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36話 再会

36話 再会

 あい色髪の元気溢れるショートヘアー、ぱっちりとした瞳に、ニッコリとした口元

無邪気で幼い顔つきだが、どこか貫禄がある

 背は低めだが、背中に背負った剣は立派なものであった


 以前と変わらないラルト安心感を抱いてしまった堺は、思わず名前を言いそうになってしまう

 

 「え、え!あ!ラル、!ゴホッ!ゴホン!」

 

 わざと咳き込む堺

 

「大丈夫??」

「あ、だ大丈夫、だよ」

「急に声かけてごめんね、今からクエストにいくのかなって思ったから声かけてみた!」

 ニンマリと笑う顔に悪意は感じられなかった


「え、えっと、今日はクエスト?は、いかなくて、町をみたいなー、って思いました」

「そゆことか!僕、この町詳しいんだけど、案内しようか?いや、案内させて!」

「え、あ、、なら、お願いします…」


 (確かラルトって方向音痴だったよな)


 ラルトのことを思い出そうとした堺、ある出来事が脳裏によぎる


 (魔人!!!、そうだ、そうだ、この後だ!迷って出会って、ラルトも、俺も殺されたんだ、、、)


 眉に力を入れ、険しい顔つきになる堺


「もしかして嫌な思いさせてしまった?それならごめん!」

「い、いや!えっと、、そ、そんなことはないよ」

「ならよかった!よし!冒険者の相棒の一つのといえば武器!ということで、武器屋を紹介するね!ついてきて!」


 そう言ってテクテクと歩き始めるラルト、その後ろを弱々しくついていく堺であった


 自己紹介などを交えながらしばらく歩く


 (やばい!今すぐ帰らないと、このままだと魔人に出会って、皆殺しにされる!!)


 堺の呼吸が荒くなる


「ごめんねサッカイ、確かこの辺なんだけど、、後少しで着くからね!」

「え、あ、はい、」


 (くっそ!!何て切り出せば、そもそもなんて話せばいいのかもわからねぇ!)


 モヤモヤした感情を抱えながら着々と歩みを進めていく


 そして、ラルトが足を止めた


「ついた!ここだよ!」

 

 武器屋とは程遠い、オシャレな木造の建物の前に止まった

 カフェのような落ち着いた雰囲気に、色とりどりな花が丁寧に飾られている


 

「え、あ、ラルト、」

「なんだい?」

「た、多分だけど、ここお花屋さん?だと思う」

「確かに!花多いもんね!でも、この場所にあったはずっ」


 そう言いながらラルトは勢いよく扉を開けた

 「おっちゃん!まだやってる??」

 

「あんたね…おばちゃんと言うならまだしも、おっちゃんって何よ!!」

 明らかに女性の人が部屋の奥で座っていた

 髪型はロングで薄緑色、服装は白色のドレスを着ている

 優しそうな目は怒りに満ちていた

 

