13話 処刑
13話
「う、うぁ~、、う、うん??」
どっしりとした疲労と共に目が覚める
堺は体を動かそうとしたが首から下がピクリとも動かせない
「え、あ、何これ?なんで、動けないの?」
手が後ろに組まれてガッチリと固定されており、足も同様にガチガチに固まっている
体は直立状態で棒に固定されていた
「て、てか、何ここ、どこ?え?」
堺は大きなドーム状の建物の中にいた
壁は30メートルほどの高さで8階建マンションくらいの大きさだ
地面は土で、その感じは学校のグラウンドに近い
ドームは直径が200メートルほどの長さで、野球ができるほど広い
(は?広すぎだろ、、なにここ、なんでこんなところにいるの?え、わけわからないんだけど、え、怖い、怖い、怖い怖い、、、)
「はぁ、はぁ、」
だんだんとパニックになり、呼吸が激しくなる
スゥゥン...✨
風がファァンと堺の体を通り抜け、空間に行き届く
「ゴホン、目覚めたようだな、」
少ししゃがれているが力強い声が正面から聞こえる
堺は何事かと思い、苦しい表情で地面を見つめていた顔をヌッと上げた
顔を上げると、数歩先に人が立っている
その人は男性で老人だ、アゴ髭が長く胸の上まで続いている
身長は180センチほどあり体格は細めだ
薄水色の足まで続くローブを着ており、見るからに偉そうだ
「え!あ、すいません、え、っと、こ、ここはどどこですか?」
堺は急に現れた老人にビックリしながらも状況を把握しようと試みる
「ここか?ここはそうだなぁ~、お主の生き死にを決める場所だな、」
彼は伸びたアゴ髭を下にかけてサス~、サス~なでている
「え、生き死に??」
体がだんだんと固くなってくるのがわかる
「さよう、今からお主に質問をする、その解答によって生死が決まるのだ」
老人は感情がないかのようにたんたんと話す
(えぇ、もうなんだよこれ、なんでだよ、ふざけんかよ、、)
腕や足に力を込めて逃げ出そうとしたが、全く動かない、まるでコンクリートブロックの中に埋められているようだ
(ダメだ、全く動かない、、)
堺は「はぁー、はぁー」とさらに呼吸が荒くなり、目の前がボヤボヤとする
「では最初の質問だ、サッカイ、君は転生者かね??」
相変わらずに老人は髭をなで下ろしていた
(え、マジか、バレたのか??いや、でも聞いてくるってことはまだバレていないはずだ、、)
堺は数秒ほど黙り込んだ
そして、「転生者です、、」と正直に答える
老人は表情を変えずに「そうか、では転生したのはいつ頃かね?」
「えっと、み、3日前です、た多分、、」
堺は何も考えれなかった、嘘をつくとかそんな事ができる余裕がないのだ
「3日前か、闇魔法を使用したのはあの日が初めてかね??」
老人は目力を込めて堺をにらむ
「へ!は、はい!初めてです!」
「では、闇魔法以外に使える魔法はあるかね?」
堺は死に戻りの能力だけは正直に言ってはいけないと思い
「い、いえ、その時の魔法が初めてです、、」と嘘をつく
嘘がバレるかもという緊張でチラチラと老人の周りを見た
「そうか、、では、あの日のことを覚えているかね?」
「あ、あの日のこと??とはなんですか?」
訳がわからない顔で老人を見る
老人は堺の顔を数秒、グッとみた後にハァとため息をついて話し出す
「知らなかったのか、、君はあの日、見習の4番クラスで授業を受けていただろう、そして魔法の質を高める訓練をしていたはずだ、その訓練で君は闇魔法を使い、周りにいた生徒7人の命を奪ったのだ」
堺は「え?」と思わず声を吐き出し、口が半開きになっている
(え?殺したってこと?俺が?7人??)
今から2日前の話……
茶色の木材の一室、フカフカのソファーが2つ向かい合っており、その中央に机が置いてある
向かい合ったソファーには2人の男性が、扉側と壁側に座っている
扉側に座っているのはラインであり、堺の先生をしている
壁側に座っているのは堺と話していた老人だ
「で?何があったと?」
ぐろっとこもる声でラインに質問をする
「え~っと、そ~ですね、あの時はほんとに一瞬というか、僕もよくわからなくてー、、気づいたらサッカイの周りにいた生徒が吸い込まれていたんですよ、」
老人の圧でラインは冷や汗をかいていた
「吸い込まれた?もう少し具体的に説明できるか?」
深々とソファーに腰をかけ、話をじっくり聞こうとする
「具体的に、、そう!それと~、、サッカイの胸あたりにちょうど拳サイズくらいの黒い球?みたいなのがあって~、それがみんなを吸い込んで、さらには周りにあった机とかも吸い込んでいたんですよ、、」
ラインは自分の右腕の拳を胸の前に持っていき、老人に状況を説明する
「そうか、、ではサッカイはその後どうなった?」
2人の会話はその後も続いた
現在に戻る……
「記憶があれば即死刑、いや、記憶がなくても即死刑のところだが、初めての魔法とあっては、ましてや転生者となれば訳が違う」
老人はグォォン!と圧を堺にかける
堺は老人の言葉を聞く余裕すらなく、堺はボロボロと涙を流している、怖くて仕方ないのだ
「ごめんなさい、ごめんなさい、すいません、ごめんなさい、」
堺は謝ることしかできなかった、何も考えることができない、ただただ怖いのだ
「パニック状態か、もう何も聞こえんだろう、、まぁ仕方がない、今からサッカイ、君の生死を決める」
そう言って老人は金貨を取り出した、その金貨は表面には人の顔が彫られており、裏面には剣と杖が掘られている
「今からこのコインを弾く、地面に落ちた時、表面に顔が来るか来ないかを当てろ、よは神頼みだ、我々では判断できないとき、神によって運命を決めてもらうのだ、直感は神のお告げ、君がコインの表面を当てられたならば、、今回のことは、、、水に流そう、、当てられなければ即処刑だ」
そう言って老人はすかさずコインを天高くまで飛ばした、キャイ~ン!とコインの弾ける音が響き、老人の足の元にコインが落ちる、すかさずに足でドシン!!と踏みつけた、地面にひび割れが起き、砂ぼこりがまっている
堺は「すいません、すいません」と言っていたが、衝撃音でビビっと体に電気が走る、無理やり意識を集中させられたのだ
「さぁ、コインの表に顔があるか?ないのか?当てるのだ」
老人はコインを踏みつけた右足にグゥ!っと力を入れる
冷静な堺なら(コインもうペチャンコになってるだろ)、(普通にしろよ)とツッコミを入れているが、今の状況ではそんな余裕はなく、ただガタガタと震えていた
「さぁ、早く答えろ?3つ数えるうちに答えなければ処刑する、3、2...いっ」
老人は容赦しなかった、考える余地をくれなかった、しかし、それは直感を高めるためである
「えぁ!!!ある!!ある!!!」
堺は泣きながら答える、はぁ、はぁと、老人の足に全神経を注ぐ
(あれ!あれ!顔あれ!!顔あれ!!顔あれぇ!!!)
「ありか、、」
ずっずっとどけた足にはコインがあり、ピカピカと光っている
砂ぼこりが収まり、コインの形がだんだんとわかってきた
(顔!顔!顔!!!!、、、ぶきぃぃ!!!)
「え!はぁっ!!ぁっ!!」
堺の鼓動はミシンのように早くなっていた、呼吸すらままならない
途端、目の前が真っ暗になった




