表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷の華-クビ切り社畜、最強幼女に生まれ変わる-  作者: 東山スバル
シーズン2 鈴木ライナの憂鬱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/39

E29 魔法科学の世界

 理亜が愚痴をこぼす。「なんで、悪者退治して始末書書かなきゃならないのさ……」

 ライデンは理亜の背中を押した。「世の中理不尽なものだよ。それに、桑田を逃がしたのは事実だしね」


 時刻は夕方の6時を回っていた。そろそろ子どもは帰る時間だ。ライデンは、救援に来た上で待っていてくれていた守原の元へ向かおうと、ただ広い蒼月学園の中を歩いていく。


「というか、ピースキーパーの基本給ってどれくらいなの?」

「13万円くらい」

「少ないな。身体張っているのに」

「やばめの魔術犯罪者を捕まえられれば、結構なインセンティブが入ってくるからね。それに、寮にいれば無料のご飯が出る。光熱費もタダだし、〝児童労働〟は基本的に課税されないから、丸々13万円入ってくるんだよ。そう思えば、意外と生活できそうでしょ?」

「なるほど。贅沢したければ、やっぱり魔術犯罪者を捕まえることってわけだ」

「そうだね。まぁ、お金がたくさん入ってきても、僕は投資信託一択だけど」

「しっかりしているなぁ……」


 そんな会話を交わした頃、ライデンと理亜は守原の自動車の近くへたどり着く。


「外車のセダン? 守原さんって金持ちなの?」

「うん。つい最近まで魔法科学デバイス開発者だった」

「え、マジ!?」


 理亜は驚きの混じった声を張り上げた。


 ライデンは首を傾げる。「そんな驚くこと?」

「だって僕、将来の夢はデバイス開発だよ!? ねぇねぇ! どの会社に勤めてたの?」

「ウィザードリー。日本有数の魔法科学会社だね」

「ヤッバッ!! ねぇ、デバイス開発の基礎だけでも教わりに行って良いかな?」

「聞いてみる。すぐそこでタバコ吸っているみたいだし」


 どうせ、駐車場の喫煙所にいるはずだ。ライデンは、スピーカーモードにした理亜のスマホで彼女を呼び出す。


 守原は煙を吐き出していた。『誰?』

「ライナです。理亜が魔法科学デバイスに興味あるみたいなので、美夢さんの家へ連れて行って良いですか?」

『良いわよ~。教えられることは教えてあげる』

「ありがとうございます」

『気にせずに~。ピースメーカーって案外暇なのよね。だから、暇潰しに個人でデバイス作ってるくらいなのよ』

「美夢さんって、仕事しているときはすごいお方ですね」

『自覚くらいしてるわよ。私から仕事を取ったら、酒カスのヤニカスしか残らないもの』

「そうですか。じゃ、喫煙所の近くで待っていますね」

『分かったわ~』


 この姿で喫煙所は入れないので、ライデンと理亜はそこの近くで彼女が出てくるのを待つ。


「ウィザードリーって、セキュリティがしっかりしてるね。関連学校の蒼月は、僕でもハッキングで情報割り出せるのに」

「そりゃあ、日本有数の大企業だぞ。一朝一夕(いっちょういっせき)で子どもにデータを割り出されたら、面目丸つぶれでしょ」

「それもそうか。いやー、守原さんってどれくらい優秀な方なんだろ」

「プロジェクトリーダーとは聞いた」

「楽しみだなぁ」


 思わず顔がほころぶ理亜を見て、子ども嫌いなライデンも少し笑みを浮かべそうになった。


「おまたせ~。さて、行きましょうか。ライナちゃんと理亜……くん? ちゃん?」

「どっちでも良いですよ。このご時世、性別なんてナンセンスだと思いません?」

「なら、理亜くんって呼ぶわね。後ろの席に乗って」

「はい~」


 お値段にして1000万円はくだらない高級外車のセダンの後部座席に乗り、シートベルトをつけた。


「さっき久々に運転したけど、3回くらい事故りそうになったわ。でもそうなると思って、専用のデバイスを制作したのよ」


 守原は昔のカセットテープほどのデバイスを取り出し、プレイヤーに入れて耳元へ当てて音を流した。


 ライデンが尋ねる。「これ、なんですか?」

「運転がうまくなるデバイスよ。カセットテープ風で作ってみたわ。プレイヤーもね」


 ピロピロ、と8ビット風の音が流れ、守原はハンドルを握った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