表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷の華-クビ切り社畜、最強幼女に生まれ変わる-  作者: 東山スバル
シーズン2 鈴木ライナの憂鬱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/39

E30 月とスッポンでも

「す、すげぇ……。デバイスだけでなく、再生装置まで自作するなんて」


 理亜は素直に驚嘆していた。魔法科学デバイスを作るには、プログラマーとしての才覚も必要だし、魔法を理解していなければならず、電子工学のセンスもなければいけない。そう思えば、守原が如何に優れた開発者か分かる。


「さて、行きましょう」


 車は守原の新居へと向かっていく。


 *


 ライデンも暮らしている守原の新居は、セキュリティがしっかりした分譲マンションだった。四畳半の部屋ではふたり暮らしはできないと、3LDKの家を買ったのである。


 守原は入口で指紋認証を行い、4階にある家へとエレベーターで向かっていく。


「理亜くん、デバイスの作り方を教わりたいって言ってたわよね?」

「そうです。だから無理言ってついてきたんですから」

「なら、まずどこまで理解しているか聞きましょうか。魔法科学デバイスは〝マギア・コード〟という特殊なプログラミング言語で作られるけれど、ある程度書けるのかしら?」

「勉強してみます」

「なら、魔力はどれくらいあるの?」

「守原さんやライナちゃんほどじゃないけど、あるにはあります」

「電子工作はできる?」

「やってみればできると思います」


 なんだか、懐かしい会話だった。ライデンも元は魔法科学デバイスの開発者、守原とは月とスッポン並みに差があるものの、それでも確かにライデンは魔法科学に携わってきた。


「……、」


 まだクビになってから1ヶ月しか経過していないが、懐かしい感情が湧いてくる。苦しかったことも、わずかな楽しみも、全部良い思い出に昇華できた気がしないでもない。


「どうしたの? ライナちゃん。苦笑いして」

「あ、いや。父も母も魔法科学に携わっていたので、それを少し思い出しまして」

 理亜が尋ねてくる。「そういえばさ、なんでライナちゃんは守原さんといっしょに暮らしてるの?」

 ライデンは即答した。「色々事情があるんだよ。理亜にご両親がいないように」

「ふーん」

「聞いておいてその反応かよ……」苦い笑いを見せる。

「このご時世、家庭環境が複雑じゃないヒトのほうが珍しいしね~。嫌な時代だよ、はっきり言って」


 そんな会話を交わし、ライデンたちは守原の家へたどり着く。

 またもや守原の指紋と顔認証で鍵を開け、広々とした部屋へと入っていく。


「お邪魔します~」


 理亜はそう言い、靴を脱ぐ。


「すっげー! 金持ちの家じゃないですか! 守原さん!!」


 理亜は興奮気味にドアの直ぐ側にあるリビングへと入る。3人で座ってもスペースが余る大きなソファー。大型テレビが設置されていて、キッチンにワインセラーもある。地面は大理石でできていて、まさしく金持ちの家である。


「少し落ち着かないけれど、ライナちゃんと暮らすならこれくらいの家で良いと思ったのよ」

「前の家、四畳半でしたからね」

「寝て起きるだけの空間に、大金を払える気にはなれなかったのよ」


 守原はやはり合理主義的だ。確かに仕事人間の彼女にとって、寝て起きて酒を飲めてタバコも吸える場所であれば、正直どこだって良かったのだろう。


「さて、私はタバコ吸ってくるわ。あぁ。あと、ご飯食べなきゃだから、デリバルで注文しておいて良いわよ」


 ライデンと理亜は、ありがとうございます、と言って守原のスマホを受け取る。


「なに頼む?」

「なんでも良いよ」

「なんでも良い、が一番困るんだよ……。そうだな、ファストフードで良い?」

「こんな大豪邸なのに?」

「庶民舌なのは、私も美夢さんも変わらないよ。ムック・バーガー頼もう」


 そんなわけで、ライナは適当に〝ムック・バーガー〟を頼んでしまうのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