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氷の華-クビ切り社畜、最強幼女に生まれ変わる-  作者: 東山スバル
シーズン2 鈴木ライナの憂鬱

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36/39

E36 情報公開

「理亜!」


 ライデンは理亜のほうへ走り出そうとするが、


「まぁ、落ち着けよ」


 謎の物体とともに、ライデンの歩みは止められた。彼女は転んで膝から血を流しつつも、イリヤを睨む。


「怖ぇ顔するなよ。オマエとおれって、いわば同志みてぇなものだろ?」

「ど、同志? ……はぁ!?」


 奇妙な生き物が目の前にいた。下手な妖怪より、よほど恐ろしい存在が立っていた。


(う、嘘だろ……。なんでこの世に、野郎の声で話す少女がいるんだよ!?)


 ライデンは目を疑うが、やっぱりそこには銀髪ショートの中学生くらいの女子が立っている。


「ど、どういうこと?」


 守原も思考が言葉にできていないようだ。あの渋い声はどこから出ている? 喉仏もないはずなのに。


「〝逆成長デバイス〟、覚えているか?」

 ライデンは口を開けながら、頷く。「あ、あぁ」

「忘れるはずもないよな。なら、あれを作ったヤツは調べて出てきたか?」

「い、いや」

「なるほど。オマエの親父はすげぇな。なら、教えてやるよ。あれを作ったのは、おれだ」

「は、はぁ?」

「オマエの親父とおれの共同発明だよ。おれとオマエの親父は、親友だが出世を競う仲でね。イリヤ・ファミリーのドンっていう〝副業〟も気に入っていたが、やはり魔法科学デバイスのほうが楽しかった」


 指摘すべき部分が大量にある気しかしないが、とりあえずライデンも守原も彼女? の話を訊く。


「だが、ある日バレたんだ。いや、オマエの親父がバラしやがった。それでアイツは部長に昇進。おれはクビになったが、市販されるはずだった逆成長デバイスは全部奪ってやった……さて、長話しちまったな」


 今度は守原が身体を横転させそうになった。彼女は運動神経の良さでよろけずに済んだので、理亜の元へ向かう。


「そのガキは守原美夢、オマエが連れて行け。じゃねぇと、工場を吹き飛ばすぞ?」

「……よっぽどライナちゃんと話したいことがあるのね?」

「アンタが知っても意味ってモンがねぇ。それに、おれとアンタで話すことってなに? 家なら、火災保険で新しいところ買えば良いだろ?」

「……!!」


 守原はその銀髪の少女? を睨むが、その動作自体が無駄でもあるのも理解していたようで、理亜を背負って廃工場から出ていった。


「さて、鈴木ライデン」守原がいなくなったのを視認し、イリヤは言う。「アンタと接触を図った理由を教えてやろう。ただし、他言無用だ。互いに理がないからな」

「……、」

「まぁ、そう睨むなよ。それにしても、静かな夜だと思わねぇか?」中学生くらいの銀髪女子は、葉巻に火をつけた。「草木も眠る丑三つ時、ってか。アンタの親父とこの国へ来てから数年経つが、夜に静けさを覚えたのは久々かもしれんな。これもそれも、全くもって弱い姿の所為か」

「……なにが言いたい?」

「おれもアンタも、不完全なデバイスの所為でこうなっちまった。そして、おれたちをモルモット扱いしたのは、アンタの親父ってことだよ」

 消え入りそうな声で呟く。「モルモット?」

 高笑いを飛ばした。「まだ気がついていねぇのか? 逆成長デバイスが強奪される前、被験を行った者。データごと奪われたが故、新たな実験台になった者。アンタとおれの共通点は、すなわちそれだ」


 ライデンは息をごくりと呑んだ。目の前にいる者がイリヤかどうかという確証もなく、むしろこの姿の所為で混乱するのは明白。それなのに、眼前の少女の言葉は、強い説得力に満ちていた。


「なぁ、ライデン。ここは同胞らしく仲良く手を組もうぜ」会話を変え、彼女は戦慄するほどの迫力を出した。「イリヤ・ファミリーの解散を命ずる代わりに、おれの犯罪経歴を消せ。もう追われるだけの生活は嫌なのさ」


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