18話 アルファ
18話
光の壁がジワジワと消える
「え!!」
堺が思わず声を上げた
目の前に広がったのは全体的に明るい空間
空間内はとても広く、まるで外にいるかのように天井が高い
壁には高層ビルのような建造物がズラーっと並んでおり、空間内を囲んでいる
その他にも形がそれぞれな建物があり、人が多く賑わっている
「さぁ、堺さんついてきてください」
シュベルツは歩き出す、床を踏むたびにカツ、カツという音が聞こえる
「あ、前田さん!帰られたんですね!お疲れ様です!」
そこらを歩いていた男性が元気に話しかける
シュベルツは歩きながら優しい笑顔で軽くお辞儀をした
(前田さん、、信頼されているんだなぁ、)
堺はホヤーンとシュベルツ、前田の後ろ姿を見ていた
カツカツ、
建物が並んである場所を2人は歩く
そこに建っている建物は一つ一つが鮮やかに輝いていた
屋根や看板、扉さえもが明るい色で光っている
看板には武器、服、飯、宿などとシンプルな文字が書かれていた
「おぉ、すげー、大阪の街みたいだぁ、、」
堺はホワァーと感動しながら建物を見る
周りの人はシュベルツ、前田をチラッと見ると、何かを察したようにお辞儀や会釈をしていた
(一体どこにいくんだろう、、家?)
堺は「え、えーっと、」と声を頑張ってあげていたが、声量はあまりにも小さかった
建物の間を通り続けると、急に目の前が開けた
正面には大型ショッピングモールを何十個も合体させたような巨大な建物が堂々と建てられていた
今度の建物はピカピカと光っているわけではなく、要塞のような、灰色にあい色を足したような色合いであった
ところどころに白い光があり、宇宙船のようだな、と堺は感じた
「さぁ、ついてきてください」
堺はあまりのスケールに口を半開きにして固まっていたが、声をかけられたことで我に帰り、前田に早足でついて行く
コツコツ、
建物の前まで来た、目の前に扉があり、その横に高速道路の料金を受け取るような場所がある
そこに白いスーツを着た人が立っており、前田が話しかけに行く
「お忙しいところ申し訳ありません、入居権の申請を頼みます」
窓越しから話しかける
「あ、え、、わかりました!でしたらお手数ですが、こちらに利き手をかざしてください」
相手は何かバレたかのようにオドオドとしている
(サボってたんだ~)
堺の口角が少し上がる
前田は彼が出してきたiPadのような黒いガラスに手をかざす
数秒後、「はい!確認しました!」
ガチャン!!ウィーン
頑丈そうな金属の扉がゆっくりスライドする
ウィーン、ガチャ!
前田は軽くお辞儀をした後に建物内に入っていく
堺は歩きながらお辞儀をしてスタスタと後を追う
受付をしていた彼は前田に向けて深々と礼をしていた
建物内に入った2人、中は広く、吹き抜けになっている
受付をする場所があり、数多くの扉、階段があった
周りでは白いスーツを着た人や、私服のような姿で歩く人、子供がワイワイとしていたりと賑やかであった
堺は歩きながらクルクルと周りを見渡した
(すっげー、みんな楽しそう、、いいなぁ、)
前田は人が行き交う場所の邪魔にならないよう、端っこを歩いて奥に向かう
堺は金魚のフンのように前田を追いかける
そのまましばらく歩く、すると、前田が止まった
正面にはスモークのかかったガラスがあり、その上に入居権と書かれている
前田がさらに一歩踏み込むと、ウィン!と扉がスライドした
(おぉ、、ハイテク)
内装がハイテクな空間だったためにここではあまり驚かない堺であった
室内を見渡す、そこは通路になっており、その奥にまた扉がある
扉までの通路の右側に、横に長い机が置いてあり、プラスチックのような容器に紙がたくさん入っていた
(あー、なんか書くんだな、めんどくさいなぁ)
堺から笑顔が消える
すると、何も話さなかった前田がこちらを振り向き口を開く
「堺さん、、私のせいで色々と酷い目に遭わせてしまいました、本当に申し訳なかったです、」
そう言い終わると深く体を倒した
「え!?あ、大丈夫ですよ!大丈夫です!!!」
(え!急に謝る!?なんで?え、もしかしてダルそうにしてたから??どゆこと??あ、学園!?まぁ、、仕方ないよね、、)
堺の言葉に前田はもう一度頭を下げてから話し出す
「今からそちらある用紙に記入をしていただきます、そしたら中に入って手続きを済ませてください、色々質問されますが、入居権だけをもらいにきたと言ってください」
「えっと、、、入居権だけと言えばいいんですね」
念のために再度確認をとる
「はい、そうです、普通は入居権を手に入れた後はそれを維持するためにお金を払わないといけないのですが、そのための働き口を探すための質問があります、ですがお金に関しては私がなんとかしますので安心してください」
(なるほど、、、ニート生活をさせてくれるってわけか、)
ニヤッと口角が少し上がる
「あ、ありがとうございます、、」
堺はもっと話したい、質問したいという感情が芽生えていたが、どう切り出せば良いのかわからなかった
「では、用紙の記入をお願いします」
前田はそう言って左手を用紙が置いてあるところに向けた
堺は用紙を一枚とる、用紙がまとめられている近くにペン立てが置いてあったので、その中からボールペンのようなものを一本取り出す
カチッ
(どれどれ~、名前に、住所、学歴と職業、アピールポイント、、なんか、履歴書みたいだなぁ)
堺はバイトで提出した履歴書を思い出す
(堺、誠と、後は住所、広島県と、高校は中退でいいのか??、まぁいいか、アピールポイント、、)
前田がこちらをみていないか確認する、前田は気を遣ってか、先ほど入った扉をじっと見つめていた
(アピールポイントは優しいところ、、でいいかな、、、)
うーんと首を悩ませたりして考え、終わったと同時にハッと笑顔になる、ちょっとした達成感が込み上げてきたからである
「か、書きました!」
前田はこちらを振りかえり、「はい!でしたら扉の奥に向かわれてください」とワントーン高い声で答える
「わかりました!」と堺は元気に答え、扉の奥に進む
その扉は先ほどのスモークのかかった物とは違い、銀の縁がある金属の扉であった
ウィン!
重たそうな見た目に反して素早くスライドする扉に驚きながら室内を見た




