表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/77

24話 ブロンズ

24話

「認めろ、お主の負けだ」

 ナックル校長に告げられた言葉に対して、彼は何か言いたそうに黙っている


 ラルトとタイトは初めて見るナックルの姿に息が詰まっていた

 立ち振る舞いは普通なのだが、全身に包帯を巻いて、痛々しい


 ラルトがナックル校長について話しかけようとするが、タイミング悪く、彼が先に話し出す

 

「で、でも、あいつっ、、ではなくて、ラルトも許可しているわけですから、」


「勝負がついてしまった後ではどうすることもできんのが決闘のルールだ、」


 彼は黙り込み、悔しそうに下を向いた


「さて、ラルトとタイトよ、よくぞ勝利を得た!」

「晴れて2人ともブロンズランクに進級だ」


「ブロンズランク??」

 ラルトが頭を傾げると、


「おぃ!授業聞いてなさすぎだろ!ブロンズランクってのはな、見習いクラスの上のランクで、さっき俺たちが倒した人がいるところだ」


「なるほど!つまり、もっと強くなれるってこと!?」


「あ、うん、そうだな」


 タイトは呑気なラルトが少し心配であった


「はっはっは、元気があっていいことだ、明日からはブロンズランクでの授業や今後の説明もあるからよく聞いておくように」


 2人は「はい!」と返事をすると、ナックル校長は満足そうにフィールドの奥に歩いて行った


「ねぇ?タイト、あのおじさんは誰なの?」


「おまっ、静かに!あの人はこの学園の校長だぞ、おじさんとか聞こえてみろ、俺たちも退学にさせられるぞ!」


 すかさずラルトの口を押さえる、これ以上いらないことを言わせないようにする為だ

 

 すると、ムニュっとなっているラルトがモゴモゴと何か言いたそうにしている


「ぷはっ!ってことはこの学園で1番強いのかな?」


「そうだな~、1番かはわからないが...あ、ここだけの話だぞ」


 ラルトがコクンと首を倒すとタイトが話し始める


「この前の転生者の騒動あっただろ?、あの時にナックル校長が転生者とタイマンをはったらしい、勝敗はよくわかっていないが、人間がアレとやり合えるだけですげー強いってのはわかる」


「転生者と!?凄いね!!僕も戦ってみたいな~、どれくらい強いんだろう...」


「ちょっ、転生者って大きい声で言うな」

 コソコソっとタイトが伝える


「あ、ごめんごめん」

 えへへと笑い、これからの未来に胸が躍るラルトであった

 偉大な剣士になるために、もっと強くなって多くの人を救える存在になるんだと、より志すのであった


 すると、後ろから足音が聞こえてくる


「2人ともよく頑張った」


 タイトとラルトが振り返ると、ジョン先生と生徒一同がいた


「お前たちすげーよ!!ほんと感動したぜ!」

「タイトくんお疲れ様!ナイスタンクだったよ!」

「ラルトあれ作戦ってほんとか?ひよってたようにしか見えないぞ」

「でも、気づかれずに忍び寄るなんてすごい!あっという間だったもんね」


 生徒一同はラルトとタイト、特にタイトを讃えていた


 2人は生徒達の拍手に包まれながら顔を赤くして照れている

 

「ゴホン、今日は2人とも疲れただろ、授業はいいから帰って休め」


「マジか!」

「やったー!」


 2人は顔を見つめて笑顔になる


「それと、これを」


 ジョン先生が緑色の液体が入ったビンを見せる

 2人はそれが回復薬だと分かり、ゴクゴクと飲み干した


「プハーっ、疲れた体にはこれだな!」

「うん!しみるね!」


「よし、なら、他の生徒は授業だ、先ほどの教室に戻っておけー」


 生徒達は「えーもう~?」や「2人とも頑張れよ!」などと言いながら教室に向かって行く


 生徒達がフィールドから出たことを確認するとジョン先生が一息付き、話し出す

 

「ふー、騒がしい奴らだ、」

 

「改めて、2人ともブロンズランクへの進級おめでとう、これからの成長を楽しみにしているぞ」

 

「はい、頑張ります!」

「うっす!もっと強くなります!」


 2人は元気よく返事をした、先生は「よし!」と気合を受け止め、今後について話し出す


「ブロンズランクに進級したら、というより、ランクが上がるごとに寮がグレードアップしていくんだが、」

「今日泊まる寮はどうする?」


「もちろんグレードアップした寮で!」

「俺もそれで頼みます!」

 

