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氷の華-クビ切り社畜、最強幼女に生まれ変わる-  作者: 東山スバル
シーズン1 社畜青年はおしまい

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E10 おーん、新たな道へ進め

 父が、あのデバイスを仕組んだ? なんのために? 疑問符が頭の上を駆け巡るが、それは父に聞かない限りには分かるはずもない。あの変人こと父に。


『よー、ライデン』

「……父ちゃん、なに考えているんだ?」

『おー、その声は〝逆成長〟できた証だな。カメラに切り替えてくれ』

「……、」怪訝な面持ちで父を見る。

『おーん。もうカメラ解除して良いぞ』

「父ちゃん、せめて目的を言えよ。父ちゃんが変わり者なのは知っているけど、こりゃひどすぎるぜ?」


 ライデンの父は、魔法科学の開発者だ。彼の属す企業は、守原の〝ウィザードリー〟にも負けない規模を持つ。その会社の部長クラス、だとは聞いていたし、管理職になって研究ができないとも嘆いていたし、更に父は変人の極みのようなヒトだ。多分、急に娘が欲しくなったとかそういう理由も混じっている。


『おー。しかし、可愛くなったな~。おーん、オマエはママに似て日本人顔だったから、パパの息子かどうかDNA鑑定したこともあったな~。おん、大丈夫。オマエはパパの子だ。イギリス人のパパと日本人の母の子だよ』

「だから、理由を言ってくれよ……」

『おー。話の腰を折っちまったな。理由なんて簡単だよ、おーん。オマエ、魔法の才能ないのに魔法科学の道入ったから、そろそろクビになる頃合いだと思ったんだよ。いやー、普通のITエンジニアやれば良かったのになぁ。おー、そうしたら今頃年収2000万円行っていたんじゃないか?』

「父ちゃん、話を脱線させるのが得意だよな」

『娘と話せて嬉しいんだよ、おーん。んでんで、オマエこの際だから人生やり直せよ、って話だよ。おん』


 つまりどういう意味だよ、と言いたくなるが、この父に常識求めるほうがおかしな話なので、もう項垂れながら、溜め息を出すほかない。


「父ちゃん、やり直せって簡単に言うけどよ、具体的にどこからやり直すんだよ。色々あって身体に魔力が開発されたのはあるけど……って、まさか」

『おん。オマエ、今の姿10歳くらいだろ? そして魔力が開発されたと。パパの研究は間違っていなかったんだな、おー。簡単に魔力が身につくようになっている。ただ生活しているだけで、だぞ? おー』

「いや、おれは守原さんっていう隣人に、魔力増強剤をもらって──」

『守原? 守原美夢くんか。彼女は優秀な魔法使いだろう? おーん』言いかけたライデンに言葉を被せる。『偶然というものもあるんだよな。パパは必定しか信じたくない人間だけど、まさか隣人に〝ウィザードリー〟のプロジェクトリーダーがいるとは思わなかっただろ、おん』

「もうツッコまねぇぞ。脱線へは」

『そんなに与太話が嫌いか?』急に真剣な口調になり始めた。『ライデン、君は急ぎすぎなのだよ。少し立ち止まって考えてみたらどうだ? まだ28歳なのだから、人生にリカバリはいくらでも効く。また、青春するのも悪くないぞ』

「……あぁ、そうですか。ガキの巣窟にぶち込まれて精神崩壊ですか」

『そうは言っていない。今、日本には〝児童労働〟があるのを忘れたか? それに守原くんがいるのなら、そして君が君なのであるのなら、きっと抱いた夢は叶う。高校のときから描いた夢が』

「……、学校へ入り直せってことか?」

『籍は学校に置かなければならないだろ、おーん』


 父はいつだって話を逸脱させるので、いつの間にか解読に慣れて始めていた。


 要するに、父はライデンに新たな役割を与えようとしている。一度くじけたライデンに対し、一応道を示している。そして、その道とは、


「あぁ、クソッ。こんな姿になったんだったら、開き直って高校生のとき思い描いていた夢に手を伸ばせ、ってことだろ? 〝魔術犯罪〟に対するプロフェッショナルを目指せ、と」


 この世界には魔法があり、その能力は必ずしも正しいことへ使われるとは限らない。そんなことは、人間の欲深さを鑑みれば当然である。


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