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15話 シュベルツ対ナックル

15話

 バァン!!

「クレ...」

 あっという間の出来事、セラは言葉を投げかけることができなかった

 堺も何が何だかわからず、口を半開きにしてホワーンとなっている

 そして、堺の目にはこのように映っていた

 シュベルツがグッと力を込めると体が光出した

 途端、目の前からシュベルツが消えてクレインが建物の壁にもたれかかりながらグッタリと座り、気絶している

 この間は1秒にも満たない

 シュベルツは瞬きをする間に堺の目の前に戻っており、金色の髪がふぁ~となびいている

 セラは「え?え、クレイン?クレイン!??」と生きていることを願いながら叫びかけている

 ナックルはフッと笑い、顔を守っている腕を下げてこう続けた

「あのスピードで気絶させるだけで済ませる繊細な動き、さらに強くなったな」

 (高速移動でクレインとの間合いを詰めて、顎にめがけて右フック、吹き飛ぶクレインが壁にぶつからないように支える余裕まであるとは、、)

 ナックルのまぶたがピクピクと動く、タイマンが好きな彼だったが、タイマンでは勝てないかもしれないと思う心が気持ち悪かったのだ

「褒めていただきありがとございます、申し訳ありませんが、ナックル校長には手加減できませんから」

 シュベルツはグッと目力を込める

 ナックルはフッフッフッと体の内側で笑う、実力を認められて嬉しいのだ

「セラよ、ワシのバリアを解け、そして自身のバリアを強化し、拘束されている彼に向けてひたすら攻撃をし続けろ」

 セラはクレインを心配して後ろを見ていたが、ナックルの言葉にビシッ!と反応する

「しかし、それではナックル校長が、、」

 セラは今にも泣きそうな表情でナックルの後ろ姿を見た

「ワシのことは心配するな、とにかく自分の身を守れ、そして奴を攻撃し続けろ」

 そう言ってナックルは堺に右手の人差し指を向ける

「ひぇっ!」

 堺はナックルがビームを撃ってくるのかと勘違いをして目を瞑る

「安心してください、堺さんには傷1つ、付けさせませんから」

 堺の薄く開けられた目から映るシュベルツの背中は今まで見て来た誰よりも頼りがいのある背中をしていた

「は、はい!!」

 堺は拘束されている状態で無理やり気合を入れて自分を保とうとする

 そして、セラはナックルの命令を守り、バリアを解くために右手人差し指をナックルに向けて空中でバツを描く

 途端、目の前からナックルが消えた

「ナックル校長!!??」

 バァン!バシュ!!ビィィン!!ドォン!ドォ!!

 堺とセラの周りで花火が大爆発するような、雷がゴォゴォ!!と鳴っているような、そんな音が絶え間なく聞こえる

 風がブァァン!と2人の間を何度も通過する

 一方でナックルは高速移動で向かってくるシュベルツの攻撃を何度も防ぎ続けていた

 (は、早すぎる!?これが光魔法か!?守りに徹するので精一杯だ!!)

 どこからともかく現れるシュベルツの攻撃をナックルは手や足で弾いていた

 バシバシッ!シュィーン!!

 シュベルツは瞬きをするよりも早くにナックルの背後を取り、様々な角度から攻撃を仕掛ける

 (スピードは有利、しかし私のスピードについてこられるあの筋力、少しでも攻撃が弾かれるたびに吹き飛ばされてしまう!!)

 シュベルツはナックルに攻撃をするも、強化された動体視力と強力すぎる筋力によって攻撃を通すことができなかった

 ナックルはシュベルツの神速に最小限の動きで対応するが、反撃することは不可能であった

 数秒間は互角だった、しかし、シュベルツが有利な展開なために、ナックルは最小限の動きの隙を狙われる

 シュベルツはナックルの斜め上から降るように、流星のごとく加速しながらナックルの顔をめがけて右足で蹴り飛ばそうとする

 すかさずナックルはシュベルツの右足から放たれる神速の蹴りを振り払おうとするが、その足はナックルの振り払う腕の前でヒュン!と止まった、

 かと思いきや、シュベルツの体がその勢いのまま回転する

 ナックルがシュベルツの攻撃を振り払うために動かした腕はビュン!!と空気を切りさいた

 (ま、まずい!!顔がガラ空きだ!!)

 ナックルは次の攻撃に備えるためにボクサーのようにすぐさま顔を守るが、みぞうちに違和感があることに気づく、すかさず目線を動かすと、シュベルツの右足がナックルの腹に減り込む最中だった

 すかさずシュベルツの蹴りを最小の動きで振り払おうと腕をビュンと弧を描くように動かすが、防ぐことは不可能であった

 途端、ナックルの視界はグゥん!!と揺れる

 ナックルはすぐさま自身に防御魔法をかけた

 しかしながらそれは、動体視力、攻撃力、素早さ強化をする魔法の出力を弱めることになってしまう

 痛みも感じるまもなく、宙を舞い続ける

 ドォン!ドォォ!ドドドドドドド!!!!

 空中をバトミントンの飛び交う羽根のように行き来していた

 シュベルツはナックルを蹴る、殴る、投げるを繰り返し、壁にぶつけ、地面にぶつけて、天井にぶつけ、まるでテニスの壁打ちをしているかのように何度も叩きつけ、吹き飛ばし続けた

 ドドドドドドドド!!!!!

