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2話 シュベルツとの出会い

2話

「う、うぇ、ぁ」 

 ハァ、ハァ、と呼吸する音が聞こえる

 (これは、、俺の呼吸だ)

 だんだんと目が慣れてきた、キラキラと輝く草原に横たわっている

 (服装は、、同じか、、)

 茶色のパーカーに黒の長ズボン、靴は真っ黒のスニーカーだ

 別にこれといった柄も特徴もない

 (来たのか、来てしまったのか!)

 異世界にきてまず最初に感じたのは空気がすごく美味しい、呼吸をしているだけで心地よい気持ちにしてくれる

 体を起こしてその場に立ってみた

 目の前に広がるのは広大な草原、足首ほどの高さの草がずーっと奥まで続いている

「ヤッホーー!!!!」

 遠くに巨大な山々があったのと、異世界に対するワクワク感が爆発して思わず叫んでしまった

 アハハと笑いながら駆け出す、ふわふわとしたツヤのある草が転けても痛くないことを教えてくれる

 10分くらい走ると、だんだんと体力の限界が迫ってきた為、草のベットにダイブする

 あお向けの状態で大の字になり、日光浴を楽しむ

 「雲ひとつない天気!!ギラギラとひかる太陽!!広大な大地!!最高だ!!」

 スゥ~ハァ~と呼吸を繰り返しながら大自然を満喫する

 (てか、誰もいないなぁ、、、え、誰もいない、、)

「やばい!!どうしよ!!」

 その場から飛び起き、辺りを見回す

 人が1人もいないことで不安に駆られてしまう

「何か、何かないのか、、」

 シュィィーン!!

 鋭い金属同士をゆっくりと擦り付けた時のような音が堺の真後ろで聞こえる

 何事かと思い、勢いよく振り向く

 そこに立っていたのは長身の男性、髪は長く顔立ちは女性のような美しさがある

 全体的に真っ白な鎧を身につけており、所々に金色の模様が入っている

「えっ!、あ、貴方は誰?ですか?」

 相手の目線を避けながら話す

「私は転生者の案内人をしております、シュベルツ マーケリンと申します」

 胸に手を当て軽くお辞儀をする

 堺は直感で敵意がないことを感じ、不安から少し解放された

「あ、案内人???でしたか!俺、じゃなくて、自分は堺 誠です、よろしくお願いします」

 壊れたロボットのようなお辞儀を披露してしまう

「よろしくお願いしますね、堺さん」

 シュベルツはキラーンと笑顔を見せる

 堺は緊張によって少し丸まった背中を前に押すようにして軽くお辞儀をした

「今から堺さんをアルテの町にご案内します、ここから歩いて30分ほどかかる場所にあります」

 (アルテ、?始まりの町的な?、とにかく好都合!)

 うっし!と小さく呟き心の中でガッツポーズを取る

 (なんとかなる!なんとかなるぞ!!)

「うっし、?、では、早速向かいます、ついてきてください」

 そういってシュベルツは町に向かって歩き出す

 キラキラと光るまっしろな鎧から、カチャカチャという音が鳴りながら

 しばらく草原を歩いていると、森林が見えてきた

 シュベルツは周りを見渡すことなく入っていく、定期的に人が行き来している跡が道のようになっているため進みやすい

 堺は虫がいないかとビクビクしながらシュベルツについて行く

 10分くらい歩いたところだろうか、この世界について色々質問したいなと思う

 (あー、やべーな、今が質問のチャンスなのに、なんて話しかければ良いのかぜっぜんわかんねぇ!)

 目線をチラチラとシュベルツに向ける

 シュベルツは堺の視線に気付いたのか、ふふっと笑いこちらをチラリと見てまた前を向く

 そして、ひと呼吸おいて話し出した

「この世界は崩壊の危機を迎えている、、転生者はその崩壊を救うことができると昔から言い伝えられています」

 シュベルツが話し出したため、堺の体がピクッと震える、すぐさま先ほどの話をだんだと理解する

 (ってことは俺勇者!!??ハーレム作って、、無双して、、)

 堺はムフフと声を漏らし、妄想が膨らみ意識がどこかに行きかけている

「ですので、堺さんには世界の崩壊に備えて強くなっていただきたい、もしこの世界で堕落した生活を送るのであれば、存在価値はないと思いなさい」

 浮かれている堺は一瞬で現実に戻される、歩く足をいったん止めてしまった、すぐさま早歩きで先ほどの距離を保つ

「は、はい、頑張ります、、」

 先ほどまで調子にのって燃えていた心の炎は、ぬるく弱々しくなってしまう

「アハハ、ビビらせてしまい申し訳ありません、先ほどの発言は国のお偉いさんの考えです、私の想いとしてはこの世界を是非とも楽しんでほしい、ただそれだけです」

 ニヤリと笑いながら堺ををチラリと見る、その後すぐに爽やか笑顔に切り替わった

「え、はい、わかりました、」

 ボソボソと小さい声で答える

 (一体何者なんだよぉ、、、)

 沈黙が続き、木々が開けた場所に出た、街は草原の中心にある

「さあ、見てください、街が見えてきましたよ」

 シュベルツは街の方角を爽やかな笑顔で見つめている

「おー!これが異世界の町!」

 (早く探索したいなぁー)

 目をキラキラさせながら街の様子を伺っていると、シュベルツがふふっと笑う

「私の役目はここまでです、これからの冒険を楽しんでくださいね」

 (相変わらず良い笑顔だなぁ、)

 ここで思わぬ考えが浮かぶ

 (この人についていきたいな、シュベルツさんの弟子入りとかできないかな?そもそも冒険とかよくわからないし…)

 数秒考えて弟子入りの提案をした

「あ、あのっ!」

「なんでしょうか?」

 少し首を傾けるシュベルツ、サラサラと風に揺られている髪が日光に照らされて金色に輝いている

「よ、よければ、弟子にしてほしいです」

 急な提案に困った顔になっているシュベルツは、5秒沈黙したのちに話し出す

「いいですよ、」

 シュベルツの顔つきが爽やかな笑顔から真剣な眼差しへと変わっていく

 (やった!ラッキー!これで俺の冒険も安泰ダァ!!)

 堺はうっしと小さく呟き顔の前で握り拳を作る

「あ、ありがとうございます」

 ガチガチに固まった体を無理やり倒してお辞儀をした

「さぁ、それでは行きましょうか」

 シュベルツは町を横に森林の中に入っていく

 

 

 

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