「わかった、ならついて来い、」

 そう言って先生が歩き出す


「あ、それとブロンズランクのお前、ずっとそこにおられると鍵閉められないから、一緒に出てもらえるか?」


 放心状態の彼にジョン先生が話しかける


 タイトが気を使って、ラルトに出るように声をかける


「2人とも、入り口のフロアで待っててくれ」


 分かりました!とタイトが言い、ラルトがブロンズの彼に何か言う前にせっせと誘導する


 ラルトが彼に対して悪気のない慰めのような事を言うんだろうとタイトは予測しており、それが煽りと捉えられてしまうことを恐れているのだ


「なぁ!ラルト、新しい寮、楽しみだなぁ!」

「うん!!ベットフカフカだったらいいね!」


 2人は楽しそうに会話をしながら出入り口を目指す


 ラルトとタイトがフィールドからいなくなったことを確認してジョン先生が彼に話しかける


「お前は強い、俺が認める、ただ精神面が弱い、それは認めろ、でなければこれ以上の成長はない」

「教師として、今後の活躍を期待している」


「くそぉ、くそぉ!!!」

 

 彼は悔しみの涙を浮かべた

 地面を叩き、後悔の念に押しつぶされている


「安心しろ、お前は強い、ブロンズランクにいるのが嘘みたいだ、」

 (にしてもあの2人、特にラルト、実力を出し切っていないな、どこまでいくのか楽しみだ)

 ジョン先生はラルトの強さに気づいており、これからの成長に内心ワクワクしていた

 

 ――――


 一方ラルトとタイトが出入り口にて


 2人はフロアの中心にある椅子に座って話している


 周りではワイワイと生徒が行き交い、まるで祭りのようだ

 

「そういえば、妹さんどうしたの?」


「あー、ティーナか、どうしてんだろうな、まぁ、上手くやってることを願うばかりだ」


「この学園広いもんねー、見つけるのも一苦労だよ」


「あ、サッカイはどうした?出会ったか?」


「それがいなくて、この前の騒動に巻き込まれてなければいいけど、、」

「あのボロボロの子にも会ってないし、大丈夫なのかな?」


「どうなんだろうな、まぁ、もしかしたらブロンズランクにみんないるかも知れねーな」


「そうかもね!それだったらみんなでチーム組みたい!」


「それいいな!!」


 ラルトとタイトはテンションが上がり、今後が楽しみで仕方なくなっていた


「2人ともお待たせ、ここ騒がしいからちょっと外で話そう」


「ふぅー、開放的だな、このまま帰りたい…」


 空を見上げるジョン先生を見てタイトが困った顔をしていると、

 

「あー、すまんすまん、これが鍵だ」


「おー!」

 ラルトが目を光らせる


 その鍵は茶色にピカピカと光っている

 現代でいう新しい10円玉のような輝きだ

 

「部屋の番号がそのくっついている板に書いてある」

「あと、その鍵たけーからなくすなよ」


 2人は「はい!」と返事をしてポケットにしまう


「よし、明日からは聞いているとおり、ブロンズランクでの授業を受けてもらう、説明とか俺が担当することなったから正面の出入り口に7時集合だ、遅れたら見習いクラスに逆戻りだから気をつけろー」


「えー!逆戻り!?」

「マジか!!」


「まぁ、冗談だが、上のランクに行くって事はいろいろと責任が伴う、それくらいは当たり前に守れ、いいな?」


 はい!と返事を聞いた先生は解散!と言い、2人はブロンズランクの寮へと向かう


「言い忘れてた、寮は右側にあるあの長い建物だ、大きいから間違える事はないだろう」


 2人は先生にお辞儀をしてさっそく向かう

 5分ほど歩くとその建物の前についた


 横に長く、現代でいう小学校のような形だ

 左右にある出入り口の左側から建物内に入る


「おー!!ピッカピカ!」

「以前とは外装も内装も綺麗さが違うな!」


 床や壁が大理石のような作りで、扉は金属質だ

天井には蛍光灯のような光が灯っている

 廊下の中央には螺旋階段があり、上の階に行けるが、ラルトとタイトの部屋は一階であった

 ラルトとの部屋は出入り口の近くにあり、その横にタイトの部屋がある


「となりだね!」

「だな!」

 2人は自然と笑顔になる

 死闘のような決闘を終え、以前より絆が高まり、互いに信頼し合っていた


 ガチャっと鍵を差し込む、グルッとドアノブを開けると、部屋に自動で光が灯った


「おぉー!凄いね!」

 ラルトが感心をする


 部屋の形は長方形だ

 床や壁には板が貼ってあり、平凡な作りに見えるが、そこが落ち着く

 家具としては、純白のベットが一つに、作業がしやすいような長方形の机とクッション付きの椅子

 奥には窓があり、出入り口の右側には扉があってシャワールームになっている

 窓の上には電子時計のようなものがあり、時間がわかるようになっている

 広さにして7畳ほどである


「うわー!!だいぶ変わるー!!」

 ラルトは幸せそうにベットにダイブする


「フカフカ~、きもちー、、、」


 そのまま眠りについてしまう

 期待と希望を胸に、偉大な剣士への道のりを駆け上がっていくのであった

 

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