第八話
S.I.G.M.Aに乗り込み施設を飛び出すと、見渡す限りの空にB.E.T.Aが飛行していた
『紅刃君！今君の家に迎えを送ったよ、蒼火君を保護するから安心してくれ！』
「助かるレオ！」
紅刃が思い描けばS.I.G.M.Aの液体金属が思い通りに形を変える
剣に変形したそれを構え、手当り次第にB.E.T.Aを切り裂いてゆく
『おりゃあー！』
E.V.Eが背中に生えた鉄の翼を虹色に輝かせながら目にも止まらぬ速度で飛び回り、B.E.T.Aを次々と撃墜する
『テメェ達！起きやがれ！』
T.W.I.L.I.G.H.Tから金属のパイプが伸び、撃墜されたB.E.T.A達に突き刺さる
「あれは何を？」
『T.W.I.L.I.G.H.Tは機能停止した機体を再起動させて支配下に置ける、対マシナリー性能に優れた機体だよ』
少し見ているとスクラップ同然だったB.E.T.Aが動き始め、健在のB.E.T.Aに襲いかかり始めた
それらに落とされたB.E.T.AがT.W.I.L.I.G.H.Tの支配下に置かれ、更に他のB.E.T.Aに襲いかかる
「うし！ならあっちは任せて俺は…」
S.I.G.M.Aのメインカメラが空に浮かぶデウス・メインテナーを捉える
紅刃はS.I.G.M.Aの武装を弓矢に変形させ、狙いを定める
…デウス・メインテナーがS.I.G.M.Aを見る
『…キ様、あヤツの…血族カ？』
デウス・メインテナーから老人のような声が鳴る
「喋った！？」
『あの声…おじい様だ』
モニター越しにイヴリースが衝撃を受けている様子か見える
『ああん？何か嫌な気配を感じるなアイツ』
「よく分からないが…とにかく落とす！」
S.I.G.M.Aが矢を放ち、デウス・メインテナー目掛けて飛んでゆく
『愚かナ…』
デウス・メインテナーの前面に魔法陣が浮かび上がり、そこからB.E.T.Aが現れる
『B.E.T.Aを呼び出した？…いや、創り出したのか！？』
矢はB.E.T.Aを刺し貫いたがデウス・メインテナーに届くことは無かった
「まさかアイツがB.E.T.Aを生み出したってのか？」
『可能性は高いね、転移系魔術特有の揺らぎが観測出来なかった、複製系の魔術を搭載しているのかもしれない』
「厄介だな、何とかならないのか？」
『とにかく今はB.E.T.Aを減らす事を考えてくれ、もうじきJ.A.C.K.A.LとV.A.L.K.Y.R.I.E が到着する！』
