28話 日常
28話
門を潜り抜けると、広大な草原が広がっていた
所々に木が生えており、爽やかな空気が4人の間を通り抜ける
湖があり、川が流れている
水面にはカモのような鳥たちが気持ちよさそうに泳いでいた
その他にも牛や羊、ヤギがおり、草を食べてゆったりとしている
遠くを見渡すと川に沿って水車が置いてあり、その横には家が建っている
そんな感じの家や、草原の中に家がちょこちょこと建っている
家の近くには田んぼがあり、人が鎌を持って耕していた
「やっほー!!」
ラルトが叫んだ
「帰ってくるのか?」
タイトがどうだろうと様子を伺う
「空気が美味しいわね、、」
髪を耳にかけながらリュロがボソッと呟く
「綺麗…」
ロアもまた、ボソッと呟いた
四人は門を出て、その先を進む
門から先は石造りのまっすぐとした道になっており、横幅が八メートルくらいだ
先は長く、三キロメートルほど石の道が続いている
ラルトが思わず走り、タイトが追いかける
リュロは「やれやれね」と笑い
ロアもクスリと笑った
リュロとロアが第二の門に着く、そこにも兵士がおり、ラルトとタイトは手続きが既に済んでいた
「あ、遅い〜」
「おめーが早すぎるんだよ」
兵士はリュロとロアを一目見ると、そばのテントにある水晶を持ってくる
二人は手をかざすと、しばらくして、門を通って良いと言われる
「この中が町!?」
ラルトが待ちきれんばかりにタイトに聞く
「あぁ、この先だ!」
「早く宿で休みたいわ」
「……」
兵士は閉ざされた扉の隣にある金属のレバーをガチャリと引いた
すると、次第に地面を擦りながら重たい石造りの扉が開いていく
門が完全に開かれると、その先には中世のような街並みが広がっている
一同は門を潜り抜ける
第二の壁は円形になっている
壁から20メートル先には建物がたっておらず、ぐるっーと歩いて一周できる造りになっていた
「凄いね!走って一周したらどれくらいかかるんだろう?」
「そうだなぁ、噂によると1日かかるとか掛からないとか、、ちなみに歩く場合でだ」
「1日!?ちょっと確かめてみる!」
「ラルト!迷子になったらおいていくんだからね?」
リュロの言葉にラルトがギクっと肩を振るわせ、いきたい気持ちをグッと堪えた
ロアはそんなラルトを見て犬みたいで可愛い、と心の中で思っていた
「さーて、とりあえず中央ギルドに行けば良いみたいだから、言ってみるか」
四人はギルドを目指して街中を歩く
街並みは大通りの道がまっすぐ続いており、その左右に建物が並んでいる造りになっている
周りでは子供が無邪気に駆け回り、ボールを使って遊んだりしていた
歩くたびにいい匂いが立ち込んでくる
肉料理やパン、パスタなどの店が並んでいた
中央に進むにつれて活気が増していく、テントを張って食材や武器、魔法石などを売っている商人が沢山いる
タイトはラルトにパンを買ってあげた
非常に喜んでおり、一瞬で平らげてしまう
しばらく進むと、右手側に大きな建物が見えてくる
その建物は木造で、他の建物がカラフルなのに対し、茶色でツルッとした造りになっている
現代でいう神社のような感じだ
「ここだな、」
「なんか、かっこいいね!」
「この建物は転生者が考案したものなのよ」
自慢げにリュロが言う
「なるほど」と感心する3人
一息置いて、タイトがギルドの両扉を開ける
しっかり握り、緊張した様子で扉を押した
開けた扉の先には広々とした空間が目に飛び込む
扉からまっすぐ続く大きなカーペットが正面の受付まで伸びている
左側には食事ができる場所があり、長方形の机とベンチのような長い椅子がたくさん置かれていた
そして右側にはオシャレなバーがあり、こちらのテーブルは4人用や2人用といった物が多くある
左側と右側の雰囲気は天と地ほどの差があり、左側ではゴツい兵士などがワイワイと酒を飲んで肉を食らっている
一方、右側では軽装を纏った兵士がゆったりとお酒を楽しんでいた
人の笑い声や話し声、泣いたり怒ったりといった感情までもがこの空間に密集していた
「みんな楽しそうだね!!」
「そう、だな!」
タイトは泣き崩れている人を見てしまい調子が狂っていた
「野蛮ね、ロア、離れないように」
リュロがロアの手を握る
「うん...」
その手をぎゅっと握り返すロアであった
四人は所々にシミがあるカーペットを歩き、中央の受付に向かう
途中、兵士がこちらをじっと見てきた
胸元のボタンを一目見ると、また楽しそうに会話を始めた
四人は受付の前にたどり着く、メルディア学園のように仕切りがあり、その向こうに受付嬢が座っていた
タイト達の先には先客が二グループおり、少し待つと、
「お待たせいたしました!あ、メルディア学園の生徒さんですね!!遠路はるばるご苦労様です!」
「えーっと、リザードマンのクエストを受けにきたんですが」
「リザードマンですね!ただ今確認いたしますので、こちらに手をかざしてください!」
タイトがスッと彼女の横にある水晶に触れると、
「確認いたしました!こちらがリザードマンが目撃された場所の地図になります!」
「それとですが、今日から1週間、タイト様とそのお連れの方々はギルド内の宿を無料でご利用できますが、宿泊はこちらでよろしかったたですか?」
なんということだ、馬車に宿まで至れり尽くせりだ
「宿もか、さすがメルディア学園だぜ、、」
タイトは宿を用意してもらうことを承諾し、部屋の鍵を二つもらった
「よーし、今日は解散!すぐに寝て、明日の早朝に討伐開始だ!」
「おー!!」
「お、おー」
「なーんであんたが仕切ってんのよ」
四人は二階にある宿に向かった
部屋は二つ貸してもらえた為、リュロとロア、タイトとラルトのペアで寝泊まりをすることになった
部屋の中に入るとベットが二つあり、その中心に机が一つ置いてある
風呂はというと、なんと三階に大浴場があると受付嬢から教えてもらい、リュロがロアを連れて真っ先に向かったのであった
ラルトとタイトも風呂に入った後は四人で食事をした
ゴロっとした分厚いジューシーな肉料理に、煮付けの魚料理と炭酸系のジュースが机に並ぶ
四人は美味しそうに平らげる
その間、ラルトとタイトがたわいもない会話をする、そこにリュロがツッコミ、思わずロアが笑い、それを見た三人にも笑いがあふれる、そんな楽しい時間が流れていった
あの日までは




