第九話
しばらくしてJ.A.C.K.A.LとV.A.L.K.Y.R.I.Eが合流したものの、依然として無尽蔵に生み出され続けるB.E.T.Aを突破する事が出来ずにいた
周囲に散らばるB.E.T.Aの残骸を踏みつけ、レトがT.W.I.L.I.G.H.Tの中から叫ぶ
「だああああっ!キリがねえにも程があんだろ!ド畜生がよぉ!」
無理もない、レトは数十という撃破したB.E.T.Aを操り続けているのだ、だというのに終わりが見えない
「もう!私もそろそろ限界だよ!」
そう叫ぶとE.V.Eからイヴリースさんが飛び出し猛烈な速度で空に飛び上がる
「えーいっ!」
イヴリースさんの手から光線が放たれ、B.E.T.A達を次々と撃ち落としてゆく
「すげえ…って危なっ!」
光線がS.I.G.M.Aのすぐ側を撃ち抜く
「おいイヴリース!危ねぇだろ!」
レトが大声を上げるが、イヴリースさんには届いていないようだ
『その攻撃を止めろイヴリース!敵味方全部デストロイするつもりか!?』
T.W.I.L.I.G.H.Tから先程の数倍の音量でレトの声が鳴り響く、どうやらスピーカーの音量を限界まで上げたようだ
「あ…ごめんね!」
そう言いながらイヴリースさんはE.V.Eの中に戻って行く
「だがかなりさっぱりしたのは事実だ!今の内に!」
S.I.G.M.Aが飛び上がり、デウス・メインテナーに肉薄する
「行っけぇ!」
まさに目と鼻の先にデウス・メインテナーを捉えたその直後、突然S.I.G.M.Aの動作が停止する
「な、何事だ?」
メインモニターを初めとしてあらゆる機器計器が完全に停止し重力に従って落下する
「クソッ!何がどうなってる!」
地面に激突する寸前、T.W.I.L.I.G.H.TにコントロールされているB.E.T.A達がS.I.G.M.Aを受け止める
そのすぐ後、S.I.G.M.Aの機能が回復した
「助かったレト!」
『気にするな、だがアレはどういう事だ?俺の目には奴は何もしていないように見えたが…』
『解析結果が出たよ』
レオが通信に割り込む
『以前イヴリース君が交戦したデウス・メインテナーは周囲のSAM値を強制的に0に抑え込む機構が搭載されていたんだ、恐らくA.V.E.LとC.A.I.Nを解析して…』
「つまりどういう事だ!」
『…デウス・メインテナーに近づくと君達の機体は強制的に機能停止に陥る、非常に厄介だね』
〜〜〜
紅刃達がB.E.T.Aと交戦しているその頃、レオの施設に1機のマシナリーが帰還した
その機体のハッチが開き中から紅刃の姉、蒼火が顔を覗かせる
「…あのー、出迎えの人とかいませんか〜?」
『番 蒼火君だね?』
「ひぅっ!何処!?」
『ごめんね驚かせてしまって、僕はレオ。この施設を管理しているAIみたいなものだよ』
レオのその言葉に蒼火は僅かに落ち着きを取り戻す
「…ねえレオさん?ニュースで見たけど、今あの映画みたいな戦いの中に紅刃が居るのよね?」
『そうだよ?』
「…私に出来る事、無い?」
『ふむ…無くはないよ?』
蒼火の目の前のシャッターが開き、中に1機のマシナリーが居るのが見えた
『乗るかい?とても危険だけれど』
「決まってるじゃない!」
蒼火は迷うこと無くその機体に乗り込んだ