 そして、ナックルから反撃をされないために相手の視界外から攻撃を仕掛け続ける

 ナックルはグルグルと回る世界の中、このままでは時間の問題だと悟り、かすれる意識を振り絞って声を荒げた

「セラぁ!!!!やれぇ!!!」

 荒れ狂う空間のどこからか一瞬聞こえたナックルのしゃがれた声に、セラは右手をブルブルと震わせて堺に向ける

 指の先の空間に白色の光が生成される

 その光が大きくなると、光の槍のように高速で動き出す

 ビーーン!!

 セラのビームが堺の頭を撃ち抜いた

 ように見えたが、そのビームは堺の頭に直撃したかと思うと、角度を変えて建物の壁にぶつかる

 セラは爆音の渦の中、砕け散る地面や壁の中、震える手でひたすらビームを撃ち続けた

 (彼女を攻撃するか?いや!彼女のバリアを突破するにはかなりの魔力を消費してしまう!!ただでさえ堺さんのバリアを貼り続けているがために魔力消費が激しいのに!どうすれば!!もう、やるしかない!!!)

 シュベルツはナックルの防御力よりもセラのバリアの方が弱いと考え、セラを叩くことに決めた

 殴り続けているナックルの背後に回り、後頭部を右手で持ち、壁にめり込ませる

 ドォォ!!

 そして、そのめり込ませた後頭部に蹴りをぶち込んだ

「おらぁ!!」

 ドォォォン!!

「ゔっ、、」

 (魔力が、、きれ、、)

 気を失いそうになりかけたが気合いで踏ん張り、セラの位置を確認する

 ビィィン!!

 瞬時にセラの背後を取り、その勢いで回し蹴りをする

 ビャァン!!!

 攻撃は弾かれるが追撃をする

 (!!??どうして!?ってことはナックル校長!!)

 セラは後ろを振り返り、攻撃の手が止まった

 ビィ!ビィ!ビィ!!

 シュベルツはセラの顔を何度も殴る

 ビィビィビビビビビビ!!!!!

 セラに張られているバリアを殴るたびに弾かれ続け、その際にかんだかい音が空間に響き続けた、そしてその音は何重にも重なっていく

「え!?いや、いやぁ!!!」

 セラはうずくまり、顔を抑える

「はぁ、はぁ、はぁ、、」

 バリアの消耗が激しすぎるため、セラはどんどん弱っていく

「壊れろ!壊れろ!壊れろ!壊れろ!!!」

 シュベルツは鬼の形相で無我夢中に殴り続けていた

「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!!」

 死の恐怖を感じたセラは戦意が完全に喪失していた

 そんなことは関係なしに連打で殴り続けるシュベルツ

 すると、後ろから圧を感じた

 (これは、ナックル校長の魔力、もう反撃を!!)

 後ろをビュン!と振り返る

「前田ぁ!!!!!」

 ナックル校長が血塗れの状態で勢いよく走って突っ込んでくる瞬間であった

 服は破けて上半身の引き締まった筋肉が見え、殴られた箇所から血が出ている

 ビュュン!!と右のフックがシュベルツの顔を捉える、しかし、シュベルツはいとも簡単に下に回避をする

 ナックルの拳は風を切り裂き、その風圧は奥にある壁を揺らした

「セラぁ!!!!やれぇ!!!!!」

 2度目の命令にセラは「わ、わかりました!!」と涙を拭ってビームを撃ち始める

 シュベルツはナックルを蹴り飛ばして天井まで吹き飛ばし、瞬時にセラを攻撃し続ける

 ビィ!ビィ!!ビィ!ビィ!!

 セラはシュベルツの恐怖に耐えながらビームを撃ち続ける

 その間、堺はビビり散らかしていた

 バリィ!!

 バリアが砕ける音がした

 セラは死を覚悟して涙を流しながらひたすらビームを撃つ

 (ごめんね、クレイン、先に行くね、、)

 走馬灯と共に目をスッと閉じる

 ドォォン!ボゴォォン!

「ごぉぼぉ!ぼっぉ!ゔっぉ!」

 セラが壁に勢いよくぶつかり、セラの口から大量の血がボコボコと出ている

 シュベルツは魔力の消費やナックルの反撃で手加減をする余裕がなかった

 死なないように軽く、軽く蹴り飛ばしたが、セラにとっては致命傷であった

 (あとは、ナックル校長のみ!!)

 はぁ、はぁと息を漏らして天井に埋まっているであろうナックルを見続ける

「う、!!がはァ!!」

 シュベルツはその場に嘔吐してしまう

 魔力の使いすぎによる代償、堺のバリアを維持するので精一杯だった

 ドシィィン!!

 ナックルが地面に落ちてきた

「う、ぅう、うぅ、」と声を漏らしながらヌルッと起き上がる

 シュベルツはたらりと汗を流して拳を構えた

「ば、バリアを解けば良いものを、、後少しのところで魔力切れになってどうする??」

 ナックルはあきれた様子でため息をつく

 (どこかに仲間がいてもおかしくはない、安易に解くのは危険すぎる)

 シュベルツは何も答えずただ、ナックルを見続けた

「ワシも舐められたもんだな、光魔法なしでどうあらがうきだ??」

 ナックルの体はボロボロであったが、自身にかけた回復魔法のおかげでだんだんと体が癒えていく

 シュベルツは深呼吸をしながら右の腰につけている魔道具に触れた

「お前はどれだけワシを楽しませてくれるんだ」

 ナックルはニヤリと笑い、ヌッと重たい拳で構えをとる

 

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