「今日もおっちゃん呼ばわりして、許さないんだから!」

 彼女の周りの草や花がうねうねと動き出し、花の中央がギザギザの歯をはやして、ガジガジと音をたてている

 周りに飾ってある植物は、くきがトゲトゲになり、鞭のようにしなっている


「ごめんよ!悪気はなかったんだ!」

「何度も何度も間違えるわけないでしょ!?この嘘つき!!」


 ビュン!と鞭のような攻撃がラルトを襲う


「うわ!!危ないよ!ごめんサッカイ!ちょっと逃げるね!」


 そう言って一瞬にして姿をくらませたラルトであった


「え、え、、あ、ごめんなさい!!」

 堺は震えながら膝をついて謝った


「ふう、なんであんたが謝んのよ、」

「あ、え、いや、すいません…」

「いいのよ、えー、貴方はラルトの知り合いさん?」

「あ、はい、、いや!知り合い、、?う、うーん」

「別に知り合いだからって怒ったりしないわよ」

「え、な、なら、知り合いです…」

「ならって何よ」

 彼女はふっと笑みを浮かべ、顔に穏やかさが戻っていく

「私はフラン・リアナ、ここでお花屋さんを営んでいるわ、それとポーションの調合もしてるの、よかったら見ていって」

「あ、はい、ありがとうございます…じ!自分は、サッカイです、」

「よろしくね、そういえば、サッカイ達はどこいく予定だったの?」

「え、あ、武器屋にいく予定で、ラルトがしってるって、それで、でも、間違えて、す、すいません」

「そうだったの、彼ほんとうに間違ってたのね、それにしては間違えすぎだけど、、えー、そう、武器屋はね、この先の道をまっすぐ進んだところにあるの、扉に剣が飾られているから、見たらわかると思うわ」

「な、何から何まですいません、」

「別に大したことはしてないわよ、そうね、、なら、これあげるわ」


 そう言ってオロナミンCくらいの瓶を渡してくれた

 その中には緑色に淡くひかる液体が入っている


「え、、あ、ありがとうございます」

「いいのよ、冒険に回復薬は必須、今後必要になったらいつでも来てね」


 ニコッと笑うフランにドキッとした堺であった


 堺は店を出て、夜道を不安げに歩いていく

 だんだんと住宅街から離れ、灯りが少なくなってきた


「お、あれかな?」

 数分ほど歩くと、一つの建物が見えてきた

 年季の入った木造の建物

 シンプルな作りだが、扉には確かに剣がかけられてある


「こ、ここだよな、」

 ドアノブに手を回す

 カチャカチャ


「開かないか、仕方ないよな」


 堺は店を後にして、さらに道を進んでいく


 回復薬の瓶を握る手に汗が滴る


「どうしよう、引き返そうかな、怖い、怖いよ〜、ラルト〜、おーい、ラルト〜」


 月あかりを頼りに少しずつ進んでいく


「この先は、森だよな、、、」

 (いや!無理無理無理!!!そもそもラルトがこの先にいるかもわからないではないか、そうだ!町にいるかもしれない、そうだそうに違いない)


 ふぅ、と一息ついて帰ろうとした時、、


 ギィィン!!

 ドォォン!!

 ドドン!!!!


 森の奥から衝撃音が聞こえてきた


「!!??」

 (ま、魔人だ、絶対あいつだ、、)

「む、むりだ、無理だ無理だ!」


「………………」

 

 堺は上を向き、月を眺めた


 (このまま逃げたらラルトは死ぬ、死ぬんだ、でも、俺は死なない、死なないんだ、なら、助けにっ)


 しかし、足がすくむ、向かえば必ず死ぬ、そんな恐怖に立ち向かえるほど堺は強くなかった


「強くなるなんて、無理だ、無理だよ、、」


 膝をつき唇を噛み締める、涙が溢れてどうしようもなくなる


「くそ!くそぉ!!くそったれぇ!!!!」


 恐怖、悔しさ、怒りで感情がぐちゃぐちゃになる

 その勢いでタカが外れ、


「ゔぁあああ!!!」


 堺は踏み出した、もう訳もわからずただひたすら目の前を走り続けた


 喉が枯れるほど叫び続け、森林を駆け抜ける


 ズサっ!!


 思わず転んでしまう

 ゆっくりと顔を上げると、草原に出たことがわかった

 少し目線を上げると、目の前に何かが転がっている


 かつらのように見えたそれは、ラルトの頭であった

 下顎から先がない


 思わず周りを見渡すと、ぐちゃぐちゃに損壊した体が、あちらこちらに散らばっている


「あ〜あ〜、見つかっちゃった」

「とりあえず殺そうかな」


 少し先に黒のドレスをまとったいる赤目の少女がいた

 モグモグと何かを食べており、ゴクリとそれを飲み込む、不気味に口角を上げて、こちらに近づいてくる


 ズルルルと巨大な棍棒を引きずり、ゆっくりとこちらに向かってくる


 目の前に来た時、ヒョイっと棍棒を持ち上げた


 堺は恐怖に怯えながら、彼女を睨みつける


「なかなか肝がすわってるね〜、えらいえらい」


 瞬間、目の前が真っ暗に染まる

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