、堺 誠のために全力で手助けをすると決めていた

 (えー!!ラッキー!!こんなに強そうな人が俺のサポーター!?もう無敵じゃん!魔王でも悪魔でもかかってこいや!)

 ムフフと笑いながら浮かれている堺、その間、シュベルツの目は真剣だった

 堺はシュベルツの目力に圧倒され、すぐ我に帰りゴホンとわざと咳をした

「ぜひともです!よろしくお願いします!シュベルツさん!」

 堺はシュッとお辞儀をする

 あんなに不安だった異世界が今では手の中に収まったような感覚がした

 (これから俺の異世界生活が始まる!!)

 最初の一歩で地面を蹴飛ばしてシュベルツの近くに向かう

 

 

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